90歳を過ぎてから詩を始め、自費出版した処女詩集が100万部を突破するという、人々に希望と救いを与える詩人・柴田トヨさん(宇都宮市)の代表作「くじけないで」をみやしろ篆刻同好会会員が篆刻作品とし、24日から宮代町立図書館で展示を開始した。29日まで。入場無料。
みやしろ篆刻同好会は、宮代町を中心に篆刻を楽しむグループで、この時期、作品を持ち寄り、作品展を開催しており、今年で10回目。
各自の作品と共に、会員共同による大作の展示も行なっており、今年は、柴田トヨさんの詩「くじけないで」を会員全員で篆刻作品としたもの。
会員それぞれが各パートを受け持ち、それぞれのスタイルで彫られた作品となっている。
「くじけないで」
柴田トヨ
ねぇ 不幸だなんて
溜息をつかないで
陽射しやそよ風は
えこひいきしない
夢は
平等にみられるのよ
私 辛いことが
あったけれど
生きていてよかった
あなたもくじけずに
優しさにあふれる、前向きの詩と味わい深い篆刻があいまって、素敵な作品展となっている。
なお、柴田トヨさんは、1911(明治44)年、栃木市に生まれ。腰を痛め、趣味の日本舞踊をあきらめた時に息子さんにすすめられ、92歳で詩作を開始。産経新聞『朝の詩』などで発表すると共に、2009年10月に書きためた作品を自費出版。100万部を突破する反響となっている。