日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「面接」の練習は、必要です。自分を振り返るためにも。

2017-11-01 09:03:40 | 日本語学校

晴れ。

はや「霜月」となりました。もう「師走」を目前に控え…すぐに新たなる年の初めが始まる…と、なるのでしょうけれども、実際には、まだまだ11月です。

学生達と「面接」の練習をしているとき、いやでも「どうして」を繰り返さなければならないことがあります。受験を控え、この「どうして」を通して、過ぎ来し方を見つめ直すという必要があるのです。ここで一皮剥けなければ、多分ずっと同じ…、多分。

「どうして日本語を勉強したのか」そして、「どうして日本に留学しようと思ったのか」。

この二つの問いかけは、とても大切です。

少なからぬ学生は、「わからない」とか、「みんなが行ったから」とか、「家族が行けと言ったから」などと答えます。けれども、ここで手を抜いてはだめで、そうでない場合が多いのです。

「どうして日本?」「日本に来る前に日本のことを知っていたか」「それはどこで」「誰との話で」…。

いろいろと聞き方はあるでしょうが、学生が一言でも言えば、必ずそこから引き出せるものがあるはずです。そして、本人が「ああ、そうだったんだ」という表情を見せた時、「じゃあ、まとめてみよう」と、締めるのです。まとめるのはこちらでもいいし、本人でもいい。

もちろん、逃げて逃げて逃げまくる学生もいます。疲れていたり、面倒だったりするのでしょうし、こういうことを考えた習慣がない、また、考えるような教育を受けたことがないからという場合もあります。全ての国が、日本のような教育環境にあるわけではないのです。

「適当なことを言って済ましてしまえばいい。適当に誤魔化しながら、今迄楽しくやって来た。ここでもそれでやっていけるだろう」というわけです。けれども、一つでもここでまとめておかないと、実際の面接の時に、「適当な姿勢」というのものは透けて見えるものなのです。一度真剣に考えてみるということは、とても大切なことなのです。

誤魔化し続けようとすれば、それは当然のことながら、最後には言葉に詰まってしまう。それで、「どうでもいいです」などと言ってしまう。こちらの時間も無制限にあるわけではないので、可能な限りですが、それでも問い詰めていきます。

自分を少しでも振り返って考えることが出来なければ、何年日本にいようと、フラフラと流されてしまうだけ。自分の国にいたときのように過ごしていれば、何のために辛い思いまでして、ここにいるのかわからない。特に、毎日学校へ来て、それなりに働いて、お金をもらって…で、満足している人はそう。たとえ、そうであっても、そのために来たのだということを、自分に確認しておく必要があるのです。

面接の練習の時に、「先に日本に行った友達が、お金をたくさんもらっていた。だから、日本に行ってお金を稼ぎたいと思った。でも、これでいいの?」と言った学生がいました。それで、いいのです。人はどうしても現実的なものに惹かれてしまいます。「自分の国と比べて、日本の方が給料が多くもらえる。それに惹かれて来て、今、頑張っている」で、十分素晴らしいことなのです。

留学の目的がはっきりしている学生(大学で学びたいものがある)は、問えばすぐに答えが返ってきます。必要なのは、「それから」「それで」という相手を促すような言葉だけ。時々(気がつかずに保っている)彼のの引き出しを開ける手伝いをすればいいだけです。
一度しめると、日本に来てからの一年あまり、2年近くまとめることが出来て、次へ進むことができるものなのです。その自由度が増すのです、何か新しいことに迎えるような気がするからなのでしょうか。

日々是好日
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