管内のきゅうり産地では、ホモプシス根腐病の対策として化学薬剤による防除や米ぬかを使用した土壌還元消毒(高温で湛水し病原菌を殺菌する土壌消毒方法)の取組みが行われてきましたが、前者は作業者の負担が大きいことまた両者ともに資材価格が高騰した状況にあり代替策が望まれていました。
当普及センターでは、令和5年から大手飲料メーカーの協力によりコーヒーを抽出した後に廃棄されるコーヒー残渣を使用した土壌還元消毒を当部会と連携して実証してきました。昨年、安価で防除効果が高いことが証明されたため、今年は管内で10名の生産者が取組むことになりました。
本栽培講習会では、コーヒー残渣の特徴やコーヒー残渣を使用した土壌還元消毒のコツについて実証事例に基づき情報提供を行いました。
生産者からは、「コーヒー残渣がなぜ土壌還元消毒で使用可能であるのか」や「殺菌効果を高めるための方法」について質問があり、「油分も十分に含まれており易分解性有機物であるため」や「有機物分解菌を十分に増殖させるためにも2週間から3週間の消毒期間を設けること」等の指導を行いました。
当普及センターでは、安価で環境にやさしい土壌消毒方法等の普及を通じてきゅうり生産を引き続き支援していきます。
<連絡先>
宮城県亘理農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0223-34-1141 FAX:0223-34-1143