山スキーと山歩き みやぶろぐ

山スキーと登山など、きままに書いてみます

晩秋の鳳凰三山ワンデイ

2012-11-26 | 2012山登り

山域山名:南アルプス・鳳凰三山(山梨県)
期  日:2012年10月31日(水)
参 加 者:みやぶー
行動記録:夜叉神峠登山口1380m(6:30)→夜叉神峠1790m(7:15/7:20)→杖立峠2177m(8:10)→2309m(8:40/8:55)→南御室小屋(9:45/9:55)→薬師岳小屋(10:45/11:30)→薬師岳2780m(11:35/11:45)→観音岳2840m(12:05/12:20)→赤抜沢ノ頭(12:55)→地蔵岳往復→赤抜沢ノ頭(13:35)→高嶺2778m(14:00/14:10)→白鳳峠2450(14:30)→南ア林道(15:45/15:50)→広河原1520m(15:55)

<天候:晴時々曇り>
寝坊をしてしまい、予定より1時間遅れで夜叉神峠登山口を出発。黄葉のカラマツ林にジグザク道を登る。

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峠の標識から3分で夜叉神峠小屋前の広場へ。寒気と南岸の気圧の谷の影響か、すっきりと晴れとはいかず白峰三山は見えない。

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峠小屋は夏には営業しているらしいが、もうすべての戸が閉まっていて冬終いしている。

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足下には立派な霜柱が成長していた。

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展望のないシラビソの道を登る。大崖頭山直下に杖立峠の標識があるが、エアリアマップにはその先の鞍部が本当の峠?と記されている。南アルプスNETには「顕著な峠ではないが、鉄パイプを組み合わせた指導標がある。

昔、芦安の山仕事の人たちは、ここで背負子を降ろさずに休んだ。つえを背負子の下に立てて支えとし、立ったまま休憩したという。戦後間もなくまでは、峠から西に延びる五葉尾根に広河原への仕事道が付いていて、登山道としてもよく使われた。」とあり、山容が穏やかな夜叉神峠から杖立峠を経由して野呂川沿いに広河原に行ったのだろう。

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うっそうとした森が地図上の2309mで一気に開けて好展望が拡がり、雲間から新雪をかぶった北岳、間ノ岳、農鳥岳の白根三山が見える。

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鳳凰三山に来て、この景色を見なくては。蝶ヶ岳からの槍穂高と同じようなものである。

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再びシラビソの森道を進み、南御室小屋へ。

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深い森のなかに冷水が得られるいいテン場があった。小屋裏からすぐに急登を登り切ると森林限界を越えて、大きな岩と白い砂の稜線に出た。

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冷たい西風がもろに当たり、とても寒い。慌てて冬帽子と手袋をはめる。

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これからが鳳凰三山のハイライト、白根三山にかかる雲も少なくなり、仙丈ヶ岳やアサヨ峰を正面に、雄大な景色を眺めながら明るい縦走路が続く。

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鞍部にある薬師岳小屋で昼食を取る。こんな寒い日には熱いチキンラーメンがうってつけだ。

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小屋番に聞いたら、今朝の気温は-6℃まで下がったそうで、今年はもう2回も雪が降ったとのこと。

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小屋から薬師岳まではひと登り。山頂に着くと、白峰三山にかかる雲もだいぶ上がり、北岳バットレスを正面に素晴らしい景色を楽しむ。

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薬師岳には様々な花崗岩の巨岩が多く、秋に行った屋久島を思い出す。

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薬師岳から観音岳へは、とても気分のいい縦走路だ。

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観音岳山頂は強い風が抜けていた。目指す地蔵岳と高嶺はまだまだ遠い。

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日陰には少し雪が残っていた。

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岩場混じりの急坂を下り、赤抜沢ノ頭まで登り返す。
最終バスまで時間があるので、赤抜沢ノ頭にザックをデポして地蔵岳に登ることにする。

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鞍部にはお地蔵さんがたくさん立っていた。

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オベリスクに取り付くが、最後の大岩は無理せずに見上げるだけにした。


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赤抜沢ノ頭に戻って、高嶺まではヤセ尾根を通過していく。

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高嶺山頂も眺めがすこぶるいい。仙丈ヶ岳、アサヨ峰、甲斐駒がよく見える。

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振り返ると、今日、越えてきた鳳凰三山縦走路の長さを実感する。

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白鳳峠まではハイマツと岩混じりの急坂を駈け降りる。
峠下はゴーロのU谷のような地形で、真正面に北岳とこれまた好展望の道だ。

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樹林に入ると延々と急降下が続き、膝が悲鳴をあげる。車道が見えた時にはホッとした。

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時々工事車両が通る林道を、紅葉を楽しみながら広河原に向けてのんびり歩く。

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広河原に着いて北岳を見上げ、晩秋の鳳凰三山縦走を無事に終えた。

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秋の盛りを過ぎた山は華やかさはないが、とても静かでのんびりと山歩きができるので、一番好きな季節である。

最終バスは16時30分発なのだが、その前に乗り合いタクシーが16時10分に出るというのでそれに乗り込む。
夜叉神峠まで料金は千円で、バス(運賃820円+協力金100円)とほとんど変わらなかった。