紹興滞在中に、ユキの従姉・ウェンちゃんが宿題をやっていたので、
隣でちょっと覗いてみた。
中国の小学三年生の国語の教科書って、どんなんだろう…と思ってパラパラめくって呼んでみると、
タイトルからして愛国教育を匂わせる文章が!
そしてさらに読んでみると、その内容の強引さ(不自然さとも言う)にのけぞってしまったので、せっかくなのでご紹介します。興味のある方はぜひどうぞ(ツッコミ所満載です)。
拙訳ですみません
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『一枚の五星紅旗』 作者:李含氷(教科書採用時編集改訂済み)
外国留学に来て初めての休日、私は川下り旅行に出かけた。
リュックサックをまとめて筏の上にくくりつけ、手には1枚の鮮やかな五星紅旗を掲げて出発した。
筏は流れに乗って川を下り、夕方になると川幅が狭くなってきた。無くさないため、また自分が動きやすくするため、私は国旗をポールから外し、首に巻きつけた。
間もなく、筏は流れの最も激しい場所へさしかかった。周囲は真っ暗で、私は自分で自分を励ますため大声で叫ぼうとした。その声が出せないうちに、目の前は真っ暗になり、激流の中へ落ちてしまった。
気が付けば身体は大きな岩にひっかかっていて、頭にも身体にもあちこち怪我をしていた。筏とリュックサックは見当たらなかった。私は道に迷い、荒れ果てて一軒の家もない山の中をあちこち歩き回った。
3日目の正午、ようやくある村へ辿り着き、あるパン屋へ入った。私はパン屋の主人に自分の状況を説明した。主人は私の話が理解できたようだが、困った顔をして言った。
「私は平等な取引を希望します。私があなたにパンをあげたとして、あなたは私に何をくれるんですか?」
この時私は一文の金もなく、新しく買ったばかりのコートを脱ぐほかなかった。パン屋の主人は手にとって見て、鼻をすぼめて私に返した。
突然、主人の目が輝き、私の首に巻かれている五星紅旗を指差して、驚いたように尋ねた「それは何ですか?」。
私はためらったが、国旗をはずして開いて見せた。
この精緻な五星紅旗は、川の水につかってもなお鮮やかで美しかった。
主人は私の肩をポンと叩き、この旗ならパンと交換しても良いと言った。私は愕然として、しばらく手の中の五星紅旗を見つめた。
主人はパンを一つ差し出したが、私が何も言わないのを見て足りないと思ったのか、今度はパンを2つ持って来て私に差し出した。「いいでしょう?交換しましょう」主人は私に向かって手招きをした。
私は首を横に振って、どうにかコートを着ると、鮮やかで美しい国旗を持ち、ふらつきながら外へ出ようとした。突然、私は地に倒れ伏し、何もわからなくなってしまった。
気が付くと、私は病院のベッドの上に寝かされ、側にはあのパン屋の主人が立っていた。彼は私が目を開けたのに気づくと、親指を立てて「安心して療養してください。費用は私が払いますから」と言った。
この時私はやっと、私の枕元の花を入れた花瓶の中に愛する五星紅旗が入っているのに気づいたのだった。
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(人民教育出版社 『小学語文三年級 下冊』第26課)
隣でちょっと覗いてみた。
中国の小学三年生の国語の教科書って、どんなんだろう…と思ってパラパラめくって呼んでみると、
タイトルからして愛国教育を匂わせる文章が!
そしてさらに読んでみると、その内容の強引さ(不自然さとも言う)にのけぞってしまったので、せっかくなのでご紹介します。興味のある方はぜひどうぞ(ツッコミ所満載です)。
拙訳ですみません
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『一枚の五星紅旗』 作者:李含氷(教科書採用時編集改訂済み)
外国留学に来て初めての休日、私は川下り旅行に出かけた。
リュックサックをまとめて筏の上にくくりつけ、手には1枚の鮮やかな五星紅旗を掲げて出発した。
筏は流れに乗って川を下り、夕方になると川幅が狭くなってきた。無くさないため、また自分が動きやすくするため、私は国旗をポールから外し、首に巻きつけた。
間もなく、筏は流れの最も激しい場所へさしかかった。周囲は真っ暗で、私は自分で自分を励ますため大声で叫ぼうとした。その声が出せないうちに、目の前は真っ暗になり、激流の中へ落ちてしまった。
気が付けば身体は大きな岩にひっかかっていて、頭にも身体にもあちこち怪我をしていた。筏とリュックサックは見当たらなかった。私は道に迷い、荒れ果てて一軒の家もない山の中をあちこち歩き回った。
3日目の正午、ようやくある村へ辿り着き、あるパン屋へ入った。私はパン屋の主人に自分の状況を説明した。主人は私の話が理解できたようだが、困った顔をして言った。
「私は平等な取引を希望します。私があなたにパンをあげたとして、あなたは私に何をくれるんですか?」
この時私は一文の金もなく、新しく買ったばかりのコートを脱ぐほかなかった。パン屋の主人は手にとって見て、鼻をすぼめて私に返した。
突然、主人の目が輝き、私の首に巻かれている五星紅旗を指差して、驚いたように尋ねた「それは何ですか?」。
私はためらったが、国旗をはずして開いて見せた。
この精緻な五星紅旗は、川の水につかってもなお鮮やかで美しかった。
主人は私の肩をポンと叩き、この旗ならパンと交換しても良いと言った。私は愕然として、しばらく手の中の五星紅旗を見つめた。
主人はパンを一つ差し出したが、私が何も言わないのを見て足りないと思ったのか、今度はパンを2つ持って来て私に差し出した。「いいでしょう?交換しましょう」主人は私に向かって手招きをした。
私は首を横に振って、どうにかコートを着ると、鮮やかで美しい国旗を持ち、ふらつきながら外へ出ようとした。突然、私は地に倒れ伏し、何もわからなくなってしまった。
気が付くと、私は病院のベッドの上に寝かされ、側にはあのパン屋の主人が立っていた。彼は私が目を開けたのに気づくと、親指を立てて「安心して療養してください。費用は私が払いますから」と言った。
この時私はやっと、私の枕元の花を入れた花瓶の中に愛する五星紅旗が入っているのに気づいたのだった。
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(人民教育出版社 『小学語文三年級 下冊』第26課)
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