日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「今日から新学期」。

2013-04-08 08:40:08 | 日本語の授業
 土曜日の夜は、すごかった。まるで台風です。「春の嵐」とはよく言ったもの。しかしながら、こんなに激しかったかしらん。記憶にあるのは「花を散らす」とかいう形容がつくものくらいでしたけど…。

 とはいえ、去年の春の嵐もすごかった。竜巻が起こったりして、「ほんとに嵐なんだ…」と変な納得の仕方をさせられてしまいましたもの。そして今年も、気象庁をはじめ、お天気関係の人達が、「できるだけ、外に出ないように」を繰り返していたのも、なるほどと頷けます。

 その翌日の翌日の今日。(昨日は朝からお日様がしっかりと照っていてくれました)昨日までの暖かさとは裏腹に、今朝の風は冷たい…ちょっと甘く考えていたようです。外に出た途端、ビュウと来ましたから、慌てて部屋に戻り、「足して」来ました。

 ただ、そうは言いましても、街路樹の下や、どこかのお宅の庭先には、「ヤマブキ(山吹)」や「ハナニラ(花韮)」、木陰には「シャガ(著莪)」の花まで咲き始めていますから、もう「春の役者」は出そろった…のでしょう。その上を、もうすっかり葉桜となった「サクラ」の木の枝から、「サクラ」の小さな花びらが流れるように落ちていきます。それと気づかぬうちに、春はもう随分闌けていたようです。

 さて、学校では、今日から新学期。
 今日が新学期であることを忘れている人、覚えていたけれども忘れているような気になっている人、覚えていたけれども身体が言うことを聞かない人…以外は来るでしょう。

 教室が変わっているのを言わなければなりません。教科書を忘れている人がいるかもしれません。筆記道具を人に借りなければならない人がいるかもしれません。

 何と言いましても、大半は「ピッカピッカ」の新入生ではないのですから。「生活」の中にいるわけですから。そう言えば、先週、スリランカから女子学生が、一人やって来ました。卒業生が連れてきてくれたのですが、彼女と二人で住むから大丈夫と言います。

 彼女(新入生)は「N5」には合格しているといいますが、私が話す言葉は聞き取れません。それで、まず、今週から始まる「Cクラス(一月生クラス、『みんなの日本語』のL.24課)」に参加してみて、もしついて行けないようだったら、来週から始まる「Dクラス」で勉強するということにしました。

 卒業生の紹介というのは、本当に助かりますね。この学校のやり方を知っていますし、どういう人に対して私たちが厳しい態度を取るかということも熟知していますから。まず、入ってくるなり、「あっ。先生。スリッパね」(スリッパを買ってくるということを覚えていたね)。学校での話が終わってから、市役所に彼女を連れて行くと言います。これも助かります。やり方は彼女の頃(数年前)とは違っていても、どうすればいいのか聞くこともできますし、日本人と話す時の勘もついていますから。それでもわからなかったら電話してくることでしょう。 

 スリランカの新入生は(彼女以外)、皆この近辺に友達がいると言います。ですから、寮の心配もしなくても大丈夫。これも助かります。その他に、一人、他の日本語学校から転校してくるスリランカの学生がいるのですが、彼は、この学校のスリランカ人学生と、以前、同じ学校(スリランカ)で勉強したことがあったらしく、(この学校に何回か来ているのですが)いわれた通りに一人で部屋を借りたり、アルバイトの面接に行ったりしています。

 去年の1月に来たスリランカ人学生が言っていました。「私が来た時は、スリランカ人は、私、一人だけ。みんなで外へ行く時も、とても寂しかった(話し相手がだれもいなかったから)。アルバイトも(他の学校の)友達が助けてくれたけれども、カキ(牡蠣)の工場で、冷たくて、とても大変だった。でも今は、友達が増えたし、今、自分が行っているレストランへ彼らを紹介することもできる。今はとても楽しい」

 本当に、異国で、一人ぼっち(たとえ、学校やクラスメートがいろいろと気を遣ったとしても)だというのは、こういう、いつもたくさんの人達に囲まれて暮らしていた人達にとって、耐えられないほど辛いことだったのでしょう。

 これが、切れずに(毎期、スリランカ人の学生が入ってくる)続いていくといいですね。そうすれば、スリランカ人の先輩は、いつも後輩を助けられるという伝統ができていきますから。これは、他の国から来ている学生達も同じなのですが。

日々是好日
コメント
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