Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

HONDA 船外機の整備

2010-06-07 13:13:42 | ブログ

Dscf1011

先週の土曜日は、BF9.9Aの修理です。

修理と言っても、お客様の故障機を治すのではなく、見放されたエンジンをレストアする

ようなものです。(動いているが、古くなって代替され、見放されたエンジンです。)

バルブ、ピストンリング、メタルなどを点検/交換し、復活させます。

たまにはこういった作業をしておかないと、勘が狂うと言うか、腕がなまると言うか・・・

来客予定が数件あるので、お客さんが来るまでシコシコと・・・

久しぶりなので、やはりピストンの挿入で、リングと格闘しております。

新品のピストンリングは、中古と違って弾力が強いので、なかなか言うことを利きません。

特殊工具も使うのですが、経験や勘が鈍っていると、てこずります。

こういった修理は正直、低馬力では少ないです・・・なぜか?・・・エンジンの新品の金額と

修理時の部品代、工賃のバランスからでしょうか?

高馬力の修理もHONDAは少ないです。他社のは、たまに修理が来ます。

なぜか・・・HONDA自慢になりますが、こういったところは強いんですね。

先日も、本田技研工業㈱の技術系の部署の方から電話がありました。

「Hさん、お願いがあるねんけど、壊れて捨てられたような9.9馬力転がってへん?」

私 「何(なん)に使います?」

本田技術 「研究所で、資料にとして使いたいねん」(この方は関西出身)

私 「ありません」

本田技術 「なんで、なんで?Hちゃんとこやったら、転がってるやろ?

       ほんなら、出たら教えてや」

私 「出ません、ほとんど出ません!」

本田技術 「へ・・・なんで????????」

私 「修理不可能なエンジンが出ることがありませんし、割れたり、掛けたり、

   磨り減ったりしても、ほとんど修理可能か、最悪でも部品取りで骨の髄まで

   有効利用されますよ」

本田技術 「ほんまに・・・なんで・・・」

私 「パワーユニットの耐久性があるので、オイルを入れ忘れたりした場合を

  除いて、クランク(シャフト)やピストンやコンロッド(コネクティングロッド)が

  壊れたりしません!また磨耗しても簡単に修理可能です!」

本田技術 「困ったなあぁ」

私 「本当に困ります。修理で儲かりまへん」

てな会話がありました。

実際、海で使用する漁師さんなどのエンジンは、地域によってはたくさん寿命を全うして

スクラップ置き場に転がっているのかもしれません。

「形あるものいずれ壊れる」の法則には逆らえませんが、

でも実際に「これは参った、修理不可能だ」というエンジンが

非常に少ないのも事実です。

その後、連絡をもらっていたTさんとMさんが同時に来店、TさんはBF75Dのオーナーで

部品購入のついでに、インペラー交換、エンジン、ギアオイルの交換の方法を

聞きにこられ、Mさんはインターセプター14&BF40Aのエンジン、ギアオイルの交換の

持ち込み作業です。

ちょうどMさんのエンジンの作業を横で見れて、Tさんは「これで自分でもできる、得をした」

と喜んでおられました。

このお二人のように、定期的に点検整備をされると、エンジンの寿命は飛躍的に

伸びます。

ところで・・・修理中のBF9.9Aは・・・パワーユニットを組み上げたところでSTOPです。

続きをするのは・・・いつになることでしょうか???