令和は楽しく、それは神様の思し召し。

シナリオ載せてます。視聴率低迷の昨今。制作会社の方、映像化しませんか?視聴率?どうなるか?それを実験企画で!ぜひ!

創作テレビドラマ落選作「愛の在り処」 第七回(ラスト)

2017-09-15 07:45:32 | 創作テレビドラマ「愛の在り処」

第七回(ラスト)

 

〇商店街の風景

 

〇同・サンドイッチ倉持・店内

  静江と勇の二人だけ。

勇「自分の将来を考えて久美と結婚する、そんな打算的考えは許さん。そんな考えの男に久美は渡せない」

静江「まだそんなこと言ってるの!?」

勇「お前が変なことをいうからだ」

静江「たとえば、の話でしょう」

勇「たとえば、でもだ! 俺は久美のことが好きで結婚したい。そういう男に久美を嫁に出したいんだ!」

静江「もし、鹿間君がそう言ってきたらどうするの?」

  勇、歯切れ悪く、

勇「それなら、そうだな、認めてやらなくもないが……」

  静江、笑う。

勇「何が可笑しい!」

静江「何言ってんの。私たち、お互い、将来を考えて、お見合い結婚したくせに」

勇「それとこれとは別だ!」

静江「何が別なの?」

  そこへ、朔と久美が入って来る。

朔「お昼、頂きました」

静江「じゃ、私たちも食べに行きましょうか」

  静江と勇が出ていく。

  朔と久美の二人だけ。

  朔と久美、静江と勇が作っていたハムカツに衣をつけている。

  しばらくすると、母A(37)と男の子B(5)の親子連れがカウンター越しに注文してくる。

  母Aは、久美と瓜二つで髪型、化粧が違うだけ。

母A「すみません」

久美「はい」

  久美、店頭に行き接客する。

  朔、ハムにパン粉をつけている。

男の子B「ママ、ハムカツ食べたい!」

母A「ハムカツ?」

  久美、ショーケースを見て、

久美「すみません。いまハムカツサンドは売り切れです。ごめんね」

  久美、男の子Bに謝る。

  男の子B、少しぐずり、母Aの服を掴む。

  朔、それを見ていて、

朔「ハムカツ、ちょっと待ってもらったら出来るよ」

久美、朔を見る。

朔、トレーに載せてあるパン粉のついたハムカツをもって揚げ場に行く。

久美、母Aを見て、

久美「少し待っていただけます? そうすれば出来ますけど」

母A「じゃ、待ちます」

  朔、揚場でハムカツを揚げはじめる。

  久美、テーブルの上でハムカツをサンドするパンの支度をしている。

  朔、揚がったハムカツを久美に渡す。

  久美、手際よく、揚げたてのハムカツをサンドする。

  そして、ソースをつけて、パンで挟み、パンの耳をとり、包装する。

  久美、店頭に持って行き、

久美「熱いので気を付けてください」

母A「すみません」

  久美、笑顔で接客している。

  朔、久美ごしに久美そっくりの母Aを見る。

 

〇朔の想像・サンドイッチ倉持・店内

  久美(37)がカウンターで接客している。

  すると、男の子B(5)が久美の服を掴み、

男の子B「ママ、お腹すいた!」

  久美、ショーケースから玉子サンドとって、しゃがんで、

久美「ご飯前だから、これで我慢して」

男の子B「うん」

  男の子B、久美から玉子サンドをもらって出ていく。

 

〇元に戻る・サンドイッチ倉持・店内

   朔、久美を見て、

朔(N)「そんな人生もあるのかもしれない」

  久美、接客を終えて、お惣菜を作るテーブルにくる。

朔「じゃ、ハムカツ、全部揚げます」

久美「あ、はい」

  朔、ハムカツを揚げる。

  久美、ゆでてあるジャガイモを潰し始める。

  朔、ハムカツを揚げながら、

  朔、背中越しに久美を感じている。

  久美、作業しながら、ぽつりと呟く。

久美「鹿間さんのドラマ、面白いですよ」

朔「……」

  朔、背を向けたまま。

  ハムカツが揚がる音。

久美「私はもっといろいろ読んでみたいけど」

朔「……」

  朔、背を向けたまま。

  ハムカツを油きりに乗せる。

 

〇朔の想像・寝室

  久美が、床に入った男の子Bに朔の書いたドラマ原稿を読んでいる。

久美「はい、今日はここまで」

男の子B「次どうなるの?」

久美「次? 次どうなるかはパパしか知らないわ」

男の子B「パパ、書いてるの?」

久美「一生懸命、考えてるわよ」

  久美、男の子に掛けている毛布を直して、

久美「明日のお楽しみ」

  久美、部屋の灯りを落とし、男の子Bを寝かしつける。

 

 

〇元に戻る・サンドイッチ倉持・店内

  朔、ハムカツを揚げている油の泡を見ている。

朔(N)「夢の中の家族か。……それでもぬくもりを感じることが出来る……」

  油の泡。

  朔、ハムカツを全部、揚げ終わる。

  そして、久美のいるお惣菜テーブルに来て、

朔「ハムカツ、揚げ終わったよ」

久美「あ、はい」

朔「何コロッケ作るの?」

久美「コーンコロッケ」

   朔と久美、穏やかな気持ちで一緒にコロッケを作っている。

朔「親にとって、子供はいくつになっても子供なんだね」

久美「どうしたの?」

朔「社長は久美ちゃんの幸せだけを願ってるってことだよ。だから、あんなことをしたんだ」

久美「そんなんじゃないわよ。普通、あんなバカなことしないわ」

朔「バカなことをしてしまう。それも親の愛なんだよ」

久美「……」

  久美、冷めた目で朔を見る。

朔「何?」

久美「なんかあったの?」

朔「いや」

久美「……」

  朔、口元に笑みを浮かべ、

朔「久美ちゃんも人の親になればわかると思う」

久美「鹿間さんはわかるの?」

朔「(歯切れの悪い言い方で)わかってるとは、いえないかな」

久美「(笑いながら)わからないんじゃん!」

朔「人の親になってないから」

  久美、笑う。

  朔、父に思いを馳せる。

 

〇回想・レンコン畑

  朔を見て笑う康夫の姿。

 

〇元にどもる・サンドイッチ倉持・店内

朔「でも、いつか、わかるようになりたいかな」

  久美、朔を見て、朔の気持ちを察したのか口元に笑みを浮かべる。

  朔と久美、コーンコロッケのタネを丸めている。

 

〇同・サンドイッチ倉持・外

  朔と久美が見える。

  その姿を静江と勇、微笑ましい表情で見ている。

  朔と久美、夫婦に見える。

 

             〈終わり〉

 

こんな人生が手に入るなら、それはそれで幸せなのかなぁ~って、ほっこりしたいのかな。

 

次は、今年の第29回フジテレビヤングシナリオ大賞、一次通過するも、二次落選の作品を公開します。

 

 


創作テレビドラマ落選作「愛の在り処」 第六回

2017-09-14 07:02:21 | 創作テレビドラマ「愛の在り処」

第六回

 

〇居酒屋がんちゃんの店内(夜)

  カウンターと座敷の家庭的が売りの居酒屋。

 

〇同・座敷

  パーテーションで仕切られ、個別になっている。

  美咲、長い髪を垂らしている。

  そして、美咲は封筒を向かいの男に渡す。

  男は、勇。

  勇、封筒か万札を抜いて、美咲に渡して、

勇「ご苦労さん」

美咲「こんなに上手くいくとは思わなかったわ」

  美咲、微笑む。

勇「ブログで『チャンスが欲しい』と言ってる奴を相手にしたんだ。赤子の手をひねるようなものだったんじゃないのか?」

  美咲、微笑む。

美咲「でも、ちょっと可哀想」

勇「これでよかったんだよ。これであいつはもう何も言えない。俺のいうことを聞くはずだ」

美咲「……」

勇「あいつに久美を泣かすようなまねはさせない」

  勇、笑う。

  勇の後ろにあるパーテーションの仕切り。

  その向こうに朔と久美がいる。

  朔、グラスを持つ手が怒りで震えている。

朔(N)「どうしてこんなことするんだ! 畜生! 人を馬鹿にしやがって! 理由はどうあれ、人を騙したことには変わりはないんだ! ただで済むと思うなよ!」

  朔、怒りに震え、目つきが怖くなっている。

  すると、隣から鼻をすする音が聞こえてくる。

  朔、ふと隣を見る。

  久美、声を殺して号泣している。

  朔、号泣する久美を見て驚き、一瞬、怒りが収まる。

朔「……どうして久美ちゃんが泣くの?」

久美「ごめんなさい。父を許して。全て私がいけないの」

朔「……」

久美「父がこんなバカげたことをするのも、全て私に原因があるの」

 

〇川沿いの歩道(夜)

  小さい川。

  朔と久美が川沿いの歩道の欄干にもたれている。

久美「昔、私が二十代だったころ、うちで大学生がバイトしてたの」

 

〇回想・サンドイッチ倉持・店内(昼)

  久美(25)、静江(53)、勇(54)と戸田望(23)が働いてる。

久美(N)「私は彼が好きだった。彼は明るくて私と違い誰とでも気さくに話せて、あの気難しい父も彼を気に入っていたわ。母は私の気持ちを察して、よく冗談で彼にサンドイッチ屋の亭主になれば、とそれとなく言っていた。それに彼もまんざらじゃい態度をとってくれていた。そんな彼に私は夫婦になるのを夢見ていたの。それは私だけじゃない。父も母もみんなで夢見ていた」

  四人で和気あいあいと仕事をしている。

 

〇回想・銀座の風景(昼)

久美(N)「でも今思えば、それは、どんな人にも優しく、気を配る彼の人柄」

  久美と朔と静江は家族で銀座に遊びに来ていた。

  久美、ふと建物の入口を見ると、望と美女(23)が仲睦まじく建物の入口から出てくるも久美には気が付かない。

  久美、不味いところをみたと思い、前を向くと静江も勇も望と美女を見ていた。

久美、勇と静江が失望している姿を見る。

久美(N)「現実を知ったとき、自分たちが夢見ていたものが勝手な妄想だったと気づいたとき、家族全員、落胆したわ」

 

〇元に戻る・川沿いの歩道(夜)

  久美、川を見ながら、

久美「特にお父さん、すぐ真に受けるでしょう」

朔「……」

久美「鹿間さんとのことだって、私が結婚するものと勝手に想い込んで。ほんとバカなのよ」

朔「……」

久美「いつまでたっても変わらない。家族全員で妄想の上にある幸せを見ている。可笑しいでしょ」

  久美、情けない顔をして微笑んで見せる。

朔「……」

朔、久美の横顔を見ている。

久美「お父さんは、鹿間さんのことが嫌いでこんなバカなことをしたんじゃない。ほんと、ごめんなさい」

朔「……」

 

〇朔の住むアパートの外観(夜)

 

〇同・部屋

  朔、机に肘をついて自問自答する。

朔「妄想の上の幸せを見ているのは、僕も同じだ。みんな必死に幸せを手に入れようともがいている。……娘の幸せを願う親の気持ちか」

 

〇回想・居酒屋がんちゃん・座敷

勇「あいつに久美を泣かすようなまねはさせない」

 

〇元に戻る・部屋

  朔、思わず吹き出し、

朔「なんてことはない。僕と久美ちゃんとの結婚を誰よりも想い込んでいたのは、ほかならぬ社長だったんだ」

 

つづく。

 次でラスト。

 

 


創作テレビドラマ落選作「愛の在り処」 第五回

2017-09-13 07:45:18 | 創作テレビドラマ「愛の在り処」

第五回

 

〇街

  朔、美咲の名刺を見ている。

名刺には株式会社五右衛門NETの住所が書いてある。

  美咲の電話の声を被せる。

美咲の声「そのメールを送ってるのは弊社の元従業員です。その者は弊社の女性社員とトラブルを起こし解雇されました。その腹いせに嫌がらせをするようになりまして、今、対処しているところです。もしご心配でしたら弊社に来てもらえれば色々お分かりになると思いますがいかがですか?」

  朔、足を止め名刺を見る。

美咲の声「ではお待ちしてします」

  朔、足を止めた場所の前を見る。

  朔の手から名刺が落ちる。

  朔の前にある建物は、スーパー銭湯五右衛門。

朔「え!?」

  看板に『名物、熱湯!五右衛門風呂』と書いてある。

朔、慌ててスマホで電話をする。

メッセージ「おかけになった電話番号は現在使われておりません」

朔「ええ!?」

  銭湯から湯上りの二人の年配の客が出てくる。

客A「やっぱ五右衛門の熱湯風呂はくるねぇ。釜茹でになっちゃうよ」

客B「どう、一杯飲み行く」

客A「行こうか」

  去っていく客。

朔「……NET。……熱湯!? 何、ダジャレ!?」

  朔、ただ呆然と立ち尽くす。

 

〇サンドイッチ倉持の外観

 

〇同・店内

  朔、久美、静江、勇がいる。

勇「NETと熱湯」

  勇、高笑い。

  朔、勇の前で項垂れている。

勇「どうも話がうますぎると思ったらそういうことか?」

朔「すみません」

勇「なんか怪しいんじゃないかと思っていたら、やっぱりそうだったか!」

朔「……」

勇「それにしても、お前もよく、そんなネットからきた素性もあてにならんものを信じたな? 怪しいとは思わなかったのか?」

  朔、小声を絞り出して、

朔「プロになれるチャンスが掴めるならと、それしか見えてませんでした」

勇、呆れた顔をして、吐き捨てるように

勇「バカかお前は!?」

朔「すみません」

  朔、目に涙を浮かべる。

久美「……」

静江「あなた。もうこれぐらいでいいじゃない」

朔「ほんとすみません。借りたお金は、必ずお返しします」

勇「当たり前だ!」

朔「……」

勇「あきれてものが言えんな」

朔「すみません……」

  朔、終始項垂れ、泣いている。

久美「……」

 

〇商店街の風景(夜)

  ほとんどのお店はシャッターが下りている。

  開いているのはチェーン店の牛丼屋。

 

〇同・サンドイッチ倉持の外観

  久美、シャッターを閉めている。

 

〇同・店内

  朔、洗い物をしている。

久美、洗い物をしている朔の後ろ姿をみる。

肩を落として寂しく見える。

久美「鹿間さん」

  朔、久美を見る。

久美「時間ありますか?」

 

 

つづく。

 

 


創作テレビドラマ落選作「愛の在り処」 第四回

2017-09-12 07:48:23 | 創作テレビドラマ「愛の在り処」

 第四回

 

〇サンドイッチ倉持の外観(朝)

 

〇同・店内

  店内には朔、久美、静江、勇がいて、久美と静江はお惣菜を作るテーブルにいて、勇は揚場にいる。

朔「これ、おみあげです」

  朔、レンコンが沢山入っているビニール袋を渡す。

静江「あ、レンコン」

朔「はい。うちで作っているレンコンです」

静江「実家に帰ったの?」

朔「ええ、ちょっと顔出しに」

久美「……」

    ×    ×    ×

  朔、久美、静江の三人はお惣菜を作るテーブルでサンドイッチにはさむ具材を作っている。

  朔、元気がない。

  静江、朔の顔を見て、

静江「実家で何かあった?」

朔「どうしてです?」

静江「なんか浮かない顔してるから」

朔「……」

久美「……」

勇「……」

  朔、言いづらそうにして、

朔「実は、先日、僕のブログにメールが届きました」

静江「……」

朔「なんでも僕のブログに掲載している作品を読んで、ぜひドラマにしたいという申し出があったんです」

  勇も背中越しに聞き耳を立てている。

静江、パッと明るく、

静江「良かったじゃない!」

朔「ええ。でも、ドラマにするにあたって出資してほしいと」

静江「お金とるの?」

朔「なんのネームバリューもない素人の作品をドラマにするから……」

静江「いくら?」

  朔、言いづらそうに、

朔「……三百万」

  静江、驚き、

静江「三百万!?」

朔「でも、とりあえず手付金として三十万でいいそうです」

静江「三十万……」

勇「……」

  朔、清々しい顔をして、

朔「でも、辞めることにしました」

静江「やめちゃうの?」

朔「はい。もういいんです」

静江「そう。なんかもったいない……」

久美「……」

  突然、勇が朔の方を向かず、とんかつを揚げながら、

勇「それでレンコンか?」

朔「……」

勇「実家に金借りに行ったけど、借りれなかったってことか」

朔「いや、それだけではありません。なんかもういいかなっと思って」

  勇、とんかつを油切りの上に乗せる。

  勇、朔の方を向いて真顔で、

勇「ほんとにいいのか? 未練はないのか?」

朔「……」

勇「せっかくのチャンスなんだろ? チャンスを得るために二十年やってきたんだろ?」

朔「……」

勇「金がないからって、それで辞められるのか? もう終わりに出来るのか?」

朔「……」

勇「今までの努力が、全て水の泡になるんだぞ。それでもいいのか?」

朔「……」

  朔、痛いところをつかれ、表情が曇る。

勇「……出してやるよ」

朔「……」

勇「金は俺が出してやるよ」

朔「……」

勇「勿論、貸だ! それでお前の夢が叶うのなら叶えてみろよ!」

朔「いや、でも」

勇「遠慮するなよ。プロでやっていく自信、あるんだろ? ないのか?」

朔「あります」

勇「なら、やってみろよ。先行投資だ。有名になって、うちの店を宣伝してくれよ」

朔「勿論、プロになったら」

勇「プロになったら? 弱気だなぁ。そんな弱気な奴に金は貸せんな」

朔「……」

勇「なるんだろ!」

朔「なります」

  朔、啖呵切る。

勇「よし、なら貸してやる。いいよな?」

  といって静江を見る。

静江「……」

  お金のことだけに、なんとも返事しがたい顔をしている。

勇「こっちもそんな大金すぐには用意できんから、その手付金の三十万でいいよな」

朔「いいんですか?」

勇「いいよ」

朔「なんか、ほんと、すみません」

勇「感謝しなくていいよ。こっちもお金を貸すんだからプロになってもらわなくちゃ困る」

朔「はい」

勇「万が一、プロになれなかったら、働いて返せよ」

朔「はい。必ず返します」

 

〇商店街の風景(夜)

  ほとんどのお店はシャッターが下りている。

 

〇同・サンドイッチ倉持の外観

  久美、シャッターを閉めている。

 

〇同・店内

  朔、洗い物をしている。

  そこへ勇がやってくる。

勇「ほれ、三十万」

  勇、朔に三十万の入った封筒を渡す。

朔「すみません」

  朔、深々とお辞儀をする。

  勇、小声で呟くように、

勇「プロになったら、お前はここを出ていくんだよな?」

朔「……」

勇「いいじゃないか。俺は心から祝うぞ!」

朔「……」

  勇、朔の肩を叩いて、

勇「頑張れよな!」

朔「はい」

 

〇喫茶店内

  美咲、封筒の中に入っている三十万を確認している。

朔「……」

美咲「確かに。早速、ドラマ作りに着手させていただきます」

朔「お願いします」

  遠目から見た朔と美咲。

 

〇朔の住むアパートの外観(朝)

 

〇同・部屋

  朔、目が覚めて布団から起きる。

  ノートパソコンを操作する。

  朔、メールチェックをする。

朔「ん?」

  匿名のメールが届く。

  朔、メールを読む。

『株式会社五右衛門NETという会社からメール来ていませんか? 五右衛門NETは、シナリオのプロを目指している方をカモにしている詐欺集団です。もしメール等、コンタクトがありましたら、ご注意ください。あなたは狙われてます』

朔「は!?」

 

つづく。


創作テレビドラマ落選作「愛の在り処」 第三回

2017-09-11 07:46:40 | 創作テレビドラマ「愛の在り処」

第三回

 

〇レンコン畑(茨城県)の風景(正午前)

  大きな蓮の葉が一面に広がっている。

農家が胴つき長靴を履いて、水田に浸かり、レンコンを収穫している。

 

〇朔の実家の外観(正午前)

  鹿間康夫(78)、鹿間新(あらた・47)が軽トラックにのって帰ってくる。

 

〇同・居間(正午前)

  居間のちゃぶ台に、朔、母の和子(73)、兄嫁の真紀(36)、姪の奏多(かなた・3)がいる。

  真紀がお昼ご飯のおかずをちゃぶ台に運んでいる。

  朔、奏多を抱っこしている。

朔「奏多ちゃん、いくつになった?」

奏多「さんさい」

  といって指三本立てる。

  そこへ、康夫が入って来る。

  康夫と新が居間に入って来る。

康夫、朔を見るなり、

康夫「お、珍しいな。金でもたかりに来たか?」

朔「(図星も)そんなんじゃないよ!? たまたま近くまで来たから寄っただけだよ」

  康夫もちゃぶ台につく。

康夫「まだやってんのか?」

朔「うん」

康夫「プロになったのか?」

朔「いや」

康夫「なんだ、まだプロになれんのか? 俺が生きてるうちになれるのか?」

朔「……」

康夫「じゃ、結婚は?」

朔「いや、それも」

康夫「それもダメか? お前も四十過ぎたろ。まだ結婚も出来んのか?」

和子「あなた!」

  和子、康夫を制す。

康夫「おいおい、プロになれなくてもいいから、せめて俺が生きてる間に孫の顔を拝ませてくれよな」

朔「……」

和子「お父さん! もう、その辺にして!」

康夫「お前も昼飯食ったら、畑手伝え」

朔「いや、俺帰るよ」

康夫「いいから手伝え!」

朔「……」

  真紀、料理を並べて座る。

康夫「じゃ、頂くか」

 

〇レンコン畑

  車道に軽トラックが止まっている。

  蓮の葉が一面に広がっている。

  その一角で康夫、新がレンコン畑で水堀りでレンコンを収穫している。

  朔は水田の泥に足をとられ、もがいているだけで、康夫や新に近づけない。

康夫「朔、遊びに来たんじゃねぇぞ!」

朔「(呟く)そんなこと言ったって!?」

  朔、水田の泥に足をとられ、水田に倒れてしまう。

康夫「溺れるなよ!」

  康夫、笑う。

 

〇茨城の駅前(夕暮れ)

  軽トラックの運転席に新、助手席に朔がいる。

  軽トラックが駅前につく。

  新、朔に封筒を渡す。

新「これ、親父から」

朔「何?」

新「バイト代」

朔「……」

新「親父は相変わらず口悪いけど、お前のことが心配なんだよ」

朔「……」

  朔、封筒とレンコンの入ったビニール袋を持って助手席を出る。

朔「親父のこと、頼むわ」

新「お前も、体に気を付けてな」

  朔、駅に向かう。

 

〇常磐線の車内(夕暮れ)

  朔、封筒の中身を見る。

  万札が五枚、入っている。

朔「(呟く)……たまんねぇな」

  朔、目頭に熱いものがこみ上げてくる。

  朔、封筒をしまう。

朔(N)「辞めよう。もう終わりにしよう」

 

〇同・常磐線が走る風景(夕暮れ)

 

つづく。

 


創作テレビドラマ落選作「愛の在り処」 第二回

2017-09-10 11:28:50 | 創作テレビドラマ「愛の在り処」

 

第二回

 

〇朔の住むアパートの外観(朝)

 

〇同・部屋

  朔、目が覚めて布団から起きる。

  ノートパソコンを操作する。

  朔、メールチェックをする。

朔「ん?」

  朔、メールを読む。

『はじめまして、株式会社五右衛門NETメディア部門の岡田と言います。鹿せんべいさんのブログに掲載されているシナリオ読ませていただきました。とても興味があります。ぜひ一度お会いしたいのですがいかがでしょうか? もしよろしければ返信頂けますか?』

  メールの下に『株式会社五右衛門NETメディア部門 岡田美咲』と書いてあり、五右衛門NETの住所も書いてある。

  朔、メールを読み終えて、

朔「ん!?」

 

〇喫茶店の外観

  朔、喫茶店に入っていく。

 

〇同・店内

  朔、ウェイターに連れられていく。

  連れられてきた席に、岡田美咲(32)が席に座っていて、朔を見るなり、席から立つ。

  美咲、長い髪を後ろで束ねている。

美咲「鹿間さんですか?」

朔「はい」

美咲「はじめまして。株式会社五右衛門NETの岡田です」

  美咲、朔に名刺を渡す。

美咲「どうぞ」

  といって席をすすめる。

  朔、美咲の向かいの席に座る。

    ×    ×    ×

  テーブルに珈琲が置いてある。

美咲「今度、弊社でドラマのネット配信を考えております。そして、どうせやるなら作家も既成の作家ではなく、まだ世に出ていない新人の方でやっていきたいと思いまして、それで鹿間さんのブログで公開されている作品を見て、お声をかけさせていただきました」

朔「はぁ」

美咲「いかがですか? うちでやってみませんか?」

朔「いやぁ、それは、願っても無いことで。 もし、やっていただけるのならぜひやってみたいです! 自分も自分のシナリオが映像という形になるところが見たいし」

美咲「そうですか! それは良かった」

朔「いや、こちらこそ。ありがとうございます!」

美咲「鹿間さん。それでちょっと相談なのですが、私たちも既成の作家ではない新人の方をあえて採用するので、それなりにリスクがあります。そこで鹿間さんに幾らか出資して頂きたいんですが」

朔「え!? 出資ですか?」

美咲「ネームバリューのない方をあえて採用しますので、そのようにしております」

朔「……いくらですか?」

美咲「三百万円になります」

朔「三百万!?」

美咲「制作資金はその何十倍です。三百万はある意味、全身全霊をかけて挑んでほしいという意味合いで出資して頂くようなものです」

朔「……」

美咲「ドラマはネット配信ですからSNSで話題になれば、その波及効果は絶大です。それはおわかりになりますよね」

朔「ええ」

美咲「それで視聴されれば勿論、鹿間さんに著作権料が入ってきます。多くの人が視聴すれば、それだけ鹿間さんのもとに入ります。そうなれば出資金どころかそれ以上の金額が鹿間さんのもとに入ります」

朔「……」

  朔、そそられるものがある。

美咲「でも、お金よりも何より大切なのは、これがメジャーへの大きな足掛かりになるかもしれないということです。二十年、そのチャンスを求めてやってきたことを考えれば、これは鹿間さんにとって大きなチャンスだと思います。そうじゃありませんか?」

朔「確かに」

美咲「こんなチャンス、二度とあるモノではないと断言できます!」

朔「……」

美咲「どうです? プロでやっていく自信、ありませんか?」

  美咲、朔がブログで書いた言葉を引用した殺し文句をいう。

朔「自信はあります。ただお金が」

美咲「そうですね。いきなり三百万と言われてもそんな大金、出せるものじゃありません。ですから手付金として三十万頂ければ、こちらも鹿間さんの作品のドラマ化に着手したいと思います」

朔「三十万ですか?」

美咲「いかがです? ほんとこんなチャンス、正直、一生に一度あるかないかだと思います。二十年やってきてチャンス一つ得られなかったことを考えればやってみる価値はあると思いますよ」

朔「そうですね」

美咲「私も鹿間さんの作品を読ませていただいて面白いと思ったから、お声をかけさせていただきました」

朔「……」

美咲「これがヒットすれば次からは、うちが鹿間さんにギャラを払って脚本を依頼するようになります。いかがです? やってみませんか?」

朔「(唸って)やってみたいのは山々なのですが、やはりお金が」

美咲「そうですか」

朔「……」

美咲「一応、他の方にも同じ内容でコンタクトをとっていますが、私としてはぜひ鹿間さんにやってもらいたいです。鹿間さんにはネット配信ドラマでデビューしていただき、弊社が発掘した人気脚本家になってもらいたい」

  美咲、朔を見つめる。

朔「ちょっと考えさせてくれませんか」

美咲「わかりました。いい返事をお待ちしています」

  遠くから朔と美咲の姿。

 

〇朔のアパートの部屋(夜)

  朔、胡坐をかいて頬杖をつきながら、ノートパソコンの自分のブログ「鹿せんべい」を眺めながら、独り言をつぶやく。

朔「このチャンス、ものにしたい。チャンスを得るためにブログで作品を公開してきたんだ。なんとしても掴みたい。けど、お金が」

  朔、仰向けに寝そべる。

 

 つづく。

 

昨日、TBSの体育会系TVを見た。

サッカー日本代表の川島選手が変装して、サッカー少年の前に現れて、サプライズをする企画(覆面企画)だが、

なんか、いいよね。

サッカー少年に夢を与えられる人って羨ましい。

見ていて思わず感動の涙

なんか、スポーツってひたむきでいいな

 

 


2017年、創作テレビドラマ落選作「愛の在り処」 第一回(全七回)

2017-09-09 09:05:57 | 創作テレビドラマ「愛の在り処」

もうコンクールは、お遊び、俯瞰した立場にいるために、

又、やはり陽の目を見ないというのは寂しいものがある。

ので、マイナーではあるが、ここで陽の目を、

ちなみに他の応募者は落選作は、審査員にしか見られないで終わりで終われるのかな

やはり前に進むには、過去をすっぱり断ち切る

心機一転、デトックス、俯瞰、のために創作テレビドラマ、ヤンシナに応募した二作品を続けて公開します。

俯瞰している立場だけど一応今年のテレ朝、来年のヤンシナに向けて(作品はもう出来上がっているので)、読書隊が出来たらいいなぁとも思っているので、

 

 

「愛の在り処」第一回

 

〇朔のアパートの部屋(夜)

  六畳一間の部屋(1K)

  鹿間朔(44)、胡坐をかいて、ノートパソコンを見ながら、マウスをゆっくりスクロールしている。

朔(N)「プロのシナリオライターになる。それは絶対叶えなければならない夢、いやノルマ。なぜなら、そのノルマを叶えない限り、僕の人生は始まらないから」

  朔、マウスをゆっくりスクロールしている。

  そして、手が止まる。

  朔、固まってしまう。

  マウスを持つ指が震えている。

 

〇団地の久美の部屋(夜)

  部屋の中は真っ暗。

  倉持久美(37)、机の椅子に座ってノートパソコンを見ている。

  久美の顔を、パソコンディスクの明かりが照らしている。

  久美、頬に手を当て、ジッとパソコン画面を見ている。

 

〇商店街の風景

  アーケードのある商店街。

  アーケードにある時計は12時45分。

 

〇同・サンドイッチ倉持の外観。

  サンドイッチ倉持は店頭販売のお店。

  ショーケースにサンドイッチやお総菜パンが並んでいる。

  久美、店頭で接客をしている。

  お客にお釣りを渡して、

久美「ありがとうございました」

 

〇同・店内

静江「はい、久美」

  倉持静江(65)、包装されたサンドイッチがのっているプレートを久美に渡す。

  朔、お惣菜を作るテーブル(下が冷蔵庫)の上でポテトサラダを作っている。

倉持勇(66)、揚場でハムカツを揚げている。

  静江、朔と一緒にお惣菜を作る。

朔「……ホームページで発表がありました」

  久美、ピクッとする。

  勇、さりげなく聞き耳を立てる。

静江「どうだった?」

  朔、苦笑いを浮かべ、

朔「また落ちました。いつもの一次落ちです」

静江「(トーンダウン)そう」

  勇、ハムカツを揚げている。

朔「結構、自信あったんですけど」

静江「私は、ドラマのことはあんまりよくわからないけど、久美は読んで面白かったって言ってたのに。ね、久美」

久美「ん、うん」

  久美、顔だけ横に向けて返事をする。

静江「なんか、残念」

朔「すみません。応援していただいてるのに」

静江「いいのよ、そんなこと。また次、頑張ればいいじゃない」

朔「いえ、もう潮時なのかなぁ~て」

静江「止めるの?」

  久美と勇、朔と静江に背中を向けたまま聞き耳を立てている。

静江「どうして!? 面白いドラマ、書いてるんでしょ?」

朔「いや、なんか落ちるのは、面白いドラマとかそういうものじゃなく、年齢でおちてるんじゃないかと……」

静江「年齢? 何それ? ドラマに年齢なんて関係あるの?」

朔「いや、書き手としては、四十四才って、結構いってると思うんですよね。僕と同い年、いや年下の人が大河や朝ドラ書いてますし。そう考えると新人としては四十四才というのは無しなんじゃないかと……」

静江「そうかなぁ。私、テレビドラマを作る人の年齢なんか、気にしたことないけど。面白ければいいんじゃないの?」

朔「……(返す言葉がない)」

静江「うちだって、お客さんは私たちの年齢で決めてるわけじゃない。美味しいか美味しくないかで決めてると思うわ」

朔「……(返す言葉がない)」

静江「別に年齢は関係ないよ。たとえばお寿司屋さんだって、若い子が握ってるより、ベテランのお年寄りが握ってる方がなんか美味そうでしょ」

朔「……でも、たとえば、このお店に奥さんより年配の人が新人として働きに来たらどうです? やりにくくありませんか?」

静江「そうねぇ~。そう考えるとやりにくいかもしれないわね」

朔「僕は賞味期限切れなんだと思います」

静江「……(返す言葉がない)」

  久美も勇も背中を向けたまま、動けないでいる。

朔「ほんと長いこと応援してくれて、ありがとうございました。励みになりました」

静江「そう。なんか残念」

朔「いえ、奥さんに言って、心がスッとしました。決心がつきました」

静江「でも、辞めてどうするの? 就職だって難しいでしょ?」

朔「そうですね。でも、なんか探します」

静江「結婚は?」

朔「(苦笑いして)就職よりも難しいです」

静江「じゃ、いっそうちに永久就職しない?」

朔「え」

静江「鹿間君、真面目に働いてくれるし、前々から久美と結婚してくれたらいいかなぁと思っていたのよ」

  背中越しで聞いていた勇の頭が横に動く。

  久美、振り向いて

久美「ちょっと母さん!?」

静江「何? いいじゃない。本当のことよ」

  静江、朔を見て、

静江「どう? サンドイッチ屋の旦那じゃ、不服?」

朔「不服も何も、久美ちゃんにだっていろいろあるから」

静江「何もないわよ! ここで働いていたって出会いなんてないんだから」

久美「……(返す言葉がない)」

朔「いや、でも」

静江「ちょっと、考えてみて。鹿間君が久美と結婚してくれると安心できるな。それにドラマ作りだって今まで通り続けることも出来るんだから」

朔「いや、ドラマはいいです」

静江「なんで? 結婚したら書く内容も変わるんじゃない? ドラマって人生の縮図なんでしょ? 色々経験した方が引き出しが増えるんでしょ」

朔「……(返す言葉がない)」

静江「ちょっと考えてみて。私は久美と鹿間君が一緒になるの、賛成だから」

朔「……」

久美「……」

静江「二人でお昼、食べてきな」

  朔、久美を見る。

  久美も朔を見る。

  二人ともエプロンを外して出ていく。

  静江、出ていく二人を見送る。

  店内は静江と静江に背を向けている勇だけ。

静江「二人でこの店ついでくれると嬉しいな。そして孫なんか出来ちゃったら最高だわ」

勇「俺は反対だからな!」

  静江、勇の背中を見る。

静江「どうして?」

  勇、頭だけ静江の方を振り向いて、

勇「バカか、お前は! もう忘れたのか?」

 

〇同・中華屋の店内

  朔と久美が向かい合って座っている。

久美「お母さんが変なこと言ってごめんね」

朔「いいよ。僕のことを思って言ってくれたんだと思う。逆になんか変な気使わせちゃってごめんね」

久美、首を振る。

  定食屋のおばちゃんが定食を持ってくる。

  二人とも箸入れから割り箸をとる。

 

〇サンドイッチ倉持・店内

勇「それじゃ、鹿間君は何か? 自分の将来のために久美と結婚するのか? 久美は奴の人生の保険か? 自分の夢が叶わなかったからって久美と結婚させる? そんなの俺は許さんからな!」

静江「何言ってんの! そんなんじゃないわよ! そんなひねくれた考えしないで!」

勇「俺はひねくれてないぞ! お前の話を聞いてると、どうにもそう聞こえてくるだ!」

静江「もう、ほんとわからずや!」

勇「ああ、わからんね! わかりたくもない!」

 

〇同・店の外

  朔と久美、店先で立ち尽くしたまま勇と静江の口論を聞いている。

朔「……」

  久美、ショーケースの前まで来て、

久美「ちょっと止めてよ! 外まで聞こえるてるよ!」

  勇、ショーケースの前まで来る。

久美「何よ?」

  勇、朔を見る。

朔「……」

勇「そんな打算的な結婚、俺は許さんからな!」

久美「何言ってんの!?」

  静江、勇を後ろに引っ張りながら、

静江「いいのよ、鹿間君。この人のいうこと、聞かなくて」

朔「……」

勇、静江に押されて店の奥へ連れてかれるも店の外までわざと聞こえるように、

勇の声「俺は許さんからな!」

朔「……」

久美「ほんとごめんさい」

朔「いやぁ……」

 

〇朔の部屋内(夜)

  朔、ノートパソコンで入力している。

  画面はブログの投稿画面で『鹿せんべいの、それでシナリオ書いてます』のタイトルが見える。

 

〇団地の外観(夜)

 

〇同・倉持家の団地の玄関

  勇、靴を履いている。

  静江が部屋の奥から呼び止める。

静江「どこ行くの?」

勇「ん? 飲みに行ってくる」

静江「もうすぐご飯よ」

勇「今日は飲みてぇんだよ!」

静江「いつも飲んでるじゃない」

  勇、出ていく。

 

〇同・久美の部屋(夜)

  久美、ノートパソコンを見ている。

  画面に『鹿せんべいの、それでもシナリオ書いてます』というタイトルのブログを見ている。

  ブログに『鹿せんべい、今回の落選を機に、二十年やってきたシナリオから卒業することにしました。プロでやっていく自信はありますが、どうも僕にはことごとくノーチャンスだったみたいです。年も年だしそろそろ潮時かな、いや、潮時を過ぎたかもしれませんが、辞めることを決心しました。今まで応援してくれた方、ほんとにありがとうございました』と書いてある。

久美「……」

 

つづく。

 

なんか身につまされる内容なんだよね