日本語学校からこんにちは ~水野外語学院日本語科~

TOKYOベイエリア,市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「蕁麻疹で病院に」。

2012-08-08 08:43:12 | 日本語の授業
 今朝は曇り空です。陽の光がないからでしょうか、秋の風が吹いています。立秋を過ぎると違うなどと、太陰暦と太陽暦を無視したことまで考えてしまいます。

 「セミ(蝉)」が、ポトポトと落ちていたのも、もしかしたら、こういう気配を感じ取り、気焦りしてしまったのかもしれません。そう思うと「命をかけて歌う」蝉の声までが、悲しげに聞こえてきます。おそらく、これが「秋の訪れ」の正体なのかもしれませんが。

 花期が疾うに過ぎたはずの「キキョウ(桔梗)」…、それなのに、一輪の花が…。色も盛りの頃の、濃い青ではなく、ごくごく薄い青なのですが。それでも、夏の夕涼みの頃の、水に打たれた「桔梗」というのではなく、残んの花…といった感触なのです。秋が近づいてきたような気配に、人まで感傷的になってしまいます。

 8月は、朝からカッと日が照り、汗をダラダラと流しながら行き来をする…ほうが、やはりいいのかもしれません。こんなに涼しくては、どうもいけません。心と体がバラバラになってしまいそうです。

 さて、学校です。

 補講二日目。休みが3人出ました。二人は連絡なし。このうちの一人は、一昨日は元気に勉強できていましたから、きっとそろそろ来るぞと、皆でみていたので、まずは想定内。慣れないアルバイトで、体力的にも参っていたのです。気力の方は…ちょっと怪しい…。

 もう一人は、いつも真面目に出席していたので、連絡がないのはおかしいと思っていると、皆に遅れて(もしかしたら、わざと時間をずらして)やってきました。全身に蕁麻疹が出ていました。皆に見られるのが嫌だったのでしょう。

 聞くと前日の夜、寿司を食べたというのです。更に聞くと、ベトナムでも「カニ(蟹)」を食べてこういうことになったことがあると言います。けれども、「昨日、食べたのは魚と野菜だけ。カニは食べていない。それなのに…」。でも、やはり蕁麻疹でしょう。そのままにしておいてはいけないということで、保険証を取りにやります(寮は学校の裏、歩いて2、3分のところです)。10分ほどで戻ってきたので、皮膚科に連れて行きます。

 ここは新しくできたばかりの病院。医者も看護師も皆女性です。待合室の窓ガラスが、なかなか凝っています。全体的に優しい色合い。これなら、病院でも怖くない…。

 保険証を出し、初めての来院であることを告げると、早速、質問用紙を渡され、いろいろな事を書き込まなければなりません。とはいえ、これが案外難しい。それでも、スマホに助けられ、一つ一つ書き込んでいきます。勿論、わからないところはパス、後で聞きます。

 名前を呼ばれて、三番の診察室に入ります。看護師さんが、先に渡した紙を見ながら、問いかけたり、診察の準備をしたりします。看護師さんの優しい応対に、彼女も緊張が解けたのでしょう。受け答えが、少し、スムーズにいくようになりました。

 先生が来て、質問するのですが、どうも何が原因で蕁麻疹を起こしているのかが、よくわからない。何せ、来日一ヶ月ほどの外国人ですもの、お互いに、困ったという部分はあるでしょう。それで信頼できるのはデーターということで、採血して調べることになりました。

 (先生が)看護婦さんに、保険の有無を訊ねていましたから、お金のことを気遣ってくれたのでしょう。こういう検査は少し高いようです。彼女のほうでも、病院で払った時には、何も言いませんでしたが、処方箋薬局で待っている時に、「病院のお金は高いです」と言っていましたから、ちょっと驚いたのかもしれません。

 その時、彼女に、「この学校で、あと一年半。大学に入ってからも四年間、日本にいることになる。何が原因で蕁麻疹が出たのかを調べてもらった方がいい。それが日本での暮らしを随分楽にすると思う」と言いますと、それなりに理解したようでした。

 普通の話が出来る相手でしたから、助かりました。時々、何を言っても、全く(話が)通じなくて困り果ててしまうことがあるのです。これは、言葉の問題というよりも、彼我の常識や、育った家庭環境、社会環境などの違いによって引き起こされる方が大きいように思われるのですが。

 それでも、たいていの場合(例外もあります)、日本語がある程度、わかるようになってくると、彼らのほうが日本に慣らされて、それほど問題を感じなくなってきます。ところが、来日してすぐの場合、これは案外難しいものなのです。同じ国の人で一年以上も日本語を勉強している学生が、彼らの国の情況などを加味しながら通訳をしてくれて、それで、やっと意思の疎通を図れるというのが、普通なのです。

 いくら彼らの国の言葉が話せても、向こうで彼らの中に入って生活し、彼らの気持ちを理解していなければ、なかなか、こういう説明ないし説得は出来ないもののように思われます。

 で、処方箋を書いてもらい、近くの処方箋薬局へ行き、薬を出してもらいます。その時に、(この学校を)卒業してから、どうしたいのかと聞いてみます(こういうことは、折に触れ、皆の教員でやっています。課外活動もまた然り、休み時間もまた然り)。まだ『初級Ⅰ』なので、わかる言葉は知れたものなのですが、それでも、やりたいものがあって、日本へ来たらしく、「会計」をやりたいと言います。

 けれども、勉強の様子や彼女の性格、知識欲などを考えていきますと、もう少し幅広い分野で活躍できるような気がします(私たちの共通理解)。これも学校にいる間(一年半)に、関連する分野を、折々に、見せていけば、自分がやりたいことがもう少しはっきりとわかっていくことでしょう。

 薬局で、塗り薬を二種(顔と身体で、分けて塗るように言われました)、飲み薬を三種もらいました。説明書も、写真や色が多用されていますから、大変わかりやすく、あとは、簡単に言葉を添えていくだけで十分でした。ただ漢字はいけませんね。「朝」とか「晩」とか書いてあるのですが、わかりません。それにルビを振っていかなければなりません。まだやっと漢字に入ったばかりのところですから。

 とはいえ、「三級」までの漢字が、書けたり読めたりしますと、大半のことはわかるようになります。日本で独り立ち出来るかどうかは、やはり漢字にかかっているようです。

 まずは、「初級」が大切であると、改めて、そう感じさせられました。

日々是好日

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 「セミ」。「夏休みの補講、... | トップ | 「試験中に、助け合うという... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本語の授業」カテゴリの最新記事