日本語学校からこんにちは ~水野外語学院日本語科~

TOKYOベイエリア,市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

クラスメートに「補講」に誘われた。でも、行きたくない…。

2019-04-25 09:11:19 | 日本語学校

曇り。

薄日が射してきたかと思うと、また暗くなり、今は、一雨来そうな空模様になっています。とはいえ、雨が降っていないだけでもありがたい。昨日の予報によると、今頃はここは雨になっているはずだったのですから。

雨に洗われると、樹々の緑が一層美しくなり、花を失っていても、一向に寂しくありません。そういえば、一時の花であった「サクラ」も、今はゆさゆさと緑濃い葉を揺らしているばかり。これもいいですね。

今年は、「開花宣言」が出されてからが長く、なかなか満開とならず、満開となっても、なかなか散る気配を見せず、「サクラが長く楽しめた」と思っていたのですが、いざ、散ってしまった今頃になると、「今年も短いサクラの期であった」などと思ってしまう。「サクラ」の花には、人々をそう思わしめる力があるのでしょうねえ。

さて、学校です。

中国人の新入生、G君。昨日の午前の授業が終わってから、相談があるとやって来ました。どうも、午後の補講のことらしい。

実は、今年の新入生は、大半がベトナムからで、しかも、それほどきちんと国で日本語の勉強をしていない…。これは、私たちの感想で、確かに、こちらからの要求通り、『みんなの日本語Ⅰ』は終えています。しかし、単語も確と覚えておらぬし、簡単な対話すらできない。

ということで、ベトナムからの留学生と、在日で、初めて日本語を勉強するインド人二人と、タイ人の二人は、毎日午前の授業後、2時間ほど残って補講を受けるように言ったのですが…。

むろん、一律に「ベトナム人は皆残れ」と言うのには無理があります。中に一人だけ、よく勉強してきたN君がいて、彼は残りたくなかったらしい。で、教室にいる時、後ろの席にいたG君に、「あなたも残って、一緒に勉強しましょう」と言ったのです。

G君は、中国人ですから、日本語の文法も単語も、もちろん問題はありません。とはいえ、来たばかりでヒアリングが全くだめと来ている。で、N君の言う言葉がわからない。話しかけられても、わからないので途方に暮れてしまう。で、通訳すると、「私は帰ります」。

ベトナム人のN君にしてみれば、中国人と彼等ベトナム人との差はわかりませんから、自分よりも、聞く力も話す力も劣っている中国人のG君がなぜ残らなくてもいいのかが納得出来ない。で、ますます勧めてしまう。「一緒に勉強しましょう」と。

面倒になったのでしょうね。その日、授業が終わってから、午後、決められた時間にG君まで来てしまった…。私としては、「どうして来たの?」。思わず、そう言ってしまったのですが、彼はそのまま三階に上がって、N君らと、別教室で宿題をしていたらしい。

それで、その翌日の昨日ということになるのですが、「残らなくてもいいか」と聞きに来たのです。「宿題なら家でするし、CDを聞けというのなら聞く。実際に聞いている」

私も、「残る必要はない」と言おうとしたのですが、念のため「聞いているって?どうやって?」すると、聞いているだけで大したことはしていないらしい。流しているだけですから、当然、右の耳から入っても、左から出ていくだけ。素通りです。何も残らない…。

もちろん、聞かないよりは、聞いた方がいい…にしても、彼の場合、典型的な中国人学生で、しかも、内気と来ている。あまりにヒアリング力が弱いので、「そんな勉強の仕方では、ヒアリング力はつかないよ、とにかく聞いたらそれを口に出してみよ」と言ったのですが、正直ですね、困ってしまうのです。…聞くだけでもいいだろう。言うのは嫌…というのが、顔に出ていました。

「では、今週いっぱい(金曜日まで)、来なさい。日本人の言うことを聞いているだけでいい」と言ってやると、今週だけでいいのかと念を押し、嬉しそうに帰っていきました(お昼御飯を食べてから来るのです)。あと三日で解放されるというのが嬉しかったのでしょうね。

この「簡単なことを毎日聞く」というのは大切で、「元気ですか」を毎日聞けば、嫌でも言えるようになりますし、「朝、パンを食べて、コーヒーを飲みました」と毎日聞けば、直に「朝、ご飯を食べて、お茶を飲んでから、学校へ来ました」と言えるようになります。あまり人と積極的に交流しようとしないタイプにはこれしかないでしょうね。聞かなければならないような場に置く。嫌でも話さなければならないような場に置く。

彼は自分でも言うとおり、積極的に何かをするというタイプではなさそうで、放っておけば、そのまま…(読んで判るだけ)なのでしょう。語学の勉強には、外に出るということがとても大切で、せっかく留学しているのですから、うちに引っ込んでいないで、外に出た方がいいし、それからほかの人と積極的に話したほうがいい。わかっていても億劫なのでしょうね。だから、学校でもどこでも家から出た方がいいのです。

これが、「N3」「N2」「N1」と進んで行けば、もっと大変なことになる。「読解問題」などでは、点が取れても、「聴解」で転けてしまう。まず、会話力がないに近しい。人と話さずに済むような位置にいて、誰にも迷惑をかけずにいようとする。せっかく能力があるのに、鍛えないものだから、それだけで終わってしまう。

好きなことが見つかって、それについて話せる日本人の友だちでもあれば、グンと日本語力もつくのでしょうけれども、まず一番先の、『みんなの日本語Ⅰ』の受け答えすらできないのです。これじゃあねえ、友だちが見つかっても、自分もそれが好きだとすら言えないでしょう。

少しずつ、自分の殻を打ち破っていけるように、頑張るしかないですね。ひな鳥すら頑張って殻を破っていくのですから。

日々是好日
コメント   この記事についてブログを書く
« そんな虫(ムシ)は、無視(... | トップ | 「留学生試験」の総合問題 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本語学校」カテゴリの最新記事