大分の土地家屋調査士ブログ

「土地家屋調査士の業務と制度」を中心に、それに広い意味で関連する様々なことについて一人の人間として思うところを書きます。

土地家屋調査士の業務範囲

2016-08-16 18:14:14 | 日記
「土地家屋調査士は、登記に直接かかわらない筆界調査・測量をやってもいいのか?」というようなことを問題にする人がいます(結構)。
私としては、実に当たり前のことで(やっていいに決まっている)、そもそも問題にすること自体がナンセンスな問題だと思うのですが、「十年一日」どころか「三十年一日」のように、この疑問を出す人が結構いるのですね。それなので、あえて問題にしなくてもいいのに、と思いつつ、少しそのことについて書きます。

そのように言う人自身が、「登記に直接かかわらない筆界調査・測量」を業務としてやっていないのか?というとそんなことはなく、現実には結構やっています。実際にやっているのだったら、自分自身のしていることは正しい、という「理由」を明らかにするようにして、自信をもってやるよにすればいい、と思うのですが、そうならないところに「土地家屋調査士の思考法」「土地家屋調査士の法的センス」の限界を感じます。

この疑問を出す人は、「俺自身としてはできるのだと思うよ。でも、法令に明文で書いてないじゃない。これでは新人の調査士は不安だろうし、国民への納得いくような説明もできないよ。」というようなことを言います。そうです、そういう「思考法」「法的センス」こそが問題なのです。

まず、自分自身が思うのであれば、それをきちんと突き詰めるべきです。突き詰めて、「新人の調査士」にきちんと説明するようにするべきです。隣接地の所有者等の「国民」にも説明できるようにするべきです。もしも、そのようなことが今現在できていない、というのであれば、遵法精神・コンプライアンスの観点からすれば、そのような業務を行うべきではありません。

「法令に書いてない」というのが、このような人たちがよく言うことですが、「書いてないことはしていけない」と思うのだったら、まずはしないようにするべきです。
そもそも法令というのは、ありとあらゆることが書いてあるわけではありません。少なくとも近代以降の社会における人権保障の下では、「やってはいけない」とされていること以外は「やっていい」ことになります(もちろん、一定の常識や倫理観が必要である、ということの上での話ですが)。それを、「書いてないからやっていいのか?」という疑問をいつまでも持っている、というのは、してはいけないことをして叱られた小学生が「そんなことは法律に書いてあるんですか?」と「反論」するのと同じレベルの「思考法」「法的センス」です。

このような発想の現実的な根拠として二つのことがあるように思えます。ひとつは、「法律関係専門職」として自らを高めていく姿勢の欠如です。自分たちはこのような法的根拠を以て業務を行いそれによって社会的な貢献をしている、ということを明らかにすること、それを「新人の調査士」を含むすべての調査士に明らかにすること、そのようにして高めていくことへの追求が弱い、というところの問題です。
もうひとつは、「おかみへの依存」です。「法令に書いてある」という形にしか「権威」を感じられない、という依存の姿勢、自らの専門性にもとづく判断ではなく「指示待ち」が体質になってしまっているところの問題です。

このようなものを克服せず、このようなものに組織が引きずられて行ってしまうなら(そして現状は残念ながらそうなのですが)、「未来」はない、と言うべきことになってしまいます。(なぜ、いまこんなこと言うの?という話ですみませんでしたが・・・。)
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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-08-31 17:06:22
測量法に抵触するからダメなんじゃないの?
Unknown (Unknown)
2016-08-31 19:28:40
「やってはいけない」とされていること以外は「やっていい」。
これ「その他の規制法に引っ掛からなければ」、ですよね。
業として調査士はフグを捌けないでしょう。
測量士は調査士法の規制があるから登記を前提とした調査測量ができない。
測量法に書いてないけど登記はやっていい、なんて有り得ないでしょう。
Unknown (Unknown)
2016-09-01 12:56:33
第六条  この測量法において「基本測量及び公共測量以外の測量」とは、基本測量又は公共測量の測量成果を使用して実施する基本測量及び公共測量以外の測量(建物に関する測量その他の局地的測量又は小縮尺図の調製その他の高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く。)をいう。
Unknown (Unknown)
2016-09-12 22:33:43
新人調査士には測量業登録を指導しますか?
それとも違法性を無視して、業として登記に関係ない測量を調査士として行うことを指導しますか?
Unknown (Unknown)
2016-09-16 22:04:24
「国民」に測量法違反だと指摘されたらどのように説得するのですか?
Unknown (Unknown)
2016-09-21 23:51:03
『「法律関係専門職」として自らを高めていく姿勢の欠如です。』

ブログ主は30年も法律の理解を高めてこの程度なのですか?

法務省に照会しましたか?
登記を前提としない調査測量は調査士の生業でしたか?

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