ダメでもともと!

面白いドラマを書いて、「一声」かけていただく。だめでもともと。

ヤングシナリオ大賞落選作、「路壬緒とジュリエッタ」 第三回(ラスト)

2015-04-14 21:40:07 | ヤンシナ応募作「路壬緒とジュリエッタ」
第三回(ラスト)

〇高校の教室
  路壬緒、一人机に突っ伏して寝ている。
  離れたところでジュリエッタは、親友の吉野久美(18)と今崎昌生と話しをしている。
ジュリエッタ「私は信じてみたいのよ。それなのに路壬緒といったら……」
久美「まぁまぁ、そう腹立てないで。路壬緒君も男の気持ちを察して言っただけなんだから」
ジュリエッタ、仏頂面で腕組みをする。
昌生「路壬緒に男心なんてわかるのかなぁ?」
久美「男なんだからわかるんじゃない」
昌生「路壬緒は人もうらやむいい男だからな。噂では人生で一度もふられたことがないっていうから」
ジュリエッタ「それは私も聞いたことがある」
久美「確かに、バレンタインなんて、チョコレートの数、半端ないもんね」
昌生「いつも、ああして、寝ているのにな」
ジュリエッタ「まぁ、あれには訳があるから」
久美「訳って? まさか受験勉強?」
ジュリエッタ「そうじゃないけど……」
昌生「でも、いいよな」
  昌生、チラッとジュリエッタを見る。
  ジュリエッタ、路壬緒を見ている。
路壬緒、相変わらず突っ伏して寝ている。

〇神社の外観(深夜)
  境内には誰もいない。

〇同・本殿の中
  男装の麗人の黒服の人が正座している。
  そこへ、正装姿の愛徳と路壬緒が桐の箱を持って入ってくる。
  愛徳、男装の麗人の前に正座し、お互いお辞儀をする。
  路壬緒、愛徳の後ろで正座してお辞儀をする。
  愛徳、路壬緒から桐の箱を受け取り、男装の麗人の前に差し出す。
愛徳「ご確認を」
  男装の麗人、一礼して、桐の箱を開ける。
  桐の箱を開けると、中には金色の鏃が沢山並んでいる。
  そして、もう一つの桐の箱を開けると、鉛色の鏃が沢山並んでいる。
  男装の麗人、愛徳を見て、
男装の麗人「ありがとうございます。いつもながら見事な出来映えです」
愛徳「ありがとうございます」
  男装の麗人、桐の箱を受け取る。
男装の麗人「では、これで」
  すると、突然、路壬緒が愛徳の背中越しに話しかける。
路壬緒「それ、本当に使われているのでしょうか?」
  愛徳、路壬緒の方を見て、一喝。
愛徳「路壬緒! 不躾だぞ!」
路壬緒「すみません。でも、どうしても知りたくて」
男装の麗人「……」
路壬緒「それ、単なる形式的な、イミテーションではないのですか?」
愛徳「(一喝するように)路壬緒!」
男装の麗人、声を出して笑い、
男装の麗人「いや、失礼。あなたはこれが何かおわかりのようね」
路壬緒「父から聞きました。それはキューピットの矢の鏃で、金の矢で射抜かれた者は、その後、最初に見た異性に恋をし、鉛の矢で射抜かれた者は、その後、最初に見た異性を忌み嫌うようになると」
男装の麗人、小さく頷く。
路壬緒「大体、西洋のものが、東洋のこんな小さな神社に仕事を依頼してくることがおかしい」
愛徳「路壬緒! いい加減にしろ」
  男装の麗人、笑い、
男装の麗人「かまいませんよ。確かにあなたがそう思うのも不思議でも何でもない。あなたはこの矢の効力も知らずに作っているわけだから」
  男装の麗人、桐の箱に手を置き、
男装の麗人「懐疑的になるのもムリはない」
路壬緒「……」
男装の麗人「なら、どう? 試してみる?」
路壬緒「……」
愛徳「いや、それは」
黒服、愛徳を制止して、
男装の麗人「この神社にある弓を使って撃てば、鏃は人の心に刺さり、矢の効力を見ることが出来る」
  男装の麗人、懐からハンカチを出して、桐の箱から金の鏃と鉛の鏃の二つをハンカチの上に置く。
男装の麗人「あなたにあげる。そして確かめるといい」
路壬緒「……」
男装の麗人「ただ、くれぐれも軽率な考えでこの鏃を使わないでください。決して後悔のないように。射ってからでは遅いのですよ」
  そう言って、男装の麗人は路壬緒に微笑み、そして、桐の箱を持って立ち上がり、本殿から出て行く。
  愛徳、男装の麗人を見送りに出る。
  路壬緒、ハンカチの上にある金の鏃と鉛の鏃を見る。
  そして、ハンカチを鏃ごと手に取る。

〇高校の教室
  路壬緒、相変わらず机に突っ伏して寝ている。
  ジュリエッタ、スマートフォンを持って、路壬緒の隣の机の上に腰掛ける。
  そして、路壬緒の頭を小突く。
  路壬緒、頭を上げる。
  ジュリエッタ、スマートフォンを見せながら、
ジュリエッタ「早苗さん。彼氏と一緒に神社にお参りに来るって」
  路壬緒、興味なさそうに寝る。
ジュリエッタ「まだ納得してないんだ?」
路壬緒「別に」
ジュリエッタ「持ってるんでしょ?」
路壬緒、寝ながら、
路壬緒「何が?」
ジュリエッタ「キューピットの矢」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「嘘かほんとかわかんないけど」
路壬緒「どうして知ってんだよ」
ジュリエッタ「前にぼやいてたじゃん。だから、眠いんだって」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「あるんでしょ? なら使えばいいじゃん」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「それが本当なら、早苗さんは幸せになれるんだから。そしたら、路壬緒も納得出来るでしょ」
路壬緒「それでか?」
ジュリエッタ「不服?」
路壬緒「愛ってそういうものか?」
ジュリエッタ「路壬緒が、納得出来ないからでしょ」
路壬緒「何? これって俺の問題なの?」
ジュリエッタ「さぁ、わからない」
  ジュリエッタ、路壬緒の前から立ち去る。

〇神社の境内
  神社には、ちらほら、若いカップルがお参りに来ている。
  ジュリエッタ、巫女の姿でお守りなどの売り子をしている。
  路壬緒も一緒に売り子をしている。
  そこへ、早苗が彼氏、宗方学(27)を連れてジュリエッタに会いに来る。
ジュリエッタ「早苗さん!」
  早苗は照れ笑いを浮かべ、
早苗「来ちゃった」
  ジュリエッタ、微笑む。
  路壬緒、見ている。
早苗「こちらが、あの、私の彼」
  そういって早苗ははにかむ。
宗方、照れくさそうにジュリエッタに会釈する。
路壬緒、宗方を見定めている。
ジュリエッタ「ここ、境内の奥の方にパワースポットとかあるから、ゆっくりしてって」
早苗「ありがとう。お参りしたら、また来るね」
  そういって、早苗と宗方は、売店を去っていく。
ジュリエッタ「どう?」
路壬緒「何が?」
ジュリエッタ「早苗さんの彼氏よ」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「なんか、好感持てる人だったじゃない。意外だったわ。もっとなんか自分勝手な人かと思った」
路壬緒「身勝手な奴さ。悪人ほど善人面。外面ばっかり磨いている奴さ」
ジュリエッタ「何? まだお気に召さない」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「納得できない?」
路壬緒「納得できないのははじめからだ。丑の刻参りまでして、あんなに呪っていたのに。それが元の鞘に戻るなんて。そんなの納得できるか?」
ジュリエッタ「なら、使えばいいじゃん。ここは恋愛成就の神社なんだから、矢を使って二人を結びつけちゃえばいいじゃない」
路壬緒「そんなの自然じゃないね。それに一度憎んだ相手とか?」
ジュリエッタ「でも、それは路壬緒の拘りでしょ。早苗さんが幸せならそれでいいじゃない」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「路壬緒は、私情を入れすぎなのよ。早苗さんの幸せだけ思えばいいじゃない」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「それとも、何? やっぱ早苗さんのこと、好きなの?」
路壬緒「そんなんじゃねぇよ」
  路壬緒、売店から出て行く。

〇同・本殿の中
  路壬緒、桐の箱を開けると中に弓と鏃のついてない矢が入っている。
  路壬緒、弓と矢を持って出ていく。

〇同・神社の参拝所
  早苗と宗方が、参拝のところで並んでいる。
  路壬緒、参拝所から離れた建物の影に隠れ、二人を見る。
  そして、呟く。
路壬緒「あれだけ憎んだのに、許せるのか? また愛せるのか?」
  路壬緒、二人を見る。
路壬緒「俺にはそうは思えない。また男に気になる女が現れたら、早苗さんは、また捨てられるのがオチだ」
  路壬緒、ポケットからハンカチを取り出す。
  ハンカチには金の鏃と鉛の鏃がある。
路壬緒「この縁を自然の形に戻す。それが一番二人の幸せに繋がるはずだ」
  路壬緒、矢に鏃を付けている。
  早苗と宗方、賽銭を入れて、鐘をならす。
  路壬緒、それを見て、弓に矢をつけて弓を引く。
  早苗と宗方、柏手を打ち、拝み始める。
  路壬緒、拝んでいる早苗を狙い、そして矢を放つ。
  矢はまっすぐ早苗に向かって飛ぶ。
  しかし、当たる直前に、ジュリエッタが両手を広げて飛んでくる矢と早苗の間に入り、胸で矢を受け止める。
  路壬緒、ハッとする。
  矢は、ジュリエッタに刺さりながらとけて消えていく。
  そして、ジュリエッタは、矢が消えていった胸を押さえ、路壬緒を見る。
  ジュリエッタ、みるみるうちに表情が憎しみの表情に変わり、路壬緒を睨み付ける。
路壬緒「ジュリ!?」
  ジュリエッタ、その場で呟くように、
ジュリエッタ「なぜ……」
  ジュリエッタ、下唇を噛み、苦い顔をする。
ジュリエッタ「どうして?」
路壬緒、呆然と立ちつくしたまま。
ジュリエッタ「どうして、鉛の矢を打ったの!」
  ジュリエッタ、苦悶の表情を浮かべながら、瞳から涙がこぼれ落ちる。
ジュリエッタ「なんで、路壬緒は金の矢を打つことが出来ないの!」
路壬緒「……」
  ジュリエッタ、路壬緒に向かって大声で、
ジュリエッタ「路壬緒なんて、ほんと大嫌い!」
  ジュリエッタ、憎しみの表情を浮かべながら号泣する。
  そして、ジュリエッタはその場から立ち去る。
  路壬緒、一人、弓を持って立ちつくす。

〇高校の教室
  路壬緒、窓の外の方に顔を向けて、机に突っ伏して寝ている。
  ジュリエッタ、自分の席に座って静かにスマートフォンを眺めている。
  久美、ジュリエッタのところにやって来る。
久美「ねぇ、どうなった?」
ジュリエッタ「何が?」
久美「何がって、路壬緒君よ」
ジュリエッタ、表情が曇る。
  久美、ジュリエッタにハガキを見せて
久美「映画の試写会、当たったからあげる。ペアだから路壬緒君、誘って行ってきなよ」
ジュリエッタ「いいよ(断る)」
久美「なんで? これ話題作だし、これなら路壬緒くんも行くよ」
ジュリエッタ、首をふり、
ジュリエッタ「んん、もう路壬緒はいい」
久美「なんで?」
ジュリエッタ「もう路壬緒のこと、考えたくない」
  久美の戸惑いの顔。
久美「……」
ジュリエッタ「あんな薄情で傲慢な奴!」
  ジュリエッタ、語気を強めて、路壬緒にも聞こえるぐらい大声で、
ジュリエッタ「あいつは他人の恋愛を勝手に引き裂こうとした男よ!」
  教室にいる生徒がジュリエッタを見る。
久美、思わず慌てる。
久美「(小声で)ちょっと、ジュリ!?」
  ジュリエッタ、相変わらず大声で、
ジュリエッタ「どうして金の矢が打てないの! なんで鉛の矢を打つのよ! 人の幸せを素直に喜べない路壬緒がむかつくのよ! それを思うとほんと腹が立つ!」
  久美、生徒の視線を受けて、苦笑いをする。
そして、久美はジュリエッタの顔を見る。
  ジュリエッタ、涙を流している。
久美「……ジュリ、なんで泣くの?」
  ジュリエッタ、涙を流しながら怒っていた。
ジュリエッタ「知らない。ただ路壬緒のことになると、腹が立って、どうしても涙が出てくるのよ! 止まらないのよ!」
  ジュリエッタ、泣き顔のまま路壬緒を見る。
  路壬緒、机に突っ伏すように窓の方に顔を向けて寝て、ジュリエッタに背を向けている。
  路壬緒、寝た格好のまま、窓の外の雲を見ている。
  雲はゆっくりと流れていく。
路壬緒M「……俺は間違っていたのか……。あのとき金の矢を打っていれば良かったのか? あんなに憎んでいた男に。そんな愛で良いのか? 大体あの矢は本当に効いていたのか? それでジュリは怒っているのか?」
  路壬緒、机に乗せている腕の中に顔を埋めて、
路壬緒M「そもそも矢を打ったことが間違いだったのか? 愛とは波風越えて形成されていくものなのか? なら俺がしたことはいらぬことだったっていうのか?」
  路壬緒、顔を深く腕の中に埋めて、なげやり気味に小声で、
路壬緒「ああ、わかんねぇ! もう、何もかもわかんねぇよ」
  路壬緒も大声で、
路壬緒「俺には、愛なんてわかんねぇ! 一体、愛ってなんだ!?」
  教室の生徒が、今度は路壬緒を見る。
  路壬緒、両腕を絞り、顔を埋めていく。

〇同・校舎の外観
  チャイムが鳴る。
  ベランダに出ていた生徒も教室に入っていく。

             〈終わり〉




まぁ、面白いの、書くよ。

本も読もう。


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ヤングシナリオ大賞落選作、「路壬緒とジュリエッタ」 第二回

2015-04-13 20:54:30 | ヤンシナ応募作「路壬緒とジュリエッタ」
第二回

〇神社の入り口(夜)
空に月が見える。
あたりはしんと静まりかえっている。
入り口の影に、路壬緒とジュリエッタがいる。
路壬緒「なんで来たんだよ」
  ジュリエッタ、にやけながら、
ジュリエッタ「だって、こういうの初めてだから」
  ジュリエッタ、カバンから飴を出して路壬緒に、
ジュリエッタ「いる?」
路壬緒「お前なぁ、遠足気分じゃぁねぇんだぞ」
  ジュリエッタ、飴を舐める。
  路壬緒、ジュリエッタを一瞥するも何も言わない。
ジュリエッタ「でも、女の私がいた方がいいでしょ?」
路壬緒「何で?」
ジュリエッタ「だって、相手は女性なんでしょ」
路壬緒「たぶんな」
ジュリエッタ「(断言して)なら、私がいた方がいい。路壬緒は女心が全くわかってないから。鈍感だから」
路壬緒「……好きにしろよ」
  二人は、物陰に身を潜めて静かに待っている。
    ×    ×    ×
  夜は更ける。
ジュリエッタ「遅いね。もう三時になるよ? 違うんじゃない」
路壬緒「違くはねぇよ。ただ今日は来ないってことだ」
  ジュリエッタ、意味ありげに、
ジュリエッタ「ま、私は別にいいけど」
  路壬緒、ジュリエッタを一瞥して、
路壬緒「のんきでいいな、お前は」
  すると、ジュリエッタが小さく悲鳴をあげて、路壬緒の袖を引っ張り、小さく神社の入り口を指さす。
  路壬緒、神社の入り口を見る。
  神社の入り口に早苗が現れる。
  早苗、大きなカバンを持っている。
  路壬緒、腕時計を見る。
路壬緒「三時前だ。もっと早く来てくれるとこっちも助かるんだけどな」
  早苗、境内に入り、そして、カバンから小さめの懐中電灯を取り出して、明かりを付けて林の方へ入っていく。
  路壬緒とジュリエッタも、早苗にばれないように後を追う。

〇同・林の中
  早苗、ある木のところまで来ると、懐中電灯がついたまま地面において、バックから藁人形と五寸釘と金槌を出す。
  早苗、懐中電灯を木に立てかけ、下から上に向かって明かりを照らす。
  早苗の顔が下からの光で浮かび上がる。
  ジュリエッタ、離れた距離で見ながら、路壬緒の袖を引っ張り、小声で、
ジュリエッタ「うわぁ、超気持ち悪いんですけど」
路壬緒「(小声で)黙れ」
  早苗、懐中電灯で下からテラされた格好のまま、藁人形を左手に持って、五寸釘をさして、今まさに金槌で藁人形に五寸釘を打ち付けようとする。
そのとき、路壬緒が懐中電灯で早苗を照らす。
早苗、全身を路壬緒の懐中電灯で照らされる。
早苗「え!?」
早苗、路壬緒が照らす懐中電灯の方を見るも早苗には明かりで路壬緒は見えない。
路壬緒、早苗を一喝する。
路壬緒「やめろ!」
  早苗、腰が抜けたようにその場に尻餅をつく。
  路壬緒とジュリエッタが早苗の傍に来る。
  路壬緒、懐中電灯で早苗の顔を照らすと、早苗の目は赤く、涙を流したあとがある。
ジュリエッタ、早苗を見て、
ジュリエッタ「……普通の人だ」
  路壬緒、面倒くさそうに、
路壬緒「当たり前だ」
早苗、驚いた顔のまま。
路壬緒「二回ともあんたがやったのか?」
早苗、小さく観念したかのように頷く。
路壬緒、諭すように、
路壬緒「そんなことして何になるんだよ」
早苗「……だって……だって」
  早苗、号泣。
  傍にいたジュリエッタが路壬緒に言う。
ジュリエッタ「そんなこと言ってもムダよ。路壬緒には失恋した女の気持ち、わからないでしょ」
  ジュリエッタ、しゃがんで恐る恐る早苗の肩に手を回し、優しく包むように抱く。
  そして、路壬緒を見て、
ジュリエッタ「あ、大丈夫だ。やっぱり普通の人だ! 人間だよ!」
  路壬緒、呆れて顔を逸らす。
路壬緒「……」
  早苗、相変わらず号泣している。
路壬緒「こんなところじゃなんだから事務所で話しを聞こうか」
  路壬緒、しゃがみ込む早苗の腕をとって立たせる。

〇同・事務所
  事務所には、路壬緒、ジュリエッタ、早苗の三人がいる。
  三人の前に珈琲の入ったマグカップが置いてある。
  早苗、項垂れ、涙を流しながら、
早苗「だって、彼と結婚したかったのに、彼が突然、家庭に入りたがる女より、外でバリバリ働くキャリアウーマンの方が好きだ、っていって別れようって言ってきたから」
  路壬緒、ジュリエッタ、早苗のいうことを静かに聞いている。
早苗「ずっとずっと、好きだったのに。彼と暖かい家庭を築くのが夢だったのに。いいお嫁さんになるつもりでいたのに」
  早苗、瞳から涙の粒が零れる。
  ジュリエッタ、ティッシュをとって早苗に渡す。
  路壬緒、かける言葉が見あたらず、少し考え込んでから、
路壬緒「でも、藁人形を打ったからってどうにもならないよ。確かにあんたの気は晴れるかもしれないが、相手にとっては痛くもかゆくもない。勝手にやってろ、って感じ」
  路壬緒、覚めた言葉で早苗を突っぱねる。
早苗「……」
  早苗、返す言葉もなくただただ項垂れる。
  ジュリエッタ、そんな早苗を見て、路壬緒に、
ジュリエッタ「冷たいなぁ~。それでも宮司の息子? ここは仮にも恋愛成就の神社なんでしょ。路壬緒は跡継ぎなんでしょ。もっと他にかける言葉ないの?」
路壬緒「後を継ぐかどうかなんて、まだわかんねぇ~し、(早苗をチラッと見て)一体なんて言えばいいんだよ。俺はただ事実を言っただけだ」
ジュリエッタ「でも、その言葉は酷い! それじゃ、早苗さんをふった彼氏と同じじゃない」
路壬緒「でも俺たち高校生だよ。そんな大人の情事に口を挟むことが出来るか?」
ジュリエッタ「ほんと、路壬緒は宮司の息子のくせに、ちっとも信心深くないね」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「兎に角、どうすればいいのか、考えましょう。そして、早苗さんには藁人形を打つのをやめてもらいましょう」
路壬緒「やめてもらいましょうじゃなく、もうやめろよ」
  早苗、項垂れたままコクリと頷く。
  路壬緒、窓の外を見る。
  空が白みかかっている。
路壬緒「もう夜が明ける。今日はこの辺にしよう」

〇高校の教室
  路壬緒、机に突っ伏して寝ている。
  その傍にジュリエッタがいて、路壬緒に話しかける。
ジュリエッタ「ねぇ路壬緒。男って、家庭に入る女より、働く女性の方が好きなのかな?」
路壬緒「さぁ~。早苗さんの彼氏は働く女性に魅力を感じたんだろ。それとも、早苗さんを重たく感じたのか」
ジュリエッタ「路壬緒はどっちが良い?」
路壬緒「ああ?」
ジュリエッタ「家庭に入る女性と、外で働く女性」
路壬緒「さぁ、考えたこともないな」
ジュリエッタ「……」
路壬緒「でも、あの人、意外だった」
ジュリエッタ「何が?」
路壬緒「藁人形を打つような人には見えなかった」
ジュリエッタ「……」
路壬緒「小柄で童顔で幼く見えた。いかにも家庭的って雰囲気がした」
ジュリエッタ「そういうの、好き?」
路壬緒「ああ!?」
ジュリエッタ「いかにも家庭的そうな人」
路壬緒「さぁ」
ジュリエッタ「ふ~ん」
路壬緒「それより、何か妙案は生まれたのか?」
ジュリエッタ「え!?」
路壬緒「何か考えたんじゃないのか?」
ジュリエッタ「いや、別に……」
路壬緒「だろうなぁ~」
ジュリエッタ「……」
路壬緒「何でもかんでも、顔つっこめばいいってもんじゃない。こればかりは早苗さんと彼氏が話し合って決めることだ」
ジュリエッタ「……」
路壬緒「いちいち人の別れ話に顔つっこんでたら、身が持たんよ」
ジュリエッタ「偉そうに。そういう路壬緒は考えたの?」
路壬緒「まぁ、少しはな」
ジュリエッタ「何?」
路壬緒、鼻で笑い、
路壬緒「話すことのほどじゃない」
ジュリエッタ「……」

〇マンションの外観(夜)
  マンションの前に、路壬緒、ジュリエッタ、早苗の三人がいる。
路壬緒「俺たちここで待ってるから、彼氏に一発ぶちかまして何もかも終わりにしよう。何かあったら、呼んでくれればすぐ行くから」
  早苗、苦笑い。
  ジュリエッタ、グータッチするように拳を上げる。
  早苗、もじもじしながらジュリエッタのグータッチに答える。
  早苗、マンションの中に入っていく。
  路壬緒、ジュリエッタに背を向けたまま、
ジュリエッタ「なによ。結局、彼氏にあって一発殴ってこい? 結局、暴力なの? 宮司の息子としてはどうかと思うわ」
路壬緒「じゃぁ、お前は何か思いついたのかよ」
  ジュリエッタ、もじもじしながら小声で、
ジュリエッタ「いや……。まぁ、似たようなもんかな……」
  路壬緒、呆れ顔で、
路壬緒「だから言ったろ。いちいち別れ話に関わっていたら身が持たないって。事件まがいにならないだけ良かったんだよ」
ジュリエッタ「……」
路壬緒「でも、それで早苗さんが吹っ切るきっかけが出来るなら、彼氏も一発ぐらい殴らせるだろ。それでこの件はこれでおしまい。それでいいだろ」
ジュリエッタ「……」
    ×    ×    ×
  路壬緒とジュリエッタ、二人とも待ちくたびれてる。
  ジュリエッタ、スマートフォンを見る。
ジュリエッタ「ねぇ、ちょっと遅くない? 時間かかりすぎじゃないの?」
  路壬緒、マンションを見上げる。
ジュリエッタ「ひょっとして、事件まがいにになってんじゃないの?」
路壬緒「男が愚図ってるのかな?」
  すると、マンションの入り口から早苗が満面の笑みをたやしてやって来る。
ジュリエッタ「どうだった?」
  早苗、はち切れんばかりの笑顔で、はしゃぎながら、
早苗「彼ったらもう一度やり直そうって。俺にはお前しかいないって言ってくれたの!」
  そう言って、早苗、嬉しさで少し飛び跳ねる。
ジュリエッタ「そうなの」
  早苗、笑顔で大きく頷く。
早苗「今までありがとう!」
ジュリエッタ「良かったね!」
早苗「これも二人のお陰よ。ああ、それともあの神社のお陰かな」
  早苗、微笑む。
  ジュリエッタ、早苗につられるように笑顔で、
ジュリエッタ「あそこは呪いの神社じゃなくて恋愛成就の神社だから」
早苗「じゃ、二人は私にとってキューピットだったのね!」
  ジュリエッタ、微笑み、
ジュリエッタ「いや、何もしてないって」
早苗「ああ、でも、今度、彼と一緒にお参りに行くから」
ジュリエッタ「そう」
早苗「彼が久しぶりに私の手料理が食べたいっていうから、私帰るね」
  ジュリエッタ、頷く。
  早苗、ジュリエッタの手を握り、
早苗「ほんと今までありがとう。じゃぁ」
  早苗、路壬緒にも満面の笑みで会釈してマンションに嬉しそうに引き返す。
  路壬緒とジュリエッタ、マンションに戻る早苗を見送る。
  早苗、振り返って笑顔で手を振る。
  ジュリエッタ、それに答えて手を振り返す。
  路壬緒、ただ見てるだけ。
ジュリエッタ「良かったね」
路壬緒「……」
ジュリエッタ「これで、めでたしめでたしだね」
路壬緒「何がめでたしめでたしだよ」
ジュリエッタ「違うの?」
路壬緒「わからないのか?」
ジュリエッタ「何が?」
路壬緒「鈍感だなぁ」
ジュリエッタ「はぁ?」
路壬緒「乙女心はわかっても、男の下心はわからないってことか」
ジュリエッタ「何が?」
路壬緒「おそらく、彼氏は好きなキャリアウーマンにふられたんだよ」
ジュリエッタ「……」
路壬緒「それで結局、自分に良いようになびく早苗さんとよりを戻しただけだ。別にめでたいことじゃない」
ジュリエッタ「そうかなぁ」
路壬緒「百パー、そうだね」
ジュリエッタ「でも、早苗さん、あんなに喜んでたじゃない」
路壬緒「一度ふられておいてか? 藁人形まで作ってあんなに呪ってたくせにか?」
ジュリエッタ「それはそれよ」
  ジュリエッタ、返す言葉に詰まる。
  そして、咄嗟に、
ジュリエッタ「でも、彼氏はきっと、一度別れて、早苗さんの良さがわかったのよ」
路壬緒「そんな綺麗事なわけねぇだろ。早苗さんは元彼に良いように丸め込まれただけだ。そんなこともわかんないのか?」
  ジュリエッタ、仏頂面して、
ジュリエッタ「でも、それは路壬緒の推測でしょ」
路壬緒「推測ってより常識だよ! 元彼のエゴだよ! 好きな女にふられたからって、まだ自分のことを好いてる女とより戻すなんて。俺に言わせりゃ、早苗さんは一発、彼氏をぶん殴って、きれいさっぱり別れた方が良かったんだよ!」
ジュリエッタ「……」
路壬緒「結局、早苗さんは男の口車にまんまと乗せられただけ」
  路壬緒、吐き捨てるように言う。
  ジュリエッタ、路壬緒との意見の食い違いにジレンマを感じて、
ジュリエッタ「ああ、もう! 別にいいじゃない! 好きな人とよりが戻ったんならそれでいいじゃない! 早苗さんも幸せならそれでいいじゃない! それのどこが悪いの?」
路壬緒「悪かぁねぇよ。それでもいいなら、それで結構だよ。ただ、おそらく俺の推測だと、また泣く思いをするな」
ジュリエッタ「何よ、それ」
  ジュリエッタ、口をとんがらせて、
ジュリエッタ「路壬緒は結局、よりが戻ったことが不満なんだ?」
路壬緒「不満じゃねぇよ」
ジュリエッタ「何? もしかして早苗さんのこと、好きなの?」
路壬緒「そんなんじゃねぇよ。ただ俺は早苗さんのことを思って言ってんだよ」
ジュリエッタ「へぇ~。早苗さんのこと思って言ってんだ」
路壬緒「なんだよ?」
ジュリエッタ「どうも路壬緒とは、考えが合わないわ!」
路壬緒「そりゃ、こっちのセリフだよ!」
  ジュリエッタ、仏頂面して帰路につく。
  路壬緒もジュリエッタから離れて帰路につく。
お互い不機嫌な顔をしている。


つづく。

次がラストかな、

まぁ、どうにもならないものを公開して何になるんだろう、とふと思う

そう深く考えず、前に進むために、


そういえば、フジで「She」というドラマがあるが、なんか俺がちょっこし書こうと思っているのに似ている部分がある

ミステリーではないが、

ちょっと見てみるか・・・


コメント

ヤングシナリオ大賞落選作「路壬緒とジュリエッタ」 第一回

2015-04-12 23:05:36 | ヤンシナ応募作「路壬緒とジュリエッタ」
ちょっと、今年応募した作品を保存してあるUSBを見てみた。

「ん~、俺はこういうの好きなんだよなぁ~」

と、思ったが、

あまり良い感想はいただけなかったし、ゼミのときに先生に見せたら、

「あなたは、荒唐無稽、禁止」

とだけいわれて、作品内容に対しては何も言われなかった。

と、

見ていたら、ああ、こんなのあったか

と、落選作「レム」の他に、これはとても公に出来ないものだな←マイナーなブログでもね

でも、みそぎというか、恥のかきすて、ではないが、これも吐いてしまえ、と思い、ブログにのせます。

暇つぶしに読んでいただければ、そして、楽しんでいただければ、幸いです。

まぁ、ちょっこし見れば雰囲気からして、好みか否かはわかるし、

まぁ、これはライトノベルの小説を書いたとき、ちょっと調べたところを使って、全く違うドラマを書いた。




2014年ヤンシナ応募落選作、「路壬緒とジュリエッタ」

第一回


テロップ「18才に愛がわかるだろうか? いや、そもそも人に愛というものがわかるのだろうか?」

〇神社の外観(夜)
  空に月が見える。
  神社は高い木々に囲まれるひっそりと存在している。
  その神社の境内の奥まった処に鍛冶場がある。
  その鍛冶場から石(いわ)刀(と)愛(あい)徳(とく)の怒号が聞こえる。
愛徳の声「ほら、路(ろ)壬(み)緒(お)! もっと身入れてやれ! ダラダラやるとやけどするぞ!」

〇同・鍛冶場内
  鍛冶場には大きな釜があり、鍛冶場内は熱い。
  鍛冶場の端に供物のように金塊と鉛がおいてある。
  石(いわ)刀(と)路(ろ)壬(み)緒(お)(18)と宮司で父の石(いわ)刀(と)愛(あい)徳(とく)(53)が、白いふんどし姿で、高温
の鍛冶場の中で汗をかきながら溶かした金を型に流し込んでいる。
  路壬緒、ボソッとぼやきながら、
路壬緒「ったく、なんで俺までこんなことしなくちゃいけないんだ」
  愛徳、横目で路壬緒を見て、当たり前のことのように、
愛徳「跡継ぎなんだから当然だ」
路壬緒「誰も跡を継ぐなんて言ってない。それに大体うさんくさいんだよ! キューピットの鏃を作るってことがさ」
愛徳、手を止め、
愛徳「またその話しか……」
路壬緒「大体キューピットっていうのは西洋の天使だろ? なら、普通ヨーロッパかどっかだろ? 日本の、しかもこんなマイナーな神社がすることか? 余所行け、余所」
  愛徳、作業を仕始めながら、
愛徳「西洋だろうが、東洋だろうが、神は神だ。グダグダぬかすな! こうしてこの神社がやっていけるのも全てはこの鏃の仕事のお陰なんだ。もっとありがたく思え!」
  路壬緒、苦笑いしながら、
路壬緒「結局そこか」
愛徳「なんだ、不服か?」
路壬緒「不服じゃない。それぐらいわかってる」
愛徳「なら、そういういことだ! わかってるなら、毎回同じ事言うな!」
  路壬緒、鏃を見て、呟く。
路壬緒「破魔矢なら兎も角、キューピットの矢を作ってるなんて、そんな神社、聞いたことねぇーよ。それに大体、コレ、ほんとに効くのか?」
愛徳「そんなこと、私たちには関係ない」
  路壬緒、苦笑いして、
路壬緒「関係ないって。ますますうさんくさいじゃねぇーか」
愛徳「いいんだよ! 私たちは、こうして依頼された仕事を形式にのっとって丁寧にやれば」
  路壬緒、苦笑いして、
路壬緒「形式って」
愛徳「何がおかしい。そもそも神社は形式で成り立っているようなものだ」
  愛徳、手を止め、
愛徳「いや、神社だけじゃない。世界そのものが、形式で出来ているようなものだ。法も儀式も全ては形式だ。人は形式の中で、形式にのとって生きているんだ」
路壬緒「そりゃ、わかるけど」
  愛徳、作業を始め、
愛徳「いいんだよ! お前はいちいち文句が多いんだ! 四の五の言わずに黙って働けばいい!」
路壬緒「はいはい。ようはこの西洋の天使ののお陰で、うちら家族も食いっぱくれなく、ささやかながら食べていけるってことですから」
愛徳「そうだ。それがわかってればそれでいい」
路壬緒、苦笑い。
愛徳「よし、やるぞ! まだ今夜のノルマ、半分もいってないんだからな!」
  路壬緒も、作業を始める。
二人は真剣な眼差しで釜の中で溶かした金を鏃の型に流し込んでいる。
  そして、型に入れた金を冷水が入った浴槽に入れる。
  蒸気が上がる。
  愛徳、額の汗をタオルで拭い、
愛徳「よし、次」
  路壬緒、釜の中で燃えさかる炎の中にある金がとけている釜から尺ですくい、愛徳が押さえている型に流し込む。
  その作業を繰り返ししている。
  それを人の眼には見えない小さなキューピットが数人、翼を広げ、上空から眺めている。

〇同・夜空に月

〇同・神社を取り囲む林の中(深夜)
  矢島早苗(25)、大きめのバックを持って、小さめの懐中電灯をつけて林の中に入っていく。
  早苗の鼻をすする音が聞こえ、目に涙を浮かべている。
  早苗、一本の木のところで立ち止まる。
そして、バックから藁人形を取り出す。
早苗、左手に藁人形を持ち、それを木に押しつけ、右手に五寸釘を持ち、それを藁人形にさす。
早苗、涙を流しながら、苦痛な面持ちで下唇を噛みしめる。
眼に憎悪が宿る。
そして、憎しみの表情そのままに金槌で五寸釘を藁人形に打ち始める。
  憎しみの表情を浮かべ、涙を流しながら、「ウン!」と喉を鳴らしながら何度も何度も藁人形に五寸釘を打ち付ける。
  静寂を打ち消すかの如く、林に金槌の音が響く。

〇高校の教室
  路壬緒、窓側の席で机に突っ伏して寝ている。
  そこにジュリエッタが微笑みながらやって来る。
  ジュリエッタ、愛嬌よく路壬緒に話しかける。
ジュリエッタ「路壬緒」
  路壬緒、顔をあげて、面倒くさそうにジュリエッタを見る。
ジュリエッタ「陽子から遊園地のチケットもらったから一緒に行かない? ここの遊園地、最新のジェットコースターがあるからさ、きっと面白いよ!」
  ジュリエッタ、楽しそうに言う。
路壬緒「俺、いいや」
  路壬緒、机に突っ伏して寝る。
ジュリエッタ「なんで?」
路壬緒「俺、ジェットコースター、興味ない」
  ジュリエッタ、眉間に皺を寄せて頬を膨らませる。
今崎昌生(18)がジュリエッタに、
昌生「俺が一緒に行くよ。ジェットコースター好きだから」
ジュリエッタ「じゃあ、これ昌生君にあげる」
  ジュリエッタ、昌生にペアチケットを手渡し、その場を去る。
  昌生、ジュリエッタの後ろ姿を見てから、寝ている路壬緒を見る。
  昌生、チケットを持ったまま溜息をつく。

〇神社の参拝所
  制服姿のジュリエッタは、お賽銭を入れて手を叩いて拝む。
  真剣に念入りに拝んでいる。
  顔を上げて、
ジュリエッタ「良し!」
  ジュリエッタ、神社の勝手口の方へ行く。

〇同・事務所
  ジュリエッタ、ドアを開けて挨拶をする。
ジュリエッタ「おはようございます」
愛徳「ジュリちゃん。今日、あまりお客さん少ないから路壬緒と一緒に境内の掃除頼むね」
ジュリエッタ「は~い」

〇同・境内
  ジュリエッタ、巫女で箒(ほうき)とちりとりをもって掃除しながら、あたりを見回す。

〇同・林の中
  ジュリエッタ、林の中を歩いていくと、木の陰から伸びた足が見える。
ジュリエッタ、思わず微笑み、忍び足で木の方へ行く。
  そして、突然、顔を出して、木にもたれるように座っている路壬緒に笑顔で話しかける。
ジュリエッタ「ほら、また寝てる」
  路壬緒、かったるそうにジュリエッタを見上げる。
ジュリエッタ「路壬緒って、ほんとところかまわず寝てるよね」
  路壬緒、苦笑いして、
路壬緒「寝てなんかいねぇ~よ」
ジュリエッタ「ウソ」
  といって、路壬緒の足をつま先で小突く。
路壬緒「考えてたんだよ」
ジュリエッタ「何を?」
路壬緒「あれ」
  といって、ジュリエッタの方を顎で示す。
ジュリエッタ「……」
  ジュリエッタ、自分を自分の顔を指さし、そして、その指の向こう、即ち、後ろを見る。
  すると、そこに五寸釘が刺さっている藁人形がある。
ジュリエッタ、思わず驚き、腰を落として、路壬緒に飛びつく。
ジュリエッタ「何これ!?」
  路壬緒、鼻で笑って、
路壬緒「藁人形だよ。そんなことも知らないのか?」
ジュリエッタ「じゃぁ、これってもしかして呪いの人形?」
路壬緒「もしかしなくても、そうなる」
ジュリエッタ「そうなるって、ここ恋愛成就を売りにしている神社でしょ」
  路壬緒、思わず苦笑い、
路壬緒「売りか。まぁ、そうだな」
ジュリエッタ「そうだなって、いいの?」
路壬緒、立ち上がりながら、
路壬緒「良くはないよ。ささやかだけど恋愛成就で何とか食っていってるんだ。こんなもの打たれちゃ、いい営業妨害だよ」
ジュリエッタ「じゃぁ、誰? 誰が打ったの?」
路壬緒「そんなのわからないよ。でも、これ、初めてじゃない。これで二回目だ」
  路壬緒、藁人形を触りながら、
路壬緒「おそらく藁人形の作りといい、打ち付けてる高さからいって、同じ人じゃないかな」
ジュリエッタ「じゃぁ、男? 女?」
路壬緒「まぁ、この高さだと、身長百五十センチぐらいの女じゃないかな。それに、こういうのを神社の木に打ち付けるのって、昔から女性って相場が決まってるんだ」
ジュリエッタ「男憎さに?」
路壬緒「そんなところかな」
ジュリエッタ「じゃぁ、これは憎しみの怨念の固まり」
  ジュリエッタ、眉間に皺を寄せる。
  路壬緒、微笑む。
  路壬緒、藁人形の頭を撫でて、
路壬緒「でも、今のご時世、藁人形っていうのも、なんかかわいげがあるけどね」
ジュリエッタ「……」
  相変わらず、眉間に皺を寄せている。
  路壬緒、藁人形を触りながら、
路壬緒「これで自分の憎しみの感情を自己完結してくれるのなら、ストーカーよりよっぽどマシだ」
  路壬緒、微笑む。
ジュリエッタ「どうするの?」
路壬緒「どうするって、これが続くようだと、うちも困る。とりあえず捕まえてみる」
ジュリエッタ「捕まえるって、そんなこと出来るの?」
路壬緒「日にちはわからんけど、大体来る時間だけはわかる」
ジュリエッタ「来る時間?」
  路壬緒、藁人形の足のところを触って、
路壬緒「これは丑の刻参りって言うんだ。そして、丑の刻といえば、午前一時から三時。だから、その時間に見張っていれば、おそらく犯人はやって来る」


つづく。


と、マイナーなブログでもこんなに作品を出して、何になるんだ

16才で書いたのなら、許せる作品だな←まぁ、今はもう書かないよ、廃案にするから


まぁ、千人いて一人ぐらい、面白いっていわれたいけど、俺のブログは多くて100人だからなぁ~

でも、必ず面白いの、書くよ。


そのために、小説現代長編新人賞と野生時代フロンティアの賞をとった小説を読もうと思う

やっぱ、賞は方向性だからね。

ほんと、一年ちがうとずいぶん違うなぁ~

これも、ある意味、な~んも考えてない作品だったなぁ

まぁ、ライトノベルもどきっぽいのを書いていたからなぁ




ちなみにNHK、サタデースポーツ、サンデースポーツのキャスター、ご結婚された杉浦友紀さん、そして、イケメンの一橋アナ、

なんか、美男美女ってこういうのを言うんだなぁ

羨ましいなぁ



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