雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

氷河期到来 ・ 小さな小さな物語 ( 677 )

2015-03-16 11:16:37 | 小さな小さな物語 第十二部
「氷河期到来」などという、見出しの記事を見ました。
最初は、就職難などのことを指しているのかと思っていたのですが、そうではなく、地球上の大陸の多くが結氷するほどの氷河期が到来するという記事だったのです。さすがに、少々大げさに過ぎますし、まあ、私が生きている間にはやってきそうもないことなのでどうでもよいことだと思いながらも、少々興味もあり、調べてみました。
但し、「氷河期」などに関しては諸説入り乱れているようで、定説といえるほどのものもないような気がしました。それに、「最後の氷期」と呼ばれる寒冷期が終わったのが一万年程前のようですから、実際に体験した人は多分いないはずですから、地質などのわずかな痕跡から積み上げられた推測を、全く予備知識のない私が紹介するのですから、その程度のこととしてお読みください。

まず、「氷河期」とはどういう状態の時を指すかといえば、「大陸上に氷床があらわれる時代」ということからすれば、現在は、氷河期の中にあるといえるのではないでしょうか。
また、「氷河期」といっても、私たちが漠然と想像するものは大規模なもので、もっと小規模なものもあり、氷河期の中であっても、大変寒さの厳しい「氷期」と比較的温暖な「間氷期」があります。また「氷河期」と「氷河期」の間には数百万年を越えるような温暖期もあるようです。
大規模な「氷河期」はこれまでに少なくとも四度あったとされています。
まず最初は、「24億年前~21億年前」その次は「7億5千万年前~6奥4千年前」その次は「4億6千万年~4億3千万年前」その次が「3億6千万年前~2億6千万年」だそうで、最後の大氷河期においては、生物の大量絶滅があったとされています。
ここ数百万年の間は、4万年~10万年の周期で多くの「氷期」が起こっているそうです。

現在の「氷期」は、4千万年前程から始まり3百万年前程から規模が拡大し、「氷期」と「間氷期」を繰り返しているそうです。
最後の「氷期」は1万年ほど前に終わったとされ、現在は「間氷期」にあたると考えられますが、数百万年続く温暖期に向かっている可能性も否定できないと思われます。
なぜ「氷河期」が出現するのかそのメカニズムについては解明できているわけではないでしょうが、主に三つの要因が考えられています。
一つは、大気の組成の変動です。初期の頃の大氷河期はこの影響が大きいともいわれています。
二つ目は、地球の軌道の変動からくるものとされ、三つ目は、大陸の配置からくるものとされています。
意外なのは、太陽活動によるものは挙げられていないということです。短期的には気候変動の影響はあるのでしょうが、大氷河期をもたらすような太陽活動の変化が起これば、地球という物体はともかく、生物などは消滅することになるのでしょう。

さて、現在の地球は、温暖化に向かっているのか、再び氷期に向かうのか、それとも、「間氷期」という人間の生存にやさしい時代が今しばらく続くのか、判断は難しいようです。
24億年前に始まったとされる大氷河期は、大気の組成が変化していくことで起こった可能性が推定されているようですが、現在私たちが叫んでいる温室効果ガスは、24億年前のような大氷河期(それがどの程度のものか知りませんが)を招くことなどありますまい。
使えるだけの化石燃料を好きなだけ使ったところで、大氷河期を迎えるほど地球は「やわ」ではありませんよ。ただ、地球が風邪をひく前に、人類は起き上がれなくなるでしょうねぇ・・。

( 2014.10.26 )

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