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JR東海 371系電車 「あさぎり(ワイドビュー車両)」

2009-03-27 22:00:00 | 電車図鑑・JR新系列特急用車両
平成3年に小田急線の新宿と御殿場を結んでいた連絡急行「あさぎり」の沼津までの
乗り入れ区間延長、及び、特急格上げ、小田急との共同運行のために登場した
車両である。

3・4号車に2階建て車両を含む、7両編成1本が製造された。

個別の形式は以下の通りである。

クモハ371形(先頭電動車。パンタ・主制御装置搭載)
・0番台=7号車(新宿側先頭車)に連結される。6号車のモハ370形0番台と
ユニットを組む。
・100番台=1号車(沼津側先頭車)に連結される。2号車のモハ370形100番台と
ユニットを組む。

モハ370形(中間電動車。サービス電源装置・エアコンプレッサ搭載)
・0番台=6号車。トイレと洗面所付き。
・100番台=2号車。車椅子対応座席、及びバリアフリー対応トイレと洗面所付き。

モハ371形(中間電動車。パンタ・サービス電源・エアコンプレッサ搭載)
・200番台=5号車。

サロハ371形(中間2階建て車)
・0番台=4号車。2階がグリーン車、1階が普通車。座席配置はどちらも1:2である。
売店・カード式公衆電話あり。ただし、公衆電話は現在、使用停止。
ちなみに小田急の車両は1階部分がセミコンパートメントになっている。
100番台=3号車。車内の構成は0番台と同じ。売店有。
なお、3~4号車間の移動は2階部分のみ可能。

編成の組み方は、新宿側から順に、
クモハ371-1+モハ370-1+サロハ371-101+サロハ371-1+モハ371-201+モハ370-101
+クモハ371-101
である。

車体は普通鋼鉄製で、大きな曲面ガラスで構成された大胆な流線型の先頭形状が
特徴で平成3年度のグッドデザイン賞を受賞している。
塗装は東海道新幹線に準じたホワイトに窓周りをブルーとしたものである。

側面窓は座席の肘掛より下から荷棚の下端より少し上まである連続窓となっており、
同社在来線特急車標準のワイドビュー仕様となっている。
2階建て車両については2階から1階までを一体で繋いだ超大型ガラスを採用した
大胆なデザインとなっている。

客用ドアにはプラグドアを採用した。当初、小田急線内では乗降口を制限していたため、
半自動扱いが可能となっている。

車内はグリーン車が1:2配置の回転リクライニングシートとなっている。
テーブルは肘掛に収納され、フットレストはじゅうたん敷きのものとなっている。
かつてはオーディオサービスや衛星放送を見られる液晶テレビも装備されていたが、
現在は撤去されている(オーディオ操作の基盤は残っているが電源が入っていない)。
普通車は平屋の車両が2:2配置、2階建て車両の1階部分が1:2の回転リクライニング
シートである。
背面に折りたたみ式のテーブルと跳ね上げ式のフットレストがあるほか、
窓枠が座席側に僅かに出っ張っており、飲み物程度だったら座席を
向かい合わせにしても置く事ができる。
2階建て車の1階席は窓割りの関係で2階席のグリーン車と同じ座席間隔になっており、
景色を少しガマンすれば、乗り得な席となっており、特に座席自由の
ホームライナーで運用に入る際は人気の座席となっている。
また、2階建て車の連結側には1階席からの非常用脱出口がある関係で、
天井の一部が2階席に干渉しており、この部分はマガジンラックとして
活用されている。

主制御装置は界磁添加励磁制御で、当時、JR東海が導入していた在来線向けの
新車(211系5000番台、311系電車など)と共通となっている。
ブレーキは回生・勾配抑速ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを装備している。
編成中、2階建て車両以外、全車が電動車となっており、御殿場線の勾配区間にも
対応している。
パンタグラフは当初、通常のものを採用していたが、現在はシングルアーム式のものに
交換している。
運転台は右手操作式ワンハンドルマスコンとなっている。
これは小田急側の車両に仕様を合わせた結果だが、JRグループ唯一の右手操作式の
車両である為、乗務には指導操縦者との訓練運転が必要となる。

主な運用は特急「あさぎり」のうち、時刻表に「ワイドビュー車両で運転」と書かれた
ものと、静岡地区の「ホームライナー」(要・乗車整理券)である。
1編成しかないため、検査などで運行できないときは、特急「あさぎり」は
小田急の車両で運行され、「ホームライナー」は一般車両による料金不要の
快速列車として運行される。


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