大分の土地家屋調査士ブログ

「土地家屋調査士の業務と制度」を中心に、それに広い意味で関連する様々なことについて一人の人間として思うところを書きます。

「西日本豪雨」で考えたこと

2018-07-16 19:50:44 | 日記
広島・岡山・愛媛をはじめとした西日本各地の豪雨で200人を超える方が亡くなられたり、行方不明になっています。3万戸を超える家屋被害も出ており、何とも痛ましいことです。お見舞い申し上げます。
このような大きな災害のある度に被害の大きさと何もできない自分の無力さに打ちひしがれてしまうようなところがあるのが正直なところですが、そんな泣き言を言っておらずに、何かしらの「出来ること」をしていかなければならないのだと思いなおしもするところです。

このような災害のたびに、「天災」の恐ろしさを感じるのですが、純粋な「天災」とだけ言っていられないのが、最近の災害だと言えるでしょう。
今回の集中豪雨で言えば、やはり「温室効果ガスによる気候変動」という有力な「仮説」の確かさを感じ、抜本的な対策の必要性と、それを否定するトランプ大統領のような人々の存在から、人類の「強さ」と裏腹な「無力さ」を思います。
そして、どんどんと「身近」なところで考えていくと、もう少し近いところでは、「治水」「治山」や「都市計画」といった問題があります。
そして、その上で、さらに身近な、私たちに直接的にかかわる問題としての個別具体的な「宅地造成」などの問題があります。

被災地の映像を見ていると、比較的新しい住宅に土砂が押し寄せているものがあります。最近宅地造成をした住宅団地が土砂災害に襲われたのかと思うと、その宅地造成に関与した土地家屋調査士は、どのような思いでそれを受け止めているのかと思い、重苦しい気分になります。
おそらくは予測しえなかったことなのでしょうし、宅地造成後の分筆登記をしただけならどうしようもないことだということになるのでしょう。しかし、もしも宅地造成の設計に関与していたのなら、どうでしょう?それでも「予測」は難しいだろうし、一定の科学的知見に基づく行政の「許可」を得ているのだから、その「責任」は大きいわけではない、と言えるのかもしれません。しかし、より確かな知見によって「予測」をすることができたなら、ということも考えられます。そこで出てくる「責任」を負うものとして、そのような覚悟を持つものとして、日々の仕事をしていかなければならない、ということに、改めて思いを致すべきなのでしょう。。

このような災害を見るにつけ、「私たちに何ができるのか」ということを考えます。直接的には大したことができないな、と思わざるを得ないのですが、最終的には「自分の場所でやるべきことをやる」ということが一番大事なのだろう、と思うようになります。
しかし、これが何とも難しいことです。ついつい安易な妥協に走って、その場をやり過ごして事足れりとしてしまう、ということがあります。工期に追われるとか、発注者の利益優先の意向に押されるとか、自分の責任を追及されることを回避したいとか、等々によって「本来やるべきこと」をやらずに済ませてしまう、ということが往々にしてあります。もう一度見つめなおすべきことなのだと、あらためて思います。

その上で、本当に小さなことで恐縮ですが、今回の豪雨による私への影響と、そこで思ったことについて。
豪雨による何の被害もなかった私ですが、若干の影響はありました。あらためて言うほどのことではないのですが、「単身赴任先からの週末の帰宅」が、鉄道の不通によってできなくなった、ということです。
そのこと自体は、まったくささやかなことですし、全く致し方ないことで、なんの問題もないのですが、公共交通機関の不通というのは、社会的な影響の大きなことであり、それによってより深刻な打撃を受ける人も多くあります。東日本大震災の時にも大きな問題になり、つい先日の大阪の地震の際にも問題とされた「帰宅困難者」の問題にもつうじるものです。
だから、JRは、鉄道の運行状況について、より正確な情報をより早く伝える責務を負っている、ということになります。
それがどうだったのか、ということです。

JR九州のホームページを見ると、トップページに
「最新の情報につきましては、「列車運行情報」もあわせてご参照ください。」
という案内の文句があります。
そこで、「連射運行情報」をみると、まず目に入ってくるのが次の文言でした。
[免責] 本サービスの情報は、情報更新タイミングやその他の事由により、実際の運行(航)状況と異なる場合があります。
あくまでも参考情報としてご利用ください。この情報の利用によりお客さまに損害が生じた場合でも責任を負いかねます。
しかし、列車の運行主体であるJR九州のホームページでの情報というのは、言わば「第一次情報」です。運航の休止を決めたのであれば、それは即時にそのままホームページで公表されるようにするべきだし、運航の再開があった時も同じです。運航主体であるJR九州以外の機関が情報として運行状況を伝えるのであれば「実際の運行(航)状況と異なる場合があります」というのもわかるのですが、運航主体であるJR九州がそんなことをいうのは、ましてや「あくまでも参考情報としてご利用ください」などと言う、というのは、まったくおかしなことなのではないか、と思います。
たしかに、「この情報の利用により損害が生じた場合」の「責任」を逃れたい、という気持ちはわからないではないですが、そんなことを言うべきではないでしょう。しっかりと「責任」を負うものとして情報を伝える、というのが、公共交通機関を運行するものとしての「なすべきこと」なのであり、それを回避して責任に背を向けてしまうのは、誤った姿勢なのではないか、と思うのです。私たちの仕事における「責任」に通じるものとして、他山の石として考えるべき事のように思いました。
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