日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

他の同国人の話に、右往左往してしまう人もいて、困っています。あっちが楽だと聞くとすぐそっちを見てしまう…。

2018-10-05 08:48:00 | 日本語学校

小雨。

この頃の雨は、霧雨と言うには少々大粒、かといって小雨と言うにはふさわしくない。どう言えばいいのでしょうね。…今日は一日中、こんな感じで降っているのでしょうか。

最近、空き時間に学生を呼んで、面接の指導をしたり、願書書きや作文の準備などをさせているのですが、なかなか面倒な人もいて、神経を使わされています。

「紹介してください」という言葉と、「助けてください」という言葉を連呼するのです。 どの程度、こういう言葉の意味を判って使っているのかなとも思うのですが、まずは、「自分でできることをするしかない」と答えています。

夏休み前から、「ここはどうか」と勧めてみたところはあるのですが、お金が高いとか、何かわからないことを言い出して、なかなか動こうとはしません。どうかと私たちが勧めた大学にも、なぜかいろいろな理由をつけ、心が動かされないようです。

その時は「はい」と言っても、数日後には、また「行かない」と言い出す。それでも勧めたりしていたのですが、これを3,4回繰り返し(繰り返す度にこちらの話は長くなります。いろいろな角度から説明しなければならなくなりますから)、こちらがもういい加減、「もう、いいか、後は自分で考えた方がいい」などと諦めた頃、別の機会に他の教員がその大学について説明した。すると、勢い込んで、「○○先生が、こう言いました。なになにだそうです。私は行きます」と言いに来た。「そんなこと、とっくに説明しただろう」と、いい加減、嫌になる。でも、行くのはいいから、では、何期に応募するかと相談する。

それで、決まったかと思っていると、また翌日、「行きません。なになにですから」等と言いにくる。「ハア…」。

そして、10月。昨日のことです。一つの専門学校の願書を書き上げ、「ここはとてもいいです。行きたいです。ここを出た学生はなになにで働いています。私もそこで働きたいです」。「そこで、どんな仕事をしているか知っていますか」「???」

「もう一つ受けたいです。心配ですから。この学校はとてもよくて入るのが難しいから。紹介してください。ここはどうですか。あそこはどうですか。」などと言う。私が黙っていると、「助けてください」と言う。で、「どちらでも同じでしょう。大して差はありませんから」

絶対に入れるなんてだれにも言えません。努力して勉強するしかないのです。

「○×という日本語学校は、この専門学校に推薦で入れます。(ここは)できますか?」「できません」。

「そこは同じ系列で経営者も同じ。そこに入りたかったら、そういう日本語学校に行けばいいことです。そうしたら、勉強しようがすまいが、入れるのでしょう、その専門学校に。10人と数が決まっていれば、それだけの人数を入れるのでしょうから」

こちらが合格できるだろうと思っていた学生でも、失敗することがある。彼は「どこでもいい、ここなら絶対に入れる」という言葉が欲しいだけなのでしょうが、そんなこと、だれにも言えません。頑張るしかない。

よく、こういう状態で彷徨う人がいます。決めることができずに、あっちへ訊きに行き、「じゃあ、ここにしよう」。ところが、他の話を訊けば、なぜかそっちが良く思われてしまう。で、「そっちへ行こう」ということになる。ところが、また別の人の話を訊けば、やはり前のところの方がいいということになり、またそちらへ心が傾く。この繰り返しなのです。で、最後は、決めてくださいと言いに来る。

「こちらの方がいい」ということは既に言ってある。同じことを言っても、また他の誰かが向こうが良いと言えば、彷徨い始める。だから、何を言っても、無駄な気がする。どうしようもないのです。とはいえ、リミットは来ますから、いずれ決めなくてはならなくなるでしょう。

その、彷徨っている3ヶ月間、何をしていたかというと、何もしていない。うろついていただけ。心がさまよっていただけ。

「『どうしよう。どうしよう』と言っている間に、漢字の一つでも、単語の一つでも、覚えたらどう?」…でも、できない。すぐ、ほかの人の言葉に引きずられてしまう。

そもそも何をしたいかがはっきりしていないから…。でも彼の場合はそうではないのです。したいことははっきりしている。それなのに、あっちへ行き、こっちへ行きしている。「そのうち、だれにも相手にされなくなりますよ」としか言えませんね。人が言った話にすぐ飛びついてしまうのです。

何ヶ月も相手をしてきたのに(本当に面倒です。同じことを何度も何度も言いに来ますから。日本人が相手だったら、「私が言えることは既に言いました。ほかの人もそうでしょう。あとは自分で考えてください」と、何回か相手をした後、言うだけです。彼には、既に何ヶ月も同じ話を聞いてやり、何ヶ月も同じことを言ってやりしてきました。とはいえ)、「もう、自分で考えなさい」と言うと、捨てられたような気になるのでしょう。

かといって、彼が持って来て、いい専門学校だというのは、別にいい専門学校でも何でもないのです。普通の、大して勉強しないような外国人が行くようなところなのです。

私たちが、いい専門学校というのは、日本人が主であり、入るのは難しいけれども、入ってからきちんと勉強させてくれるところなのです。だから、そもそも話が噛み合わないというのもわかる。

だいたい、私たちに、勧められたとおりに大学を受験した学生は、すでに合格して、落ち着いて次の目標に向かって歩み始めているのですけれどもね。

日々是好日
コメント
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