ダメでもともと!

面白いドラマを書いて、「一声」かけていただく。だめでもともと。

第19回テレビ朝日新人シナリオ大賞オリジナル配信ドラマ部門「初恋島」 第四回(全七回)

2019-03-15 08:06:04 | テレ朝落選作「初恋島」

「第四回」

 

〇海原(夜)

  月の明かりに水面が所々輝いている。

 

〇海岸の岩陰(夜)

  岩陰から尚登が捕まっている洞窟が見える。

  ひとみ、丈治、祐介、萌絵の四人が岩陰に隠れている。

祐介「俺、差し入れで、これをもっていくよ」

  祐介、一升瓶を見せる。

丈治「?」

祐介「(微笑みながら)睡眠薬入りの酒だ」

 

〇海岸の洞窟の中(夜)

  二人の見張り役の島の男が焚火の明かりの中で将棋を指している。

男A「お、そうきたか!」

  その傍に尚登がおとなしく焚火を見ている。

  尚登、真っ赤な炎を見る。

 

〇(回想)オフィスフロア

  美香の真っ赤な唇。

美香、尚登の指に絆創膏を貼り終える。

尚登、美香の少しはだけたシャツから見える胸の谷間に目が行く。

美香、尚登の視線に気づいて、指でシャツを広げて胸の谷間を見せる。

尚登、目を逸らす。

美香、いたずらっぽく微笑む。

  美香、絆創膏を張ったところを指でつまみ、そして、その下にある結婚指輪を摘まむ。

  尚登、美香を見る。

  美香、囁く。

美香「まだ愛してるの?」

尚登「え、あ、いや!?」

  尚登、狼狽する。

  美香、いたずらっぽい笑みを浮かべる。

  美香、席に戻る。

尚登「……」

 

〇(元に戻る)海岸の洞窟の中(夜)

男A「王手!」

  尚登、我に返り見張り役の男を見る。

男B「あちゃ!」

  すると、洞窟に祐介がやってくる。

祐介「おい、差し入れもってきたぞ!」

  祐介、一升瓶を掲げる。

男B「お、気が利くね」

 

〇海原(夜)

  月の明かりに水面が所々輝いている。

 

〇海岸の岩陰(夜)

  丈治、ひとみ、萌絵は、岩陰から洞窟を見ている。

  すると祐介が洞窟の外に出てきて、懐中電灯を振って合図する。

萌絵「うまくいったみたいね」

 

〇海岸の洞窟の中(夜)

  洞窟の中には、ひとみ、尚登、丈治、祐介、萌絵と、後ろ手に縛られ寝ている見張り役の男二人が寝ている。

萌絵「どうするの?」

丈治「船をもってこよう。それで二人を島から逃がそう」

ひとみ「いいの?」

丈治「構わないよ」

祐介「じゃ、俺が船持ってくるよ」

丈治「頼む」

  祐介、洞窟を出ていく。

    ×    ×    ×

  ひとみ、ためらいながら、

ひとみ「でも、ほんとに私たちを逃がして大丈夫なの?」

丈治「大丈夫だよ。それより君たちには大切なことをお願いしたいんだ」

ひとみ「大切なこと?」

丈治「この島の実態を証人として暴露してほしいんだ!」

ひとみ「暴露!?」

丈治「初恋婚の夫婦が住む島とは名ばかりで、実際は不義を働く不道徳な島だということを!」

萌絵「そう! いびつな風習を守っているこの島のことを、みんなに伝えて!」

ひとみ「……」

尚登「……」

丈治「やってくれるね!」

ひとみ「わかったわ」

  ひとみの表情にやる気がみなぎっている。

  すると、海岸からサーチライトで洞窟内を照らされる。

  強い光が丈治たちを照らす。

ひとみ「何!?」

  すると島の男たちが「ワァー」という叫び声を上げながら入ってくる。

  丈治たちは入ってきた男たちに網をかけられ一網打尽にあう。

  動きが取れない丈治たち。

  男たちは叫び声を上げながら丈治に覆いかぶさり、丈治たちをとらえる。

    ×    ×    ×

  後ろ手に縛られた丈治、ひとみ、尚登、萌絵がいる。

  そこへ、祐介が現れる。

萌絵「あなた!」

丈治「祐介! これは」

  祐介、気まずそうな顔をして、

祐介「すまない」

 

〇海原(夜)

  月の明かりに水面が所々輝いている。

 

               つづく

 

コメント