日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「思い立ったが吉日」。

2012-07-24 10:44:32 | 日本語の授業
 曇り。

 まだ「BCクラス」が落ち着きません。原因の一つは「旧Cクラス」が、まだアルバイトが決まっていない学生がいることでしょうし、「旧Bクラス」の学生の中に、出来ていないにもかかわらず、一度やったことは「やった」こと(出来るようになったとか、わかったということとは無縁です)としか、考えられない人がいることでしょう。これでは、せっかくのチャンスが活かせません。

 いつもは、二コマ目に入った時、前列か二列目に空席があると、三列目か四列目から一人か二人呼んで、前の空いた席に座らせるようにしているのですけれども、昨日は「旧Bクラス」の一人が(私が何も指示していないのに、行くと)、一列目の端っこに座っていました。

 彼の場合、意欲はあるし、学びたいこともはっきりしている…のですが、どうも、来日当初、「自由」を謳歌しすぎてしまい(数ヶ月が経過)、その間の遅れが取り戻せないでいたのです。

 今年に入ってから、だいぶよくなってはいたのですが(休まなくなっていたものの、時々爆睡してしまうのです。叩いても引っぱっても起きません。けれども、まず学校に来る習慣をつけることが大切だと、それでも文句は言いませんでした)、しかしながら、クラスが合併してから、やはり少し不満だったのでしょう、二度ほど姿を見せていませんでした。

 それが、前列に座り、「今からでも頑張れば、N2に合格できるだろうか」と聞くのです。勉強する気があるのなら、同じ教材を使っても、勉強の仕方は様々あります。それほど呑み込めないだろうと思われるクラスには、通り一遍というか、教科書に書いてある単語だけ覚えさせるようにしていきます。だいたい、それ以上の意味を覚えさせるのは無理なのです。却って混乱してしまうだけです。実際、ほとんどの場合、それでも荷が勝ちすぎると思われるくらいでしたから。

 ただ、二度目となると、少し深読みも出来ますし、知識の程度を少しですが拡げることも出来ます。漢字にしても、音読みだけでなく、その語に訓読みもあれば、それも意味の理解と共に学んでいくということもできます。

 彼の場合、簡単な指示を出せば、あとは自分で考えながらやっていけますので、一番前の席に座ってくれさえしたら、後は適宜に指導できると思います。非漢字圏の学生で、しかもまだ音が正確に取れていないのです。同じような状態で来日したにもかかわらず、彼より数ヶ月後に来日したのに、真面目に学校で勉強してきた学生達が、ヒアリングの授業の時に楽々と書き写しているのを見て、愕然としたことでしょう。こうなったら、言い訳はできません。

 日々の積み重ねとは、こういうことをいうのだと思います。何でも急にはよくはなりません。けれども、日々弛まずやっていれば、いつの間にか(本当に「いつの間にか」なのです)聞き取れるようになっているし、読み取れるようにもなるのです。

 勿論、何事にしても、遅すぎると言うことはありません。「気づいた時が、始め時」。これが続くことを祈っています。

日々是好日
コメント
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