薬屋のおやじのボヤキ

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春って、いつからいつまで?

2011年03月06日 | よもやま話

春って、いつからいつまで?

 春は、3月から5月までの3か月間。これは、当たり前の話になっています。
 その春の始まりである3月1日、あるいは年の始まりの1月1日は、どうやって定められたのでしょうか。

 その昔、1年の始まりは、世界各地で、てんでばらばらに定められていました。
 例えば、古代ローマでは、春めいてきた日に王が新年を宣言し、その日を1年の始まりとし、マルティウス(英語でMarch)1日と定めたのです。そして、1年を10か月、304日とし、305日目からの格別に農作業がない61日間程度は、なんと日付がない暦としたのです。ローマ暦の始まりです。これはBC753年のこと。
 その後、改暦が行われ、10月の後に1月と2月が設けられ、暦がない日はなくなったのですが、1年の始まりは3月1日のままでした。そして、古代ローマが共和制を敷き、執行官(元首)を置くようになって、その任期1年間の就任日を1年の始まりであるマルティウス1日としました。BC153年になると、その就任日を前倒しし、1月1日とし、これをもって1月1日を1年の始まりに改めたのです。
 これを原型にして、ユリウス暦、次いでグレゴリオ暦が定められ、今日に至っていますから、1年の始まりが冬至から10日経った何でもない日になってしまっているのです。
 西暦は、このようにして出来上がりました。

 一方、イスラム世界では、様相を異にします。
 乾燥地帯にあっては、月夜の明かりが夜間行動を可能とし、
月の運行に合わせた太陰暦が重要性を持ってきます。
 
今でもこれをかたくなに守っている国もあります。イスラム暦のサウジアラビアがそうで、1年が太陽暦に比べて11日短いです。これであっても特段の問題は生じません。穀物が大して採れるわけではないですから、農耕暦を持つ必要性はないですし、徴税は家畜で行えば良いですから、財務暦が1年354日になっても支障ありません。
 なお、イスラム世界でも、温帯にあって農耕が行われるイランなどでは、農耕暦を取り入れて、グレゴリオ暦に近いものになっているとのことです。

 さて、農業が盛んな中国となると、農耕暦が非常に重要になってきます。特に農民にとっては。でも、支配層の思惑からなのか、イスラム文化の影響からなのか、何とも分かりませんが、太陰暦をメインにした暦になりました。日本も、それを導入し、西洋暦にしたのは明治になってからです。
 
でも、徴税が穀類中心ですから、財務暦としては、1年を平均して365日強にせねばならず、閏月を設けたりして調整されました。なお、これは、西洋においてもそうで、古代ローマでは、太陰暦をメインにした暦を元にして、2月の後に閏月を設けて調整していました。

 その中国において、農耕暦の必要性から編み出されたのが、24節気です。
 既に、
大昔に、太陽の天体観測を通して、冬至、春分、夏至、秋分の4つの日にちが、いつなのかが分かっていました。その4つの真ん中に入る日にちとして、立春、立夏、立秋、立冬が、まず定められたと思われます。
 そして、立春から立夏の前日までを「春」(※)としたのです。閏年で1日ずれることがありますが、2月4日頃の立春から5月5日頃の立夏の前日までが「春」なのです。
 これは、農耕に止まらず、漢方の世界では、季節が人の健康に大きく作用することから、この季節区分が重要視されています。もっとも、今日では、中国も西洋暦を取り入れ、農耕が全てではないですから、西洋風の季節区分になっていると思われます。

 古代中国において、1年に8つの節目の日が、このようにして定められたのでしょうが、これでは大雑把すぎて、農耕暦としては役に立ちません。そこで、8つの節目で分けられた、それぞれの期間をさらに3分割し、全部で24の節目を作ったのでしょう。
 ところで、なぜ3分割としたのか。2分割なり4分割なりに、なぜしなかったのか。
 これは、たぶん
1年12か月との整合性を取ろうとしたからでしょうね。もっとも、各月の初日なり特定の日に節気が当たることはなく、ずれたままですが。

 その24節気ですが、日本でよく知られているのは、先に挙げた8つの節目以外では大寒(1月20日頃)だけです。春であれば、立春から始まって、雨水、啓蟄(けいちつ)、春分、清明、穀雨と続き、立夏に至るのですが、啓蟄がどれだけか知られているものの、雨水、清明、穀雨は、馴染みが浅いです。
 なお、啓蟄とは、地中の虫が地表に這い出してくることを言います。

 今年は3月6日がその日です。つまり、今日が啓蟄です。
 ひな祭り寒波が去って、随分と暖かくなりました。
 半月
もすれば、春分です。春本番が直ぐそこに来ています。
 どれだけかの畑仕事をせねばならない小生です。本来なら立春まで(冬の土用の間)に終わらせておかねばならなかった畑の粗起こしが、まだ残っています。少しでも遅れを取り戻すために、今日、啓蟄の日曜日にビッチュウを使った人力作業に精を出さねばなりません。

(訂正と追記)
2017.2.4 昨日この記事にアクセスが多くあり、今日見直してみて誤字訂正と一部修正を行いました。そして、正確性を期すため、本文中(※)に関して下記を追記します。

 中国における漢方の季節区分は少し複雑になります。四季の変わり目に「土用」が入り、春の土用、夏の土用といったぐあいに1年を8区分することになります。
 1年365日を春夏秋冬・土用に均等に割り振りするため、5で割った73日を5季の日数とし、土用は4回訪れますから73を4で割った18日なり19日を各土用に割り振りします。そして、「春」の次の季節を「春の土用」とします。
 よって、「春」は立春の2月4日頃から4月16日頃まで、「春の土用」が4月17日頃から立夏(5月5日頃)の前日までとなります。
 なお、「土用」は季節の変わり目であるとともに農業にも関係し、読んで字のごとく「土に用がある」時期でもあります。春の土用ともなれば、夏野菜の作付けのために畑を耕し、畝立てし、苗を植付けるなど、忙しくなり農繁期です。本稿の最後の段落で書きました畑の粗起こし(これを「寒起こし」という)は、その昔は「冬の土用」の年中行事でして、一番寒い時期に相当し、これを行うことによって地中に潜んでいる害虫を凍死させ、夏野菜の病害虫防除をしていたのです。
 ついでながら、24節気について、もう一言させていただきます。
 中国がユネスコに申請していた「二十四節気」が2016年11月30日、無形文化遺産に登録されました。お隣の中国から日本にも入ってきて定着している24節気ですから、これを共有し、健康生活に生かしていきたいものです。


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1 コメント

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ビッチュウってなつかしいですね。 (Unknown)
2011-03-06 00:15:14
ビッチュウ、なつかしいですね。
親父がよくやっていました。
もう我が家にはなくなってしまいました。
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