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今やらねばいつできる。わしがやらねば誰がやる。

2016年01月30日 | たばこの気持ち
▼昨日、懸案であった『JTのM&A』新貝康司著(2015年6月 日経BP社)を読み終えました。昨年から二度本屋さんに立ち寄り、いずれも売り切れ入荷待ちでした。
▼ならば、最寄りの図書館で検索したら、貸出中で予約もすでに13人ありました。そんな中、職場の後輩の机の脇に本書が積んであることを発見し、喜びいさみ「4~5日でいいから貸してくれ」と頭を下げて、お借りすることができました。
▼国際的なビジネスマンにして、グローバル企業のCFOであった新貝康司氏が、実は後継のとおり、すこぶる日本的な慣習や心意気を背景に、JTのトータル3兆数千億円に及ぶ二つM&Aを取り仕切った、という述懐に驚きを覚えました。

【255~256ページ】
〈失われた「飲み会」の良さを取り戻す仕掛けづくり〉
バブル崩壊後の失われた10年は、インフォーマルで濃密なコミュニケーションの機会が失われた10年でもあったからなのです。つまり、それまで行われていた、就業時間後の職場仲間との飲み会に代表される、インフォーマルな交流の機会が、1990年代の人員削減、組織階層の簡素化と、バブル崩壊後の負の遺産への対処で、業務が繁忙期極める中、失われていったのです。
----強い組織とは、元気で、高いスキルを持つ個が、部門横断的に協働し、より高い成果を追い求める組織であると説明しました。どうせ、それまで意図せず存在していた90年代までの濃密なコミュニケーションを失ってしまったのであれば、今度は意図して、部門横断的な協働可能とするコミュニケーションの仕掛けを作ってはどうかと考えるのです。

【304ページ】
《関心なくして敬意なし、敬意なくして信頼なし、信頼なくして協働なし》といった、ごく当たり前の基本動作を地道に実行する大切さ----。
正直、苦しかったことがたびたびありました。そのようなとき、いつも心の中でつぶやいていた言葉がありました。それは、彫刻家の平櫛田中氏のあの有名な言葉でした。
「今やらねばいつできる。わしがやらねば誰がやる」
この言葉が、私に強い気概を与え、背中を押し続けてくれたことは、ギャラハー買収にとって幸いつであったと言えます。
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『日本中枢の崩壊』(その1)

2016年01月30日 | O60→70(オーバー70歳)
先日、『日本中枢の崩壊』古賀茂明著(2011年5月、講談社刊)を読み終えました。その第1回目になりますが、今後11回にわたり、私の抜き書きとコメントを掲載させていただきます。

【31ページ】
私は過去に電気事業関係のポストに就いた経験のある同僚から、「東電は自分たちが日本で1番偉いと思い込んでいる」という話を何回か聞いたことがある。その理由は後にも書くが、主に、東電が経済界ではダントツの力を持つ日本最大の調達企業であること、他の電力会社とともに自民党の有力な政治家をほぼその影響下に置いていること、全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)という組合を動かせば民主党も言うことを聞くという自信を持っていること(電力総連会長から連合会長を務めた笹森清氏は菅政権の内閣特別顧問)、巨額の広告料でテレビ局や新聞等に対する支配を確立していること、学会に対しても直接間接の研究支援なので絶大な影響力を持っていること、などによるものである。
簡単にいえば、誰も東電には逆らえないのである。

[ken]長年、労働組合で仕事をしてきた自分としては、連合への批判や問題点について、本書には的を射た記述が多くありました。悔しくもあり、反省もあり、私が目にしてきた過去の出来事を客観視することができました。
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