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「いまなぜ、国際平和協力センターの建設か」

2009-03-20 21:25:26 | 自衛隊
 防衛省が中目黒に建設を予定している、「国際平和協力センター」の建設について、拙ブログでも取り上げてきましたが(「自衛隊」カテゴリーでご覧いただけます)、住民の皆さんの関心が高まっています。昨日、「新日本婦人の会・目黒支部」のお招きで、学習会「いまなぜ、国際平和協力センターの建設か」の講師をおこないました。

 私は冒頭で、1986年の参議院予算委員会での上田耕一郎議員の質問を紹介しました(昨日予告)。上田氏は、中目黒の防衛庁技術研究本部第一研究所(当時)に、猛毒のプルトニウムなどの核物質が持ち込まれていることについて追及しています。本来なら、消防庁に届け出なければならない核物質の持ち込みを、防衛技研はなんと20年にわたって怠り、この質問の5日前になってあわてて届け出たというのです。なんのためにプルトニウムを持ち込んだのか? 上田氏は、核爆発のときにしか出ない中性子を研究するためであること、それが、自衛隊がアメリカとともに「核戦争」をたたかうための研究だということを、質疑を通じて明らかにしています。私は、この質問を通読して、人口密集地でかねてから危険な研究がおこなわれていたことに驚くと同時に、軍事組織の「隠ぺい体質」を痛感せざるを得ませんでした。

 この間、防衛省によるレクチャーを、私は日本共産党の笠井亮衆議院事務所を通じて、住民有志の皆さんは社民党と民主党の国会議員を通じて受けてきましたが、「何が」語られ、「何が」語られなかったのか。(日本平和委員会の佐藤光雄さんの、「平和運動」誌3月号の論文を参考にしています。興味のある方はどうぞ

 新設される「研究センター」では「BC(生物・化学)兵器に対応できる防護服の研究をおこなう。人体に安全な擬剤を使う」ということが語られました。しかし、「納豆菌や乳酸菌を使った実験では、炭疽菌に効果があるかは証明できず、研究が完成したとはいえない(サリンなども同様)」という専門家の意見もあり鵜呑みにはできません。そして、「防衛白書」150頁には、「中央即応集団に全国で運用できる中央特集武器防護隊を新編し、NBC(核・生物・化学)兵器防護能力を強化する…」と書かれているのです。「N」の持ち込みがされていることは、上田質問でも明らかです。意識的に「N」についての説明を省略したのではないか?という疑問は拭えません。

 「語られなかったこと」のもうひとつは、「中央即応集団」について。「朝雲ニュース」08年3月13日付には、陸上自衛隊駒門駐屯地での「国際活動教育隊」の訓練の様子が生々しくレポートされています。「国際活動教育隊は、テロや大災害に即応する中央即応集団(司令部・朝霞)の隷下にあるが、同じく隷下の空挺団やヘリ団など と異なり、陸自で唯一、『国際協力』を主目的とし、新たに自衛隊の任務に加えられた国際平和協力業務に従事する要員の育成を通じて、世界平和に貢献する 『21世紀型自衛隊』の中核となる教育部隊である」とし、軽部真和隊長の「将来的には駒門と目黒の両部隊・施設が『日本版PKOセンター』の役割を担うこととなる」という談話を載せています。

 07年3月に新設された中央即応集団は、日本版「海兵隊」ともいうべき「なぐりこみ」部隊。習志野の「特殊作戦群」は、米陸軍特殊作戦部隊デルタフォースをモデルとして編成されたそうです。他にも、宇都宮の「中央即応連隊」や、駒門の「国際活動教育隊」、朝霞の「対特集武器衛生隊」(NBC対応部隊!)などを配下におき、海外派兵を迅速に展開することを任務としています。現在は朝霞に司令部をおいていますが、2012年にはキャンプ座間に移設。そのキャンプ座間には、米陸軍第一軍団司令部も配備される予定なのです。日本の防衛とは無縁の「戦争司令部」をはじめて日本本土(それも首都近郊)に置き、「中央即応集団」も司令の配下におかれることになるのでしょう。自衛隊と米軍が一体となって、「地球的規模」の戦争に乗り出す準備そのものです。

 こうした、日米一体の「海外派兵」の「拠点施設」として、「国際平和協力センター」の建設が計画されていることになります。とんでもない話です!

 危険な「日米軍事同盟」の変質のいっぽうで、「戦争のない21世紀へ」――世界も日本も大きな「転換点」を迎えています。

 アメリカは、イラク戦争の失敗、「カジノ資本主義」の破たんと、軍事的にも経済的にも一国覇権主義の破たんが明瞭になっています。そうした中で「国連憲章守れ」の流れが広がっています。「東南アジア友好協力条約」(TAC、主権尊重・内政不干渉・紛争の平和的解決・力による威圧、力に使用の放棄などをかかげている)に25カ国、地球人口の56%が参加し、アメリカ政府も最近加入を正式に表明したそうです。「中南米・カリブ海諸国機構」にもアメリカ・カナダ以外の33カ国が参加し設立を準備、エルサルバドルでは中南米で16カ国目の左翼政権が誕生しました。日本でも、昨年、読売の調査ではじめて「憲法改正反対」が多数派になりました。

 総選挙では、こうした内外情勢の変化のなかで「日本の進路」が大きく問われてきます。

 麻生政権は、先日のクリントン氏の来日に際して、「米軍再編」に日本が資金を拠出する協定に調印しました。グアムに米海兵隊基地を建設するのに、来年度346億円もの予算をつけています。外国軍の基地を外国の領土に建設するのにお金を出すなどというのは、世界に例のない暴挙です。

 民主党は、アフガン本土への自衛隊の派兵(ISAFへの参加)を主張し、ソマリア沖への派兵の主導する、国連決議さえあれば海外での武力行使は憲法上可能といい、自衛隊を強化して米軍の肩代わりをするなどとも主張しています。「日米同盟の強化」を来日したクリントン氏とも約束しています。これで、「対等な日米関係」などというのは欺まんではないでしょうか。

 昨日の国会で、日本共産党の井上哲士参議院議員は、米軍再編の問題で「グアムの米軍豪華住宅まで、日本の税金でつくるのか!」と追及しています。「日米軍事同盟」絶対の立場に立つのか、それとも日米軍事同盟=安保条約の解消を展望し、力をつくすのか。日本の政党の真価が問われています。

 以上のような話をして、「目黒の新施設建設を機に、自衛隊の動向にもっと目を光らせて、『憲法守れ』、『戦争は許さない』という世論を多数にしていきましょう」と結びました。

 30分の予定を大幅に超える45分…。皆さんの帰りを遅くさせてしまって、申し訳ありませんでした(--;)。


 今日は、上目黒支部、森美彦区議と行動して、「しんぶん赤旗」読者が二人増えました(^^)。写真はその「道中」で。

【3月24日追記】
 記事のタイトルと本文中の「国際平和センター」を「国際平和協力センター」に訂正しました。また、佐藤さんより、米陸軍第一軍団司令部はすでに朝霞(仮庁舎)に来ているとの指摘がありました(参考記事)。したがって、本文中の「はじめて」という記述は不正確であり、すでに中央即応集団との連携が、日本国内でとられているということになります。

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