日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

えっ!オープンキャンパスに行って、嫌な思いをさせられた…?そんなことあるはずがないでしょう。

2017-08-10 09:54:36 | 日本語学校
曇り。

一昨日も、昨日も暑かった…。「セミ(蝉)」の声はやかましいし、「カンナ」の花は真っ盛りだし、何を見ても聞いても、それだけで汗だくになってしまいそう…。

雨で、暑いとくれば、ムシムシです。とはいえ、今年度、進学を控えている学生達はオープンキャンパスやら、面接やらへ行かなければなりません。

すると、中には、行ったはいいけれど、散々嫌みを言われ、ムカッとして途中で帰ってきたり、状況が掴めず、ずっと最後まで嫌みを聞かされ続けたという学生やらが出てきます。

この、むかっ腹を立てて席を立ってしまった学生の方がおそらくは根性もあるでしょうし、教え甲斐もあるでしょうに。大学にしてみれば、逃した魚は大きいのではないかとも思われりのですが。

オープンキャンパスの目的というのも、大学の紹介は半分で、来た学生達の様子を見るのが半分でしょうに。自腹で交通費を払ってまでして来てくれた学生達に、彼らとは直接関係のない愚痴や文句を言うような場ではないと思うのですが。

参加した学生達の可能性とか、将来性とかを、さりげなく見、好感を持てば、逃さないようにすべきでしょうし、そうでなければ、試験で落とせばいいのです。学生は、時間も金も使って、わざわざ行ったのですから、少なくとも、嫌な思いだけはせてもらいたくはありませんね。

だいたい、レベルの高い大学は誰に対しても親切でありますから、そこからも、その大学のレベルというのが知れてきます。

学生達の話を聞いて、そういう大学にはよほどのことがない限り、見に行くようには勧められないと思ってしまいます。入れたとしても碌なことはないでしょう。他の誰かと比較されたり、漢字を知っている中国人と比較されたり、その人を見ると言うことが出来ないわけですから。

オープンキャンパスはまず、人を集めること。集められるかどうかが大切なのです。

以前、冬、蜜柑やら、パンやらを庭に撒き、きれいな小鳥を呼ぼうとしたことがありました。けれども、来るのは「スズメ(雀)」ばかり。緑色のきれいな「メジロ(目白)」とかは飛んで来ません。がっかりしていると、母に「スズメ」が来たら、半ば成功。すぐに「メジロ」も来るようになると言われ、半信半疑でしばらく続けていますと、本当にメジロがやって来ました。

これと同じこと。その大学を受験するかどうか分からない人にまで、ネチネチ、タラタラと嫌みを言ってしまいますと、その話はいつの間にかずっと広がって行きます。レベルの高い大学で、黙っていても日本人がやって来るから、外国人は要らないというのならともかく、ごくごく普通の私立であれば、あの大学は親切だというのが何よりの強みになるはず。少なくとも、オープンキャンパスに人が集まるようになります。

一人一人を見ようとせずに、非漢字圏というだけで、漢字が書けないだろうとか、「N1」とか「N2」とかのレベルを要求するのは、おそらく外国人学生の実態を知らないことをさらしているようなもの。10月に来て、一年経っていない学生だっているのですから。それなら最初から中国人、韓国人に限るとすればいいのです。

大学としても、もったいないことをしていると思われます、他人事ながら。

こういう大学の話を聞くにつけ、随分前に卒業した学生のことを思い出します。もっとも彼が嫌みを言われたのは、かなりレベルの高い大学でしたから、仕方がなかったのかもしれませんが。

彼は、最初の大学のオープンキャンパス見学に行ったときには、(10月に来日したので)まだ一年経っていませんでした。N2の漢字はほぼマスターしていたらしいのですが、それを使って書かれている文章が読めるまでには至っていませんでした。けれどもそれと無関係に、非漢字圏だということで、漢字のことをかなり厳しく、手厳しく言われたらしいのです。

私たち教員は皆、目的があって来日し、しかも必死に勉強している彼は、どうしても大学へ行かせたいと思っていましたので、嫌がる彼にもう一つ見に行くように勧めました。でも、本当に嫌がって、なかなか行くとは言わなかったのです。けれども、やっと行ってくれ、そこの先生ときちんと話し、入学したことが彼の今の成功につながったと思います。

人の才能は、言葉だけではないのです。そこのところを見ていただけるといいのですけれども。

日々是好日
コメント
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