日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「最後の花見」。「新しく来た学生」。

2012-04-16 18:23:54 | 日本語の授業
 晴れ。
土曜日の寒さ、雨が嘘のようです。土曜日に「花見」を予定していた人たちは、さぞかしがっかりしたでしょう。けれども、日曜日があったので、ぎりぎりでお花見が出来たという方もいたのかもしれません。

 とはいえ、「花を散らす雨」は、また違った趣で、私たちを愉しませてくれます。今度は「サクラ(桜)」の花びらが、他の木々や建物、道を飾るのです。私がいつも行っている治療院のそばには、関東でも屈指の神社があるのですが、そこの神社の「サクラ」が、またよかったですね。ここはいつも静寂と清らかさに満ちていて、いかにも「神社は過くあるべし」といった風情なのですが、「サクラ」が散って道や木々に落ちていると、急に華やかに色づいて見えてくるのです。いつもは白木の木目や屋根の黒や金具の金が、我々を遠ざけるほど厳かであるのに、そこに「サクラ」のピンクが加わると俄然、雅になってくるのです。

 お参りに行く道の途中から、参道が「サクラ」の絨毯と化しているのがわかりました。鳥居のうちが「サクラ」の川となっていたのです。ぐるりと周りを回ってみますと、「モミジ」の若葉の上に「サクラ」の花びらが散り落ちて、これまたかわいらしいのです。歩こうとしても、足の下ろすことができないほどに散り敷いています。全く、「サクラ」の花びら、花びら、花びらなのです。それなのに、また風に誘われ、雨に打たれして、花びらは落ちてきます。いったいどれほどサクラは花びらを持っているのでしょう。

 ほのぼのとしながら駅へと向かっていますと、今度は「ナノハナ(菜の花)」のお出迎え。「ナノハナ」の優しい黄色の列が風に揺られ、「ツキミソウ(月見草)」のように揺れているではありませんか。それに、帰りの電車の中から見えたのは、「ナシ(梨)」畑の白い花でした。

 これから、どんどん花が開き始めます。花が開き、そして散りますと、次に出てくるのは木々の緑です。日本は鮮やかな季節を迎えようとしています。

 さて、学校です。金曜日にベトナム人学生が三人到着致しました。なかなか成田から戻ってこないので心配していましたら、なんと他の学校の学生たちの手伝いをしていて遅れたというのです。

 学生たちを迎えに来ていた学校もあれば、迎えにかなりのお金を要求していた学校もあったそうで、それが嫌さに学校からの迎えを頼まなかった…友達に頼んだけれども、まだ来ない…というわけで、我が校の学生が二人(迎えに行ったのは教師を含めて五人です。なぜか頼んでいなかった学生が一名ついてきていた…のですが)、必死に携帯を使って、友達を捜してやっていたのだそうです。

 迎えに出た教師のも(学校に戻ったら)仕事がありますから、少しでも早く戻りたい。昨日の夜中にハノイを発った新入生も疲れているので、早く自分の部屋へ行って休みたい。ところが(他の学校の学生たちを)手伝っている学生たちは、「先生、あと一分、あと二分、あと三分」と言って(彼らを)見捨てようとはしないのだそうです。

 それで、教師が知り合いなのかと思い、「友達なの」と聞くと、「いいえ、今、会ったばかりです」と言うのです。彼らは親切なのか、それとも日本で苦労しているから、他人事ながら、我がことのように思われたからなのか、まあ、それは判りませんが。

 戻ってきた教師曰く、「なかなか親切で、いい子達じゃん」。これも戻ってきたからこそ言える言葉でしょうが。

 というわけで、今日が、「入学式」です。

 実は既に来日していた4月生は、「Cクラス」の学生たちと勉強を始めています。ただ「入学式」だけは、彼らを待つことにしていたのです。ただちょっと残念ですね。千鳥ヶ淵での「お花見」は終わってしまいました。今年は「サクラ」の花の期間がいつもにまして短かったような気がします。来年もいいお花見が出来るといいのですが。

日々是好日
コメント
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