息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

聖女の肉

2013-06-23 10:58:33 | 著者名 わ行
和田はつ子 著

ミッドサマー・イヴ(夏至)の日に首を切断され、吊るされていた家出少女・智香。
胃の中にあったのは大量のヘロイン。そしてなぜか、
中世ヨーロッパの祭典で飲まれていた「ラムズ・ウール」の原料だった。

翌日、東京湾から上がった車の中の死体の胃には、同様にラムズ・ウールの
原料があり、それは少女の親であることがわかった。

よくある無理心中かと思われたが、人類学者・日下部は納得できない。
数日後、日下部が会いに行った友人・小倉が殺されていた。
そのそばには聖スウィズンを奉るアップル・ボビングが置かれていた。

これはなんの関係があるのか。キーは「中世ヨーロッパ」と「山羊」。
智香は山羊のように殺され、小倉は山羊に注目する農場主兼料理人だった。

食と人類学に関する豊富な知識、キリスト教に関する薀蓄などがたっぷり。
私は理詰めでくる話が大好きなので、このあたりは満足。

しかし、それと殺人の解決がうまく絡んでいるかというと、う~ん。

ダイエットに関する意見や、ダイイングメッセージなど、小道具も豊富なのに
うまく処理しきれていないというか、あっさり処理しすぎちゃってもったいない。
もっと使おうよという感じ。

全体的にあとひとつというところか。

まさにいまの季節ということで。

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