日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

試験が終わった後は、休みたい…やっぱり…。

2015-07-08 08:44:35 | 日本語学校
 曇り、時々薄日が射しています。

 昨日、午後のクラスでは、(7,8時限目に職員会議のため)前半の授業終了後、放課となることを、彼らが来た時に、言ったのですが、喜ぶこと喜ぶこと。「どうして、私の授業がないことを喜ぶの」と私だけが不満顔。それがわかって、またうれしい…僻目でしょうか。

 けれど、多分、「日本語能力試験」が終わって、ちょっと休みたかったのでしょうね。私たちとしては、「まだ、後に、いくつもの関門が控えている。それを越すためにはまだまだ休息はできぬ」くらいの気持ちなのですが。

 ただ、大半の学生達が、試験が終わっても、月曜日には、いつもと何ら変わりなく、学校に来て勉強していました。そこに、わずか一時間半とはいえ、突然のプレゼント。さて、何をしようとうれしくなってしまったのでしょう。

 さて、学校です。

 人が変わると、授業のやり方も、時によっては教材も彼らに適したものに変えていかねばならなくなるのですが、時々、迷いが生じてしまいます。その時は、「原点に戻れ」です。

 いわゆる「真面目な学生」が勉強していた頃に戻り、あの頃どういう教え方をしていたか、それをどう変えていったかと、振り返るのです。

 えてして、こういう「お尻に火がついてから、クルクルと消し回らっている」ような感じで仕事をしていると、AをBに変え、BをCに変え、CをDに変えしてしまっているのです。そして、原点を見失っている自分に気がつくのです。本来ならば、AをBに、AをCに、AをDにというのが正しいのでしょうけれども。

 特に、「漢字圏」の学生が多かった頃のやり方と、「非漢字圏」の学生が大半を占めるようになってからのやり方との違いは大きい。「非漢字圏」においても、母語の関係から、「ヒアリング力」が劣る者とそうでない者、また単語の並び替えに苦労する者とそうではない者。その中でも、「真面目な学生」が多い場合とそうではない場合。また「才気走った学生」がいる場合といない場合。細かく見ていけばきりがありません。

 最近は「『ヒアリング力』に難あり、しかも『漢字がわからない』、しかも『文法』がなかなか覚えられない」、けれども真面目で努力しようとしているという学生が来るようになりました。そうなると、改めて、教え方や教材について真剣に考えなければならなくなったのです。彼らの希望は大学進学であったり、専門性の高い専門学校で会ったりしますから。

 「ヒアリング力」が劣るだけでなく、やる気があまり見られない。しかも、母語の関係上、「文法」が理解しづらい。当然のころながら、「漢字」を懸命に書いて覚えるなんて努力もしたがらない。こういう学生が多ければ、こちらも、それほど本気にならずにすみます。それでも、二年ほどは努力しましたが、一年に四期ありますから、八回ほどはです。
けれども、彼我の目的が違っているのです。こちらが必死になればなるほど、彼らから見れば、気疎い存在であって、邪魔なのです。「目的が違うよ。ほっといて」なのでしょう。

 日本に来るまでの「18年間」ないし「19年間」、あるいはそれ以上の歳月を彼らは自分の国で過ごしてきたわけで、日本に来たから急に不真面目になったのでも、勉強ができなくなったわけでもないのです。

 これが、スリランカやインドの学生であると、「ヒアリング力」はあるので、文法の理解が「初級」程度で終わっていても、「漢字」が全然書けなくても(言えば、書くのですけれども、それだけ。覚えようという気がないので、終わりです)、「聞く」「話す」ができるので、アルバイトは探せますし、適当なスリランカ人ばかりが行っているような専門学校にも行くことはできました。

 けれども、ベトナムの人たちは大変です。「ヒアリング」と「文法」と「漢字」という三重苦、その上、もともと、それほど勉強する習慣はないという学生が多かったものですから。

 ところが、2,3年前くらいから、大学に進めるのではないかしらんという学生が来るようになりました(少しずつ、学生の選び方が、わかって来たということも関係しているのでしょう。それまでは、向こうの言いなりになっていました。まさか、それほど問題が生じるとは思っていなかったのです)。実際に大学に入れましたし、大学でも大事にされ、有意義な生活を送っているようです。

 そうなると、日本語ができないのは、こちらの責任ということになってきます。あまり口頭練習をする習慣のない彼らに、どのようにして口を開かせるか。また単語だけで話そうとする彼らに、文で話すようにさせられるかどうかが、これからの毎日の課題、そして彼らとの勝負ということになってきます。

 まあ、勝負と言いましても、楽しいものですけれども。

 だって、勉強したいという人たちと教えたいという者との協同作業なのですから、楽しくないわけがないのです。

日々是好日
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昨日、「七夕飾り」を作りま... | トップ | まず、「ひらがな」と「カタ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本語学校」カテゴリの最新記事