薬屋のおやじのボヤキ

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24節気の健康と食養:小雪から大雪まで

2023年11月21日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:小雪から大雪まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 小雪 初候 虹蔵不見(にじ かくれて みえず)虹を見かけなくなる
    次候 朔風払葉(きたかぜ このはを はらう)北風が木の葉を払い除ける
    末候 橘始黄(たちばな はじめて きばむ)橘の実が黄色くなり始める

 立冬の次にやってくる24節気が小雪で、毎年11月22日頃(2023年は11月22日)になります。「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」とのことで、小雪と言われるのですが、これは中国大陸中心部でのことでしょう。
 ちなみに中国のとある旅行社の説明では、西安(昔の長安)の気候について「温和な気候と自然環境に恵まれた土地であり、原始先住民族が生活するのに理想的な土地でもあった。」と書かれ、
そして、西安の気温が月別に表示されており、平均最低気温を東京と比べると次のとおりとなっています。西安の緯度は紀伊半島の真ん中辺りになりますが、冬はとても寒そうです。
 11月:2.6℃(東京:8.8℃)、12月:-3.1℃(東京:3.8℃)
 このことからすれば、11月下旬には雪が舞うということになるでしょう。

 小雪ともなると、日は日増しに短くなりますし、日射しが弱まり、外気温もぐんと下がってきます。濃尾平野では“伊吹おろし”、関東平野では“からっ風”が吹き荒れるようになり、しぐれる日がでてきますから、とうとう冬が来たな、と実感できるようになります。ちなみに岐阜地方気象台での初霜の観測日は平年で11月20日、小雪の頃になります。
 植物はあらかた葉を落とし、すっかり休眠状態になりますし、動物も冬眠したり、
あまり体を動かさなくなってきます。ヒトも動物ですから冬ごもりの態勢に入り、生体反応は不活発になります。あわせて防寒対策をしっかり取るようになります。

 現代社会においては、常日頃から体をあまり動かさず、寒くなるとよけい体を動かさなくなりますから、体熱生産が落ちて、より寒さを感じるようになります。
 これでは体に良くないです。努めて体を動かしたいものです。
 お勧めなのは、どこでもいつでも簡単にできる膝(ひざ)屈伸運動です。これは、20年以上前からのことですが、女優の女優の森光子さん(故人)が、体力の衰えを感じた72歳のときから、膝屈伸運動を1日150回やられるようになって、ますます若々しく元気になられ有名になったものです。1回に30回やると、けっこう足にきます。小生にはこの回数が限界。でも、これで体が温まります。皆さんにもお勧めします。

 寒さの訪れとともに、食においても体を温めるものが求められます。
 これから冬野菜が旬となり、冬野菜は基本的に体を温める効果がありますから、毎日の食卓にのぼるようにしていただきたいものです。間違っても時期外れの夏野菜は常食されませんようにご注意ください。夏野菜は体の芯を冷やしてしまいます。

 前回の繰り返しになりますが、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームが出てから久しいですが、その必要は全くありません。
 詳しくは、次の記事をご覧ください。
  立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。

 次に、「小雪」からの節気の食養生について、特に留意すべき点を記すこととします。
 この時期、急激な冷え込みがくることがあり、まだ体が慣れていませんから、体の芯まで冷えきってしまうことがあります。
 こんなときは、意識して少々塩味をきつくするとよいです。なぜならば、塩ほど体を温めるものはないからです。少し濃い目の味噌汁や豚汁になさるといいでしょう。
 そして、そうした冷え込んだ日の夕食にお勧めなのが、鍋物です。外からも中からも体を温めてくれますからね。

 芋類で一番最後に旬がくる里芋。イカを入れた芋の煮っ転がしが、ことのほか美味いですね。その里芋、けっこう体にいいんです。ガラクタンとムチンがいっぱい含まれています。ガラクタンは、動脈硬化の予防、免疫力強化、脳細胞の活性化などに効果がありますし、ムチンは唾液の分泌を促進して消化を助け、便秘を改善します
(2018.8.9追記:ムチンにはこのような効果はないことが判明しましたので削除します。)
(2018.11.22追記:ガラクタンについて、脳細胞活性化効果は立証されておらず、動脈硬化予防や免疫力強化に関しても一部に期待できる程度の研究途中にあります。)

 また、漢方では、腎陰虚(手足がほてる、頭のふらつきやのぼせ、イライラ、不眠、耳鳴り、口渇、腰がだるい)に、芋類では山芋と並んで里芋が良いとされています。
 これから旬となる里芋を食卓に飾っていただきたいものです。

 冬は、海の幸があれこれ旬になります。何がいいかとなると小生も分かりかねます。
 ここは、魚屋さんに聞いて買うのが一番。
 今年もサンマの水揚げが不漁で、
もう食べられなくて残念です。サンマのはらわたは、けっこううまいのですがね。小生は、はらわたと腹周りの小骨も肉と一緒に口に放り込み、よく噛んで食べるようにしています。また、サンマの骨は冷凍保存しておき、まとめてフライパンで炒って酒の肴にする、これもけっこううまいです。

 果物では、リンゴが本格的に出回っています。前にも書きましたが“リンゴが赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょう。リンゴは平性の食品に分類されていますが、食べ過ぎるとやはり体を冷やすようですから、ほどほどの分量としたいです。
 そして、みかんが旬となります。こちらは温性の食品に分類され、体を冷やすようなことはなさそうです。みかんは風邪に対する抵抗力を付けてくれましょうし、特に皮は漢方では陳皮(チンピ)と呼ばれ、風邪に薬効ありとなっています。みかんの皮を料理に入れたり、漬物に加えたりしていただきたいものです。陳皮は七味唐辛子にも加えられています。

 次回は、「大雪」(12月7日頃)からの健康と食養です。


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