みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

山口伊太郎・山口安次郎の世界

2005年12月03日 | アート・イベント
 「特別展 千年の伝統をつむぐ西陣の織物 山口伊太郎・山口安次郎の世界」を見に佐野美術館へ行って来ました。お二人は兄弟で兄の伊太郎さんは104歳、弟の安次郎さんは101歳で今もなお現役!!!展覧会初日には京都から三島までいらしたそうで・・・(新幹線でひとっとびとはいえ・・・)伊太郎さんは源氏物語絵巻を錦織で表現し、今最後の巻を制作中。弟の安次郎さんは能装束に取り組み、観世宗家や金剛宗家に納め、江戸時代の装束の復元にも取り組んでいらっしゃいます。近くですし、能装束の展示があるなら行かなくては!!と思い、もうすぐ終わってしまうので、行ってきました。が・・・前期・中期・後期で展示替えがあったようで・・・失敗でした!!!あぁ・・・分かっていたらそれぞれの期間中に行ったのに・・・。自分の情報力が足りなかった・・・(^^;。

 まず、展示室に入るとたくさんの能装束が!!!圧倒されました。間近で改めて見る装束は「綺麗」としか言いようがありません。装束の説明や演能の写真パネルとその演目解説パネルなどお能に詳しくない方への説明も丁寧だなぁと思いました。もちろん私も見たことない曲の方が多いので有り難いです。どうやら写真パネルのほとんどは安次郎さんの息子さんが演じているものらしいです。息子さんにお能を習わせて、自分の織った装束を着けさせるそうです。なんとも贅沢!!!(@_@)そして、安次郎さんお織った装束はとても軽くてしっかりしていて舞いやすいそうです。表地は刺繍のようにしっかり織って、裏の糸の処理を丁寧にして無駄が少ないので、その分軽いとか。舞い手のことを気遣った仕事だそうで・・・。すごいです。見た目にはとても重厚に見えるのですが。思わず触ってみたくなりますが(笑)良識ある人間としてやめておきます(^^;。
 改めて、お能の舞台とは演者だけでなく、こういった装束も曲を作り出していく一部だと思いました・・・。その装束や面を使って人間が作り出していく芸能・・・能に限らず、どのジャンルにおいてもそうなのですが・・・改めてお能の奥深さに気づくのです・・・。
 そして次の展示室では伊太郎さんのライフワーク源氏物語絵巻。これは最初は、絵の部分だけ錦織で表現しているのかな?!と思ったら・・・文字の部分も織られていて・・・それはそれはすごかったです。(感激の表現がすごいだけになる・・ボキャブラリーの無さを痛感・・^^;)当初は10年で全部仕上げるつもりだったらしいですが・・・糸の研究とか10年かかり・・・今もなお制作中とのことで、すごいです。陰影の表し方などものすごい細かいのです。圧倒されてしまいました。
 ロビーでは15分程度のお二人の紹介ビデオが放映されていました。今もなお現役、そして70過ぎてからの染色の研究などが作品はもちろん素晴らしいのですが、生涯現役の職人の世界に感激です。ちなみに今も一日7〜8時間は織り機の前で仕事をしているそうです。職人ってかっこいい・・。思わず、もう一巡してしまった(^^;。
 そして返す返すも・・・前期中期の展示期間に行かなかったことを後悔・・・。2月には能面展を、そして今回は能装束とここの美術館はなかなか面白い。(他にも刀剣コレクションとか渋いものが多いのですが)またお能に関する展示があるとうれしいなぁ。