1インチ(2.54cm)角のロボットを自作し、決められたコースをいかに早く駆け抜けるかを競う、第5回日本工業大学マイクロロボコン®(マイクロロボットコンテスト)高校生大会が10日、埼玉県宮代町の日本工業大学学友会館で行なわれ、全国から250台のマイクロロボットがエントリー、レギュレーションチェックを通過した170台が優勝旗を目指してものづくり力を競った。
結果は、一昨年、昨年と予選はトップで通過しながら、決勝戦で涙を飲むという勝負運に恵まれなかった、東京都立総合工科高等学校・中山 惣一郎君が実力通りの力を発揮して、3年目にして初めて優勝旗を手にした。
5回を数えるマイクロロボコン大会だが、年々レベルはアップしており、今年からは決勝トーナメントではコースに交差点が現れるという、マイクロロボットにとっては過酷な条件での大会となった。
また、わずか1インチ角の小さなロボットだが、様々な工夫と知恵を詰め込むことが可能で、そうしたノウハウをいかに蓄積し、次の開発につなげていくか、高校間の熾烈な競争も始まっているようだ。
コンスタントな力を発揮し3回大会までは上位を独占してきた長野県勢は、レギュレーションチェックを確実に通過させ、安定したマシン作りを行なう学校に与えられる、特別賞「学長賞」に飯田工業高校が選ばれた。
予選を勝ち抜いた上位8名は
東京都立総合工科高校が5名
東北勢としては初めての決勝トーナメント進出を果たした秋田県立大曲工業高校から3名が、
また、特別賞「デザイン賞」に岩手県立千厩高校の千葉君が選ばれるなど、東北勢の台頭が注目された。
ロボット作りに興味を示す女子生徒も多く、今年も、数名が参加し、マシンを走らせていた。
大会は、昨年優勝した東京都立総合工科高校から優勝旗が返還され、
昨年2位だった中山 惣一郎君が選手宣誓を行なって、競技開始。
一次予選で「大学の学生などが作成したマシンでは7秒台がほとんどだった」というコースで、いきなり6秒82という記録が出て、
かなりハイレベルな大会となることを予感させた。
午後からの決勝トーナメントは、タイムではなく、勝ち抜き戦。
大曲工業勢が順々決勝で姿を消し、準決勝、決勝は東京都立総合工科高校同士の戦いとなり、注目は、1年生、2年生と準優勝だった中山君の初制覇がなるかどうか。
緊迫の決勝戦を制した中山君、喚起の万歳のその顔には、3年間の思いが・・・。
メカとソフトを駆使して自力でゴールするわずか1インチ角のマイクロロボットだが、そのロボットには高校生の知恵と工夫、もの作り力と共に、様々な思いも詰め込まれているようだ。
なお、入賞者、各賞は次の通り。
●順位賞
優勝 中山 惣一郎(総合工科高等学校)
準優勝 兼子 貴裕(総合工科高等学校)
3位 高橋 元(総合工科高等学校)
入賞 佐藤 聖也(大曲工業高等学校)、多田 貴裕((総合工科高等学校)、橘 俊樹(大曲工業高等学校)、前田 浩優((総合工科高等学校)、高橋 博文(大曲工業高等学校)
●特別賞
技術賞 兼子 貴裕(総合工科高等学校)
ものづくり環境賞 田嶋 成基(飯田工業高等学校)
デザイン賞 千葉 匠(千厩高等学校)
学長賞 飯田工業高等学校