大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

「大阪都構想」住民投票

2015-05-17 06:25:17 | 日記
今日は、大阪市をなくして5つの特別区を設けるいわゆる「大阪都構想」の住民投票の日です。既に30万人近くの人が期日前投票を済ませている、とのことで関心の高さを伺わせます。
実際、このような課題についての住民投票が行われること、しかもそれが法的拘束力を持つものとして行われる、ということは、それ自身として大きな意義があるものと言えるでしょう。

私には、「大阪都構想」についての十分な知識がないので、その賛否についてはなんとも言えないのですが、いずれにしてもこのような「改革」を行う、ということの大変さを強く感じます。

それは、一方では「現状維持」というものの強さ、です。「現状」と「改革案」がある場合、現実にあるものとしての「現状」と、未だ現実には存在しない観念的なものとしての「改革案」では、やはり現実が強いのですね。それは、現実に存在しないものにはいろいろなバリエーションがあって、たとえば「AとBとCとDとE」を内容とする改革案の場合、「そのすべてに賛成」となるのであれば問題はないわけですが、往々にして「AとBとCには賛成だけどDとEには反対」とか、逆に「CとDとEには賛成だけどAとBには反対」だとか、いろいろなパターンが出てきます。これは「現状」についても同じですが、「現状維持」にはさほどのエネルギーが要らないので、たとえば「5分の1」でも「賛成」に回り得るのに対して、「改革案」には「5分の3」でも賛成しきれない、ということがあるようです。
「改革」を行っていこうとするときに、よく考えておかなければならないことなのだと思います。

他方、全く反対のことなのですが、「現状」について「どうしようもないほどダメだ」という感じが充満して爆発点にまで来てしまった時には、内容上の吟味のないままに「全否定」に向かうことがあります。それが発展的な改革に結びつくときもあれば、そうではない単なるポピュリズムに過ぎないときもあるので、心して見ておかなければならないでしょう。
大阪都構想に関して言えば、大阪(関西)圏の衰退への対処が必要とか「二重行政の解消」というような目の前にある喫緊の課題への対応が必要、ということと、それをした後でどういう方向に進んで行くのか、ということを同時に考えておく必要があるのだと思います。

折しもわが土地家屋調査士の世界でも「選挙」がおこなわれています。「改革」の方向を考えて結論を出して行っていただきたいと思っています。