今日は、東京5区・6区共催で、「
外郭環状道路」(リンク先は地図)の建設予定地の現地調査&学習会。2台のマイクロバスに分乗、たぞえ民夫都議会議員の案内で、世田谷区内の要所を見学しました。
外環道計画は、練馬~世田谷間16kmを巨大な地下トンネルで結び、関連道路の整備も含めると1兆8千億円もの税金を使う、日本の土木建築史上も前例がない「巨大ムダづかい計画」です。今年4月、自民党・民主党の国会議員も参加する「国土開発幹線自動車会議」で、外環を含む4路線の整備計画をまともな審議もなく決定。麻生内閣が「景気対策」を口実に、今年度補正予算に盛り込みました。
写真は、東名高速との接合部、ジャンクション建設が予定されている喜多見の現場です。外環道からの分岐は野川に沿って地下部から地上部に駆け上がり、高架の東名につながります。いちばん高いところは防音壁も含めると60メートルもの高さとなります。ループ内には、高さ・幅とも30メートルの巨大な換気塔が立ち上がるとのこと。
周辺には23区内唯一のホタルの自生地があり、93種類の野鳥がいるとのこと。いっしょに参加した男性のいうことには、「さっきカワセミが飛んでいったよ。きれいな鳥だね」。残念、私は見逃しました…(x_x)。武蔵野台地には豊富な地下水脈もあり、成城学園駅を建て替えた際には、120本のパイプで地下水を通した程だといいます。こうした自然環境の破壊、巨大トンネルによる地下水脈の分断、排気塔からの排ガスが高台を直撃することなど、環境への重大な悪影響が指摘されています。
その後、中央高速との接合部、東八道路インターチェンジの予定地など見学。こうした地上との接続部では、約1000戸の住宅が立ち退きの対象となるそうです。
途中、烏山の寺町などにも立ち寄りました。写真は歌麿のお墓。界隈にある「鴨池」は、目黒川の水源だそうです。武蔵野台地の地下水は、等々力渓谷や、目黒区内の碑文谷池、清水池、目黒不動の湧水や、品川区の洗足池など、周辺の豊富な水の供給源となっています。こうした地下水脈への影響はどうなのか、慎重な検討が必要だと思います。
視察後、成城ホールの会議室で学習会。たぞえ都議と、「外環道検討委員会」の代表・金子さんのお話を聞き、参加者と意見交換。ちなみに「外環道検討委員会」は、国が「検討委員」を公募し何回か「検討会」を開いてきたのに、国が「勝手に」解散したので、金子さんをはじめ、当時の公募委員を中心に7区市の住民有志が立ちあげ、活動しているとのこと。
金子さんが指摘した、軟弱地盤を固めるための薬剤による地下水のアルカリ化の問題、排気塔から排出されるNO、NO2に加え、微細粒子
PM2.5の被害が「実はこわい」という問題、質疑応答での「外環ができると便利だと私も思う。しかし、環境問題はシリアス。湧水やCO2などの問題、50年後100年後のツケを考えると『建設反対』といわざるを得ない」など、大変、勉強になりました。
その後、笠井亮前衆議院議員の
予算委員会質問を視聴。この計画の検討委員会に、国交省天下りOBとゼネコンの現職幹部が参加し、計画決定の経過は「ゼネコンによる自作自演」であることを追及。首相も「その点だけを見るとわからんではない」と認めてしまっています。
最後に、佐藤なおき6区予定候補とともに決意表明。
私が申し上げたのは2点。ひとつは、外環道建設をストップさせ建設費1兆8千億円を「国民生活」に使わせます、ということ。高速道路問題は、笠井質問で明らかなように「政官財の癒着」という、この国のゆがみを象徴しています。「企業・団体からの政治献金は全面禁止」「官僚の天下りを法律で禁止」して、癒着の構図を断ち切ることが必要です。2つ目は、わが党の「建設的野党」の立場がいよいよ重要だということ。政権党となる可能性の高い民主党は、外環道の計画決定に賛成、都議会での補正予算にも賛成してきました。また、「高速道道路料金の無料化や値下げ」に何千億円、何兆円もの税金をつぎ込むことは、税金の使い方として適切ではありません。ムダな高速道路建設をそのままにして、旧道路公団の借金返済や高速道路の補修・維持費まで、高速道路を利用しない人も含めた全国民の負担とすることに、わが党は反対です。「無料化=全国民の負担」では、無責任なバラマキといわれても仕方がないのではないでしょうか。福祉や教育の拡充こそ、優先すべきです。
「外環道」問題は、総選挙の身近な争点のひとつとして、訴えていきたいと思います。明日は、国交省外環事務所と交渉します。