宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

顔の赤みが続く原因はひとつではない・・・

2019年09月08日 08時56分55秒 | 診断と治療
昨日から暑さがぶり返して、残暑に体力を奪われそうですね
でも、夜になると秋の虫の音が響き、確実に夏が遠ざかっているのを感じます

さて・・・。

開業医を長くやっていて、気づいたことがあります。
それは・・・。
以前に比べて、一年中の肌トラブルが増加したということです。

開業当初は、夏は夏らしい皮膚病が多くみられ、春や秋などの気候の穏やか時期は皮膚疾患が軽快し、冬は乾燥肌などだけで重症は少なかったのです。
でも、近年は全く違います

夏は夏の皮膚病に加え、クーラーによる乾燥肌やダニなどのアレルギーが増加しています。
本来皮膚が落ち着きそうな春や秋は、木や雑草の花粉症が年々増加し、しかも重症化しています。
冬は都会の半端ない空気の乾燥に加え、エアコンやファンヒーターといった部屋全体を暖める暖房器具の普及で、年齢や体質に関係なくひどい乾燥肌が増加し続けているのです

もはや、肌が落ち着く季節が全くないのです

さらに問題なのが、さまざまな化粧品やシャンプーなどの洗浄剤が続々と販売され、もはや全部を把握しきれないほど種類が増え、それらによるトラブルも増加の一途なのです

こうした背景の中、特に顔の皮膚のトラブルが多くなっています。
問題なのは、顔は治療薬による副作用も出やすく、さまざまな化粧品の使用が重なって、複雑で治りにくい状況になっているのです

トラブルが長く続くと、赤ら顔になりやすくなります。
これが気になってさらに塗り薬を使ったり、新しい化粧品を購入してさらにかぶれたり、エステでマッサージなどして刺激したり。
いよいよ手に負えなくなってしまうのです。
こういった複雑で難しい状況に陥って受診される方が、年々増加していますね

以前だったら、過ごしやすくて気持ちの良い秋ですが。
いまや、秋の雑草花粉のアレルギーの患者さんでいっぱいになります。

ひとりひとりに合ったきめ細かい経過観察が必要です。
じっくり落ち着いて取り組んでいきたいと思います
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