かーちゃんはつらいよ

社会人(就B、生活介護)1年目のそうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)を育てるかーちゃんの雑記。

セルフ化の波

2019年08月21日 18時52分44秒 | みゆみゆとの生活
うちの近くのレンタルビデオ屋さんの話。

まだそうちゃんが小さい頃、借りたいDVDが貸し出し中で大パニックになったことがあった。
その時はあまりの大声にたくさんの人が振り向くほどで。
驚いて戸惑う若い店員さんに、
「この子には障害があるんです。ご迷惑かけてすみませんでした。」と謝り、逃げるようにお店を後にしました。
悲しくて涙した、苦い思い出です。

それからずっと、時々途切れながらも毎週のように通っている。
少しづつ、店員さんに知り合いが増えて行って。
少々のパニックでも、店員さんはびっくりしなくなった。
「ありがとう」と言えるようになったそうちゃんに、目を細めてくれる店員さんも出てきた。

いつかそうちゃんにお財布を持たせて、一人で会計できるようにさせたいな。
彼が作業所などで働いて得たお小遣いで、週に一回好きなDVDを借りられるようになれば、素敵だな。

そう思っていたのだけど。
少し前に、レジがセルフ化してしまった・・・。
商品管理タグを外し、会員証とDVDのバーコードを機械で読み取り、お金を入れる。
難しい。
そして無言。

そうちゃんが「ありがとう」と言う相手がいなくなってしまった。
セルフレジを覚えるのは無理だろうしな。工程が多すぎる。
便利になることで人と人とのつながりが薄くなるのは、仕方ないけどちょっと寂しい。

そんなビデオ屋さんにこの前行って、「21えもん」を借りた。
「アンパンマン」とか「ドラえもん」など、シリーズごとにまとめてある子供向けの棚に、それはあって。
「藤子不二雄」というくくりで、「21えもん」と「パーマン」だけが他から離れて並べて置いてあった。
この二つ、おそらくそうちゃんしか借りてないと思われる。
なんだかあったかい気持ちになりました。
馴染みの店員さんたちが「毎週水曜日にあの子が借りるから」と言ってくれてるような気がしたの。

セルフ化しても、人が全くいなくなるわけじゃない。
気配を感じながら人と人が交流し合える街であってほしいと願う、今日この頃です。

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