日本語学校からこんにちは ~水野外語学院日本語科~

TOKYOベイエリア,市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「少しずつ、か弱い声で『抵抗』を始めた学生達」。

2012-08-15 08:41:11 | 日本語の授業
 曇り。早朝に涼しい風が吹くようになりました。人というものは、大切なことも直ぐに忘れてしまいます。そして煩わされるのは、目先のことばかり。大局的に考えるとか、百年の計などというのは、無縁の存在なのです。ところが、自然は、やはりすごい。自然はそういう人間などお構いなしに、時が来れば、暑くなり、涼しくなり、寒くなりを繰り返している。(雨や雪が)降るべき時には降るし、(風が)吹くべき時には吹くのです。本当に敵いません。

 人と人との間で、何かをされたり、したりした時には、相手を忖度することも出来るのに、自然にはそれができません。「そういうものだ」で、すべての扉は閉められてしまいます。人は彼らを崇めつつ畏れることしかできないのです、実際のところ。

 それなのに、今、日本では、10㍍の堤防がだめなら、15㍍で。15㍍の堤防がだめなら、20㍍でと、どこか体験が経験になっていない論議が延々と続けられています。しかも、どれもためにする議論のようにしか思えないのです。多分、それが作られれば、その過程で数年かは飯が食えるという人たちが出てくるのでしょう。そして人間にとっては、また同じことが繰り返されるという恐怖よりもそちらの方が、大切なのです。既に一年以上も経っているからには。

 そして、身内を失った人たちには、ロウソクを灯す力しかないのです。自分のなすべきことを力一杯やっていく、皆がそれをしていれば、国は立派に立ち直れるし、動いていく。

 これはもはや理想でしかないのでしょうか。

 そうやって、日々を生きている一般大衆はどこに流されていくのでしょう。投票率が90%とは言いませんが、80%以上ないと、当選とは認めないというふうになれば、小中高で政治や暮らしについてもっと学べるようになるでしょうにね。

 既得権のある人達は自分を守りたい、これは人情ですから、彼らを責めることはできません。人はそういう立場になれば、誰だってそうするでしょう。彼らは、普通の、ただのおじさんであり、おばさんであるのですから、それは当然なのです。ですから、そういう人たちとは、関係のないどこかで、人文社会系の専門家達が考え、議論し、決めていくべきなのでしょう。どうしたって自分たちに都合のいいことしか決められないレベルの人間達に決めさせるというのは、酷なことです。

 さて、補講している教室では、学生達が少しずつ抵抗をし始めるようになりました。
「はい、10分休憩」と言う声に、あちらこちらから、「15分がいい」「20分がいい」などと、小さな声が返ってきます。まあ、こういうのを蟷螂の斧というのですけれどもね。

 とはいえ、この暑さのなか、大半の学生は(といっても、全員揃っても10人なんですけれども)遅刻もせずに、やって来ているのは、立派なモノ。

 学校に来て、挨拶をして、宿題のノートを出して、個表を取って、下の教室に行き、席に着く。ここまでで汗びっしょりです。

 よく来てくれるなあと思います。せっかく来てくれているので、お礼の意味で、お説教をしてあげました(お説教だけではありません)。
 
 その一。
ディクテーションは、テストではない。皆がどこが出来ていないかを、私たち(教師)が知るためにするのである。そして、次の時間にそこを重点的に復習したり、注意を促したりするのだ。だからカンニングをしてはいけない。自分のためにならないから。

 その二。
遅れてきた時には静かに入ること。勉強している人の邪魔をしてはいけない。また勉強している人たちも、その人と大きな声で挨拶をしたり、話をしてはならない。理由を聞くのは、授業中であれば、教師だけである。

 その三。
アルバイトをしたいと少しずつ活動を始めている学生がいます。アルバイトに使えそうな文型や単語は、彼らの話からアルバイト先なども考え、教えています。これは、少しでも教科書に、(アルバイトと)関係のありそうな文例が出てきた時に、教えていくのですが、たとえば、こういう時にはこう言った方がいいなどと、出来るだけ具体的に言うようにしています。なかには、「ああ、そうか」などと己の経験を鑑みて言い出す学生もいるので、現実味を帯びてくるのでしょう、皆、真剣に聞くようです。

 日本の日本語学校で学ぶ日本語には、特に来日して直ぐの場合ですが、一つは、大学や専門学校で学べるようになるための日本語、そして、もう一つは実際に生活していくため日本語が必要になります。特に、来日したばかりの学生達には、アルバイトの面接の時にどう言ったらいいのかとか、アルバイト中の言葉などを知ることが焦眉の急になります。勿論、この二つともとても大切なことです。

 とはいえ、お説教ばかりで、固くなってしまっては堪りません。第一、私が面白くないのです。それで、時間がある時にはDVDなどを見せて、日本を知ってもらおうとしています。こういう時でなければなかなか時間が取れませんもの。

 それから、今日、二回目の「漢字テスト」をします。この漢字テストも、「勉強してこなかったので、自信がない」という学生には、その間、いつも漢字の練習をさせるようにしているのですが(テストがあるから出席しないというのだけは避けたいので)、ただし、まだ二回目ですからね。これの練習をしていないからテストに参加しないはないでしょう。論外なので、授業が終わってから、残して練習させ、テストを受けさせるつもりでいます。少しでも勉強して参加した方がいいか、それとも空きっ腹を抱えて残った方がいいか、二択です(まだ、皆、アルバイトがないのです、七月に来たばかりですから。だから出来ることなのですが)。

 それでも、漢字が嫌いで(多分)、漢字は難しいとしか言わず、練習をおざなりにしかしていなかったスリランカの学生が、昨日のディクテーションの時に、「八月十四日、火よう日」と昨日の日付と曜日を漢字で書くことができました。少し気持ちが変わったかなと期待しています。今から転けては始まりませんから。

日々是好日
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