宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

びっくりするくらい乾燥している!!(その2)

2016年02月03日 07時00分17秒 | アレルギー
このところ、かなり頻繁に勉強会に出席しています

そのため、帰宅時間も遅くなり、日曜日も出かけていたりして、ちょっと過労気味

でも。
参加した勉強会で、興味深いデータを入手しました。
それは。

東京の湿度の低下が、著しいという事実です

東京都と高知県で比べたデータが報告されたのですが、冬の湿度の低下が東京都はとくに著しいという事実。
50年前と比べ、半分近くにも下がっているのです

50年前くらいは東京もまだ、川や池や畑やどぶや井戸などもあり、環境に水分をためるものが存在しました。
でも今はどうでしょう。
地面はアスファルトでおおわれ、木は少なくなり、建物は鉄筋化して木造の家屋も減少しています。
つまり。
水を含んでためるところがほとんどないのです。

雨が降っても雪が降っても、翌日は湿度があっという間に下がります。
また。
鉄筋の建物の中には、雨の影響はほとんど出ず、湿度は低いままです。

こういった過酷なほどの低湿度な環境の上に、床暖房やホットカーペット、エアコンやファンヒーターといった部屋全体を乾かす暖房の普及により、住居の中の湿度の低さは驚くべきものがあります

低湿度の環境で過ごすと、あらゆるアレルギー体質ができやすくなり、また悪化します。
アトピー性皮膚炎や花粉症、食物アレルギーや喘息などのアレルギー疾患は、こういった環境で過ごすとかかりやすい疾患なのです

その勉強会で出されたデータによれば。
高知県に比べ、東京は優位にアトピー性皮膚炎の患者さんが多いとのこと。
また。
アトピー性皮膚炎の患者さんが、東京から高知県に引っ越したところ治ってしまったという例も発表されました。

こういったことは、以前からマウスの実験でもすでに実証されており、環境の湿度の低下はゆゆしき問題といえますね

今日の関東地方は異常乾燥注意報がでており、東京の湿度は25パーセントだそうで。
サハラ砂漠が34パーセント平均と言いますから、大変な湿度の低さです

私が特に問題と思っているのが。
暖房の使用状況です。
昔のこたつやストーブにやかんという生活と比べると、今の子供のいる環境は全く異なります。
多くはエアコンやファンヒーターといった部屋全体を暖めるものや、ホットカーペットや床暖房に座ったりころがったりする生活が普及しています。
その環境の中で、全身が乾きまくっている赤ちゃんやお子様が急増しています。
暖かい部屋で、裸足で薄着のお子様は要注意です。
それは皮膚だけでなく、鼻や目の粘膜も乾かされ、花粉症や喘息の発症も懸念されます

このブログを書いているこの部屋は、今11度。
腹巻き3枚を含む7枚の重ね着と、ネックウォーマー、レッグウォーマーもつけているのでぽかぽか
寒さを感じたら、電気ストーブを使うだけです。
こういう生活を始めてから、手荒れもせずかかとも割れず、化粧乗りも悪くありませんね。
6年間、風邪もひいていません

皆さまのおうちの環境の違いにより、いちがいには同じアドバイスが有効かは決めつけられませんが、ぜひとも参考にしてください




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