Opernring
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2013年1月3日
旅の終わりの日の朝が来ました。
今日は一日、ウィーンの街で過ごします。
ウィーン西駅前のInterCityHotelを早めにチェックアウトして、フロントに荷物を預かって貰い、
そのまま手ぶらでUバーン(地下鉄)3号線に乗り込みます。
数駅先のシュテファンスプラッツ駅で下車して、地上に登ると…
目の前にゴシック様式の大聖堂がそびえ立っています!
ウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂です。
12世紀の創建以来、実に800年以上に渡る歴史を持つシュテファン大聖堂。
この大聖堂を中心としたウィーン市内の一帯は「ウィーン歴史地区」として世界遺産にも登録されています。
大聖堂の中に入ってみましょう。
何と、大聖堂の中は極彩色に照らしだされています。
これには、余りのけばけばしさに一瞬たじろぎました。
新年の記念ライトアップなのかも知れませんが、ちょっと毒々しいですよねぇ…
でも、大聖堂の中ではド派手な照明を気にするでもなく静かに朝の礼拝が行われていました。
ここシュテファン大聖堂では、かつてモーツァルトの葬儀も執り行われています。
僕も大作曲家と、そして自分の祖先を偲んで、敬虔な善男善女の方々の後ろでそっと祈りを捧げさせて戴きました。
シュテファン大聖堂で朝のお祈りを済ませたら、ケルントナー通りを歩いていきます。
10分も歩くと、チョコレートケーキの「ザッハトルテ」 で有名な喫茶室がある老舗ホテルSacher(ザッハー)が見えてきます。
朝のお茶とザッハトルテを楽しみたい誘惑に駆られますが男一人ではさすがに入るのを躊躇してしまい、
喫茶室の窓辺で楽しげに語らう人々を横目で見ながら進んで行きます。
トラム(路面電車)の走る大通りに行き当たります。オーパンリンク通りです。
そして、この大通りに面して建つ壮麗な建物こそ…
ウィーン国立歌劇場です!
数々の栄光に彩られた世界最高峰のオペラハウスであり、
グスタフ・マーラーやリヒャルト・シュトラウス、ヘルベルト・フォン・カラヤンや近年では小澤征爾といった
綺羅星の如きマエストロたちが音楽監督として名を連ねる音楽の都の殿堂。
ここで毎夜繰り広げられる華やかなオペラの舞台と煌めく音楽は、世界中の音楽ファンの憧れの的であり、
夢の世界そのものなのです。
そして今夜、僕もその夢の世界へと旅立つのです!
今回の旅で三回目の、そして最後のオペラ観賞はウィーン国立歌劇場。
世界最高峰のオペラハウスで、旅の最後を華やかに締めくくります。
今夜のチケットは勿論、事前に公式Webサイト経由で予約してありますが、
ウィーン国立歌劇場では予約したチケットを事前に窓口まで受け取りに行く必要があります。
今朝、早めにホテルを出たのは、朝一番でチケットを受け取っておきたかったからなのです。
オンラインのEチケットを自宅でプリントアウトして持って行けばそのまま入れたハンガリー国立歌劇場やプラハ国立歌劇場に比べるとちょっと不便ですが、
事前にオペラハウスの外観を下見して期待を膨らますことが出来るので、これはこれで乙なものかも知れませんね。
ウィーン国立歌劇場の裏口、オーパン小路にある国立チケットハウスで無事に今夜のチケットを発券して貰い、
気が楽になったところで、
オーパンリンク通りから地下に潜ってカールスプラッツ駅からUバーン3号線に乗り込み、
すぐ隣りのムゼウムクォーティア駅で下車。
ここはムゼウム(Museum)という駅名の示す通り、世界第一級の博物館や美術館がひしめく一画です。
その博物館美術館群の中で、今日はここに狙いを定めました。
ウィーン美術史美術館。
世紀末ウィーン美術やモダンアートにも惹かれましたが、
ウィーンで最も正統派で最も綺羅びやかだと思うこの美術館で、今日は過ごすことにしましょう。
…しかし、ちょっと早く来過ぎましたね。
開館時間の午前10時まで30分以上もあるので、その辺りを散歩してきましょう。
ウィーン美術史美術館は、女帝マリア・テレジアの像が鎮座まします公園を挟んで
外観がそっくりの建物と向い合って建っています。
写し鏡のように向かい合うこのもう一つの建物は、ウィーン自然史博物館です。
まるで「文系」と「理系」の優等生同士が並び立ち競い合っているようで面白いですね。
自然史博物館の建物の壁には、窓ごとに偉大な科学者たちの名前が掲げられています。
この窓はコペルニクスですね。探せばガリレオ・ガリレイやニュートンやティコ・ブラーエの窓もありそうです。
自然史博物館も見学したかったのですが、恐らく一度足を踏み入れたら丸一日かかる筈なので、
次にウィーンを訪れた時の楽しみとして取っておきましょう…
美術史美術館と自然史博物館から、トラムの通る大通りを渡ったところにはホーフブルク宮殿があります。
ウィーンの宮殿と言えば郊外にある離宮のシェーンブルン宮殿が有名ですが、こちらは都心のど真ん中にあり実用的です。
ハプスブルク王朝最後の宮殿であり、「新王宮」とも呼ばれています。
少し散歩しただけでも、この辺りは見所が沢山あるのでちょっとした観光ツアーになってしまいますね。
さあ、そろそろ午前10時です。
ウィーン美術史美術館に行って、ヨーロッパ絵画と美術の世界に浸るとしましょう。
→28:kunst historisches museum 美術史美術館に続く