雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

統一地方選挙 ・ 小さな小さな物語 ( 727 )

2015-09-24 14:47:49 | 小さな小さな物語 第十三部
統一地方選挙がスタートしました。
地域により選挙の有無や日程などに差があるようですが、広い範囲で地方政治を見直す機会が訪れたといえます。
道府県議選でいえば、41の道府県で選挙が行われますので、統一と言われるようにかなり集中しています。この他にも、市町村議会の議員選挙や、首長選挙が加わる地域もあり、選挙管理に携わる人はもちろん、選挙民にとっても何とはなく気ぜわしい日が続くことになります。

その道府県議会の議員選挙に関して、少々気になる報道がありました。
今回選挙が実施される41道府県議会の定数は、2284人だそうですが、そのうちの501人については無投票で当選が決まったそうです。定数の22%に当たるそうです。
今後告示されて行く市町村議会選においても、おそらく幾ばくかの無投票による当選者が生まれる可能性があります。
私たちは、この傾向をどう考えればいいのでしょうか。

市長などの首長選挙でさえ多くの無投票当選が出ていますが、その原因にはいくつかのことが考えられます。
立候補予定者がずば抜けて優秀なため対立候補が出現しなかったということもあるでしょうが、どうも極めて稀な例のような気がします。
多くは、人的関係や権益などが固定化していて新人やよそ者が割り込む隙がなかったり、選挙を戦うための準備を含めた資金が相当にのぼること、あるいは、相当知恵がなければ、そのような資金や体力を費やしても元が取れないといった辺りに大きな原因があるように思うのは、下種の勘繰りでしょうか。
視点を変えれば、無投票当選者が多く生まれるという背景は、若者を中心として多くの選挙の投票率が低下しているというのと同根だと考えられます。つまり、選挙そのものに興味も魅力も感じられない人が多くなっているということではないでしょうか。

選挙は激しいほど良いというわけではありませんが、立候補した人の全員、あるいはそのほとんどが当選するという選挙が続けば、資質の低下は避けられないのではないでしょうか。
昨今の地方議会議員による目に余るような行動や言動は、その証左の一つかもしれませんし、最近だけで言っても、地方議会議員などの状態は全く分かりませんが、国会議員の中からも、「勘弁してよ」というような行動がちらちら伝えられています。
結局、国会議員であれ、地方議会議員であれ、さらには組長を含めても、数が多すぎるということではないでしょうか。
ただ、こんなことを無責任に叫んでいるだけでは、わが国の政治、つまりは民度はどんどん低下して行くだけだということも、確かなことなのでしょう。
選挙をしたくても、無投票当選のためその機会も与えられない人には気の毒ですが、その機会を与えられた人は真剣に一票を投票しましょうよ。
その一票がどれほどの働きをするのか極めて頼りないのですが、私たちの多くは、この機会にしか民主政治に参画する機会などないのですから。

( 2015.04.06 )

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