日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「一週間に一度の『季節の確認』」。「手と目に集中する『四月生(大卒)』」。

2009-04-20 07:43:57 | 日本語の授業
 今、土曜日毎に、足の治療に久慈まで行っているのですが、一週間に一度という、この回数は、季節を知るのにちょうどいい期間のようです。

 前回、鷺宮駅で見たのは、駅裏に広がる満開の「桜」の木々でした。
 ところが、今回は、全く花のない、樹木としての「桜」の姿。駅から治療院までの道すがら、目にしたのは、「シバザクラ(芝桜)」と、重たげに頭を動かす「ボタン(牡丹)」の花。

 今年の「桜」は、花期が長かったので、春から夏へ秘やかに移っていくという「季節の移ろい」を感じることもなく、それこそ、突如として初夏がやってきたというような按配でした。それが、如実にわかるような、一週間に一度の、「季節」との出会いです。

花水木


 この行徳でも、「ハナミズキ(花水木)」が満開になっています。この地の「ハナミズ」キは、かわいそうなくらいに枝を切られ、特に、華やかさを失う冬の間は、貧弱で、寒々しい姿を、皆の目にさらしているような具合なのです。が、それでも、春も終わりに近づくと、それなりに初夏を告げる座標となっています。
 不思議なことに、この木の花のつけ様は、まるで空中都市のようなのです。それ故にか、見る者をして、ある種の浮揚感さえ味わわせてくれます。
 
 さて、先週の金曜日、初めて「Dクラス」の授業に入りました。彼らは来たばかりの「四月生」ですので、日本語学校では、これから、一番長く在籍する学生ということになります。つまり、この人達は、今の「Aクラス」の学生達と同じように、先輩としての役割を担うことになるのです。それ故、勉学だけでなく、学校での生活や日本での習慣など、様々なの面において、しっかり指導していかなくてはなりません。

 ただ、今年の「Aクラス」の学生達に比べて、大人しいというか、かなり控え目なのです。多分、それは、今年の学生のほうが、「就学生」に「大卒者」が多いということにもよるのでしょう。勢い込んで、勉強に、また課外活動にと、参加していた、「高校を卒業したばかりの人達」に比べ、何事によらず、周りを見ながら、慎重に行動しているような感じがするのです。

 けれども、せっかく四季の美しい国に、しかも、桜の季節に、来たのです。「もっと弾けるように愉しんでもらいたい」のですが。しかしながら、現実には、早く日本語が上手になって、アルバイトをしたいと思っている者のほうが多いようです。

 高校を卒業したばかりの学生達は、(教師に)言われるままに、勉強に集中していましたが、既に母国にいたならば、就職活動を行っていたであろう彼らは、その前に「生活」を考えてしまうのかもしれません。

 ただ、日本語を学んでいく上で、一番難しい部分を、来日後直ぐに、学んでいるのだと言うことを、忘れてもらいたくはないのです。

 特に中国籍の「大卒者」にとって、一番大変なのが、まず、「日本語のイメージ」を身につけるということ、つまり、「初級」段階なのです。

 ここで、徹底的に、日本語を浴びせられておかなければなりませんし、また、がむしゃらに、(自らも)口にしておかねばならないのです。
 日本人も、その傾向が、「なきにしもあらず」なのですが、彼らもまた、私たちが何も言わなければ、中国にいた時と同じように、沈黙の世界で、見ては書いてを繰り返しているのです。

 毎年のことながら、「見るな」、「書くな」と、「聞け」、「話せ」を、口が酸っぱくなるまで、繰り返さなければなりません。ただ、彼らは、そういう勉強方法をとらぬまま、自国の大学に入ったのでしょうし、また、そのまま、自国で大学の四年間を過ごしてきたのです。そういう人達ですから、いくら日本に来てから、急に、それをやめさせ、自国で出来なかった習慣を身につけさせようとしても、なかなか思うようにはいきません。

 もっとも、もう少し経てば、それを、一番、悔しく、腹立たしいことに思うようになるのは、彼らでしょうが…。

日々是好日
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