日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「本格的な夏」。「勉強は、まず教師の指示に従ってから」。「『富士山』の説明」。

2010-07-20 07:47:02 | 日本語の授業
 私用でアタフタと走り回っているうちに、梅雨は明け、本格的な夏になっていました。そういえば、土曜、日曜、月曜と、本当に暑かった。滝のように汗は流れ出、止まる時はありません。冷房の部屋に退避することもかなわず、たまたま入った「有名そば屋」も、冷房がほとんど効いて居らず、暑い……暑い、暑い。これでは、いつも行く中華のほうがずっとましだった。そこは、大してうまくもなかったし。有名であるだけで、人は入るものなのか…と思いはすれど、どうして有名なのか…わかりません。車だけは多かったけれど…。

 車が駐車場に、いっぱいだったとはいえ、自転車や歩きの客は少なかったようです。どうも、こういうところへは近所の人は行かないようですね。そりゃあ、行かないでしょうよ。外見ばかりで、大したことはないし。しかも、待たせる。畳はすり減っている。これは江戸っ子の心意気とはほど遠い。ということで、もう、ここは、食事のリストから外しことにしました。

 おかしなことですが、人が来ると、自然、食事に行くことになってしまいます。いつもは一人ですから、こういう所へは、一人では入りにくいということで、結局、総菜を買ってうちで食べるということになっていたのですが、ここしばらく、忙しい日が続き、よく手伝いに来てもらっていました。しかしながら、おかげで、近場の「お食事処」開拓ができました。

 この辺りは、漁師さんとか網元さんでしょうか、そういう方が多かった(行徳は塩で有名ですが)し、今でも少なくないのでしょう、江戸前かどうかはわからぬとしても、魚料理屋だけは、当たり外れがないようです。

 その上、外国人が多い町ですから、至る所に中華料理店や、タイ料理店、インド料理店、韓国料理店などが看板を掲げています。ところが、案外少ないのが、喫茶店とパン屋さん。

 そういえば、歩いている時、何度か、あるラーメン店の場所を聞かれましたっけ。私は全く知らなかったのですが、テレビで放送でもされたのでしょう。マスコミの力、畏るべし。ただ、本当に良いのかどうかは、わからない…でしょう、ね。

 この日本語学校のことをいうと、我田引水のようで、恐縮なのですが、例えば、切羽詰まってやって来た人には、いいと思えても、タラタラやる、つまり、身内から「日本語が少しくらい出来ないとまずいよ」とか何とか言われてやってきた、それほど勉強したくない人には、辛いし、楽な学校とはいえないでしょう。その人の希望は、とにかく、楽しく、暇つぶしができ、やったことに出来ればいいのですから。宿題だって、出されていなければ、まじめにやったという言い訳が通ります。出されていれば、やらなければ、「まじめにやっていない」ということになりますから、ここは、嫌だと言うことになってしまうでしょう。おまけに、勉強しないとせっつかれますし。

 ただお食事処は、「テレビで見たから、行ってみよう派」はいざ知らず、近所の人は、安くてよくなければ(味に見合う値段ということです)行きませんからね。多少高くとも、(毎日というわけではありませんから)、特別な日などには使います。つまり、ご近所さんが利用していなければ、それほどの所ではないということです。たとえ、マスコミなどが、書き立てようと。

 こういう日本語学校には、ここで勉強していた人に勧められたからという理由でやってくる人が少なくありません。中には、その人の能力や(日本語の)レベルと、あまり釣り合いのとれない要望を口にする人もいます。

 例えば、中国人が多いクラスの方が上手になるからと、中国人の多いクラスを希望する人もいるのですが、「初級Ⅰ」くらいならいざ知らず、「初級」も「Ⅱ」に入ってかなり経っていますと、まず「非漢字圏」の学生は本人が思っているほどには、楽に追いつけないのです(字を書くスピードからして、違います。しかも、この頃には「三級漢字」の大半は入っていますから、宿題にせよ、ディクテーションにせよ、既習の漢字を使うことを求めます)。

 「漢字を知っている人」達の、苦手な部分と得手な部分と、「漢字を見知っていない」人たちの、その部分とは非常に違いますから、自然、その手当も違ってきます。言語に関する能力も図抜けているし、その上、努力もするという二拍子も三拍子も揃った人であろうと、多分、かなり大変だろうと思います。

 教師は経験から、あなたはこちらのクラスでゆっくりやった方がいいと言うのですが、日本語はそれほど簡単にはできないということが、よく判らぬ人(つまり、自信過剰のなせるワザなのでしょうが)は、無理をしますから、結局は長続きできずに、いろいろと言い訳やらをしながら、諦めてしまうのです。

 自信過剰はインド系に多いな(私たちから見れば、彼らは天才でも何でもないのです、他の非漢字圏の学生達がかかるだけの時間はかかると思われるのですが)と思っていましたら、地域が違う所から来た人の中にもいました。

 ここで、勘違いされても困るのですが、曲がりなりにも、「初級」の二冊が、とにかく「漢字圏」「非漢字圏」で一緒にやっていけるのは、(クラスの学生達が)すでに数ヶ月を共に苦労してきたからなのです。急に入ってきて勝手なことを要求しても(まず、教師は認めませんが)、クラスの「世論」は納得しません。すぐにクラスから浮いてしまいます。

 授業というのは一対一でやるものでもありませんし、クラスの世論と教師の意見とで組み立てられている行われるものなのです。皆がその人を認めないと、会話練習にしても、一斉の口頭練習にしてもうまくいかないのです。

 日本語学校で勉強をしようというのなら、まずは教師の意見を聞くべきでしょうね。後は経済的なことや許される時間とかを考えながら、どうするかを決めていった方が、うまくいくと思います。その点、留学生は、学校の決めたことに文句を付けられませんから、最初は一言あったにせよ、一ヶ月、二ヶ月と続けているうちに、確かに確実に上手になっていくのがわかりますから、それが体得できれば、何も言わなくなります。そして、何も言わないうちに上達していくのです。もちろん、休みが多ければ、この限りではありません。

 さて、今日、午前は「C・Dクラス」合同で、富士山のDVDを見ます。「Cクラス」に比べ、「Dクラス」は、まだまだヒアリング力が足りませんから、どこまでわかるか不安ではあるのですが、見せないわけにもいきません。8月に行く「富士山」は日本屈指の山であり、日本人にとっては、いわば霊山ともいうべき存在であるのですが、この山がまだ「お休みしているだけ」の火山であることも、説明していく必要があるでしょう。

 午後は「Aクラス」と、「Eクラス」です。何せ、この「Eクラス」は、この7月に始まったばかり。未だに「ひらがな」と「カタカナ」がごっちゃになる人が、若干名いるようですから、すでに1年以上を日本語の勉強に費やしている「Aクラス」と一緒というわけにはまいりません。「Eクラス」だけは、富士山紹介を15分足らずの映像で…見ておく…だけということになりそうです。

 これを見て、多少なりとも「フジヤマ」の輪っかから、はみ出してくれればいいのですが。

日々是好日
コメント
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