バランスが悪い!?
英検の結果を見て、保護者様からこのような声を伺うことがあります。
「リスニングは出来ているけど、筆記が出来ていない・・・。」
私は、このようにお答えしています。
「問題はないです。教室に通っているほとんどの皆さんが筆記よりもリスニングの方が良いです。筆記は後から付いてきます。」
(但し、極端にバランスが悪いのは問題です。下記「注意」参照。)
「弱点補強」vs.「良い点を伸ばす」
当教室の皆さんは、英語が得意です。中高生の場合、少なくとも自分の中では他の科目と比べて良い場合は多いです。特にリスニングなどの音声面が得意です。リーディングも英語が英語として頭に入っていく生徒は多いです。ただ、文法はそれに比べれば少し劣るかもしれません。
私は、これを悪いこととは思いません。文法が苦手なのではなく、プラスで考えれば「リスニングなどの音声面やリーディングが得意」なだけです。英語のテストの点数は、とても良い生徒が多い訳ですから。文法も平均よりもかなり上の場合が多いです。
(当教室では、文法を軽視している訳ではありません。一般的な文法説明?よりも、かなり分かりやすく、効率よく指導していると、私は思っています。文法用語は多用せず、視覚的・感覚的に分かるように努めています。そして、文法学習でも沢山の音声練習を行っています。)
実際、当教室の生徒のみを見てみると、英語がよく出来る生徒は、「音声面が良く、文法はそれよりは落ちる(とはいえ平均よりは良い)」という場合が多いです。逆に、文法の方が得意な生徒は、英語テストの点数は、結局、音声面の方が得意な生徒よりも劣っている場合が多いです。(もちろん両方とも極めて高いレベルの生徒もいます。)
よく「苦手克服」と言われます。確かにそれは必要だと思います。しかし、絶対に忘れてはいけないことがあります。それは、「得意なところをさらに伸ばす」ということです。私は、得意なところを伸ばせば、それが自信につながり、少しずつ苦手な部分も補ってくれると思います。
「キミはそこが悪いところだから、そこをなおしていこう」ということも、耳の痛い話ではありますが、必要だと思います。しかし、「キミのここが良いところだから、そこは大切にして、もっと伸ばしていこう」ということは絶対に忘れはいけません。その方がやる気が起こると思います。
「良いところをさらに伸ばす」ということは、忘れがちな、でも、とても大切なことだと思います。
補足:CSEスコア
英検の合否は、CSEスコアによって決まります。CSEスコアは、1次試験の場合、従来の筆記・リスニング・ライティング(3級以上)の3分野または2分野(5&4級)[技能ごと]の問題数は異なっていても、問題数に関係なく、各技能にスコアを均等に配分されています。したがって、技能ごとに1問あたりのスコアへの影響は異なります。但し、同じ技能の問題であれば、どの問題で正解してもスコアへの影響は同じです。
各級の技能別の満点スコアは、以下のようです。
1級:850点(3分野合計2550点)
準1級:750点(3分野合計2250点)
2級:650点(3分野合計1950点)
準2級:600点(3分野合計1800点)
3級:550点(3分野合計1650点)
4級:500点(2分野合計1000点)
5級:425点(2分野合計850点)
注意
同じ正答数であっても回次により、CSEスコアは異なります。
正答率の目安は、2級以下の場合、6割程度です。
確かな情報によると、ライティングテストが0点だったら、従来の筆記とリスニングが出来ていても、合格することが出来ないとのことです。
つまり、上記のように、極端にバランスが悪いと合格基準に達することが出来ないので要注意です。