先週の土曜日は、BF9.9Aの修理です。
修理と言っても、お客様の故障機を治すのではなく、見放されたエンジンをレストアする
ようなものです。(動いているが、古くなって代替され、見放されたエンジンです。)
バルブ、ピストンリング、メタルなどを点検/交換し、復活させます。
たまにはこういった作業をしておかないと、勘が狂うと言うか、腕がなまると言うか・・・
来客予定が数件あるので、お客さんが来るまでシコシコと・・・
久しぶりなので、やはりピストンの挿入で、リングと格闘しております。
新品のピストンリングは、中古と違って弾力が強いので、なかなか言うことを利きません。
特殊工具も使うのですが、経験や勘が鈍っていると、てこずります。
こういった修理は正直、低馬力では少ないです・・・なぜか?・・・エンジンの新品の金額と
修理時の部品代、工賃のバランスからでしょうか?
高馬力の修理もHONDAは少ないです。他社のは、たまに修理が来ます。
なぜか・・・HONDA自慢になりますが、こういったところは強いんですね。
先日も、本田技研工業㈱の技術系の部署の方から電話がありました。
「Hさん、お願いがあるねんけど、壊れて捨てられたような9.9馬力転がってへん?」
私 「何(なん)に使います?」
本田技術 「研究所で、資料にとして使いたいねん」(この方は関西出身)
私 「ありません」
本田技術 「なんで、なんで?Hちゃんとこやったら、転がってるやろ?
ほんなら、出たら教えてや」
私 「出ません、ほとんど出ません!」
本田技術 「へ・・・なんで????????」
私 「修理不可能なエンジンが出ることがありませんし、割れたり、掛けたり、
磨り減ったりしても、ほとんど修理可能か、最悪でも部品取りで骨の髄まで
有効利用されますよ」
本田技術 「ほんまに・・・なんで・・・」
私 「パワーユニットの耐久性があるので、オイルを入れ忘れたりした場合を
除いて、クランク(シャフト)やピストンやコンロッド(コネクティングロッド)が
壊れたりしません!また磨耗しても簡単に修理可能です!」
本田技術 「困ったなあぁ」
私 「本当に困ります。修理で儲かりまへん」
てな会話がありました。
実際、海で使用する漁師さんなどのエンジンは、地域によってはたくさん寿命を全うして
スクラップ置き場に転がっているのかもしれません。
「形あるものいずれ壊れる」の法則には逆らえませんが、
でも実際に「これは参った、修理不可能だ」というエンジンが
非常に少ないのも事実です。
その後、連絡をもらっていたTさんとMさんが同時に来店、TさんはBF75Dのオーナーで
部品購入のついでに、インペラー交換、エンジン、ギアオイルの交換の方法を
聞きにこられ、Mさんはインターセプター14&BF40Aのエンジン、ギアオイルの交換の
持ち込み作業です。
ちょうどMさんのエンジンの作業を横で見れて、Tさんは「これで自分でもできる、得をした」
と喜んでおられました。
このお二人のように、定期的に点検整備をされると、エンジンの寿命は飛躍的に
伸びます。
ところで・・・修理中のBF9.9Aは・・・パワーユニットを組み上げたところでSTOPです。
続きをするのは・・・いつになることでしょうか???