Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

ライターの彼女への手紙

2017-06-23 01:31:51 | Weblog
志○さんへ

俺たちが最初に会話を交わしたのは、4月にしては肌寒い、雨の日のことでした。前日の夜、社長から「新しいライターが入るから仕事を教えてあげてほしい」と頼まれ「俺もようやくリーダーらしいことができる!」と妙な高揚感を覚えたことを記憶しています。
6月23日。俺たちがお付き合いを始めて2ヶ月が経ちますが、梅雨寒の街並みを歩くたび「初心忘るべからず」の想いを強くします。
志保さんが隣に居ることに慣れすぎて、デート中もポケモンGOに夢中なバカ彼氏だけれど、今でもあなたのことを深く愛しています。

面接の段階では、志○さんは編集の仕事を志望していましたよね。でも会社として音楽記事を書ける人を探していたのでライターチームに回された。この時点で2人が番う未来は約束されていたのかもしれません。
もっと言えば、俺は3月いっぱいで会社を辞めるつもりでいたけど、社長の慰留によって1ヶ月先延ばしになった。運命のいたずらとしか思えないよね。
それどころか俺が31年間、不遇の人生を歩んできたことさえも、志○さんと出会う喜びを倍増させるための伏線だったのではないかと思えてきます。

先月、志○さんは俺にメッセージをくれましたね。
「自分に自信がないところ」「私の気持ちを大切にしてくれるところ」「ライターとして尊敬できるところ」
志保さんが挙げた俺の好きなところは、同時に俺が志○さんを好きなところでもあります。
もっとも「ライターとして尊敬できるところ」に関しては愛憎入り混じったフクザツな感情を催すけれど。
俺も自分の文章には自信を持っているつもりだけど、志○さんの書いた記事を読むと猛烈に焦ります(笑)。
文章に関してだけは自分が一番じゃないと気が済まない性分なので、さっさと会社を辞めて正解だったかな(笑)。

何せ女心の分からない男なので、今まで志○さんを散々傷付けてきました。
ケンカの最中は俺も頭に血が上っているので、荒っぽい口調で無神経な言葉を口にしたこともあります。
実際、その瞬間だけは色んな考えがよぎらないと言ったら嘘になる。
でも俺はやっぱり志○さんじゃないとダメなんだよね。お互い通信高校を卒業しているとか、考えが似ているとか、理屈を付けることもできるけれど、それ以前に俺たちは2人で1つなんだと思う。
武蔵小杉のタリーズで俺が別れを仄めかすようなことを言ったとき、志○さんが涙を堪えながら俺の手をぎゅっと握ったのがとても印象に残っています。
本当は志○さんを手放したくないはずなのに裏腹なことを言ってしまう自分の愚かさを痛感しました。

先日、志○さんが病んでいた頃に書いた日記を読ませてくれましたね。
あの文章を読んで、あなたにより一層強い愛着を感じた気がします。
志○さんほど極端ではないにせよ、俺にもやさぐれていた時期はあったし、自暴自棄な行動を取ってしまったこともあります。
だからこそ志○さんのことを大切にしてあげたい、俺が志○さんを幸せにしてあげたい。
そんな想いを強くしました。
武蔵小杉で告白した時に「俺は決して男らしくないけど、自分も弱い人間だからこそ志○さんの気持ちが分かってあげられると思う」というお話をしましたが、その気持ちは今も全く変わっていません。

まだ短い期間ではありますが、俺たちは濃密な時間を過ごしてきたように思います。
お付き合いを開始する前に会社の喫煙所でどこかぎこちない会話を交わしたこと、チャットワークでやり取りしたこと、日吉の居酒屋で0時過ぎまで楽しく話したこと、武蔵小杉でお付き合いをお願いしたこと。
体の関係を急いでケンカになってしまったこと、交際開始1ヶ月を迎えた夜のこと、センター北の観覧車に乗ったこと、日本ダービーを生観戦したこと、いつも楽しく電話で話していること……。
その全てが俺にとって大切な思い出だし、今後もどんどん思い出を積み重ねていけたらと思っています。

最後に、近頃は照れ臭くて言えていなかった言葉を、この場を借りて言わせてください。

志○さんのこと、本当に大好きです。


株式会社○○○○
コンテンツ部ライティングチーム元リーダー
宮○○○


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