天燈茶房 TENDANCAFE

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戦前の、食堂車の食器?発見

2011-11-14 | 鉄道
宇宙クラスタ仲間のまこと君から、謎の食器が送られてきた。

これが、その食器。
まこと君によると、彼の曽祖父様の遺品で、
曽祖父様の息子さん(つまり、まこと君のお祖父様)が毎朝、朝食で卵かけ御飯を食べるのに使われていたお椀とお揃いのものとのこと。


…よく見て下さい、この意匠。

かもめ(鴎)、富士、さくら(櫻)…

そう!すべて、旧国鉄の特急列車の愛称に縁のあるものなのです!

そして、とどめが、反対側に描かれているこれ。


堂々と描かれた孤高のつばめ
これは、戦前の国鉄、いや大日本帝國そのものの威信であり、象徴であり、誇りであった超特急「燕(つばめ)」を表しているとしか考えられません。
戦前の東海道本線を走っていた優等列車の愛称が勢ぞろいしている、とんでもないお椀なのです!

まこと君のお祖父様がこの夏に亡くなられ、御葬儀の際の想い出話として出てきたという、この謎の食器。
何分、詳しい事情を御存知だったはずの曽祖父様もお祖父様も既に亡くなられているので詳細は一切不明なのですが、
彼の家では「これは、戦前の国鉄の食堂車で使用されていた」 と言い伝えられているとのこと。

まこと君も鉄道博物館に調査を依頼したりしてその謎を解き明かそうと頑張ったのですが、
結果として「詳細不明」という回答だったそうです。
(※このあたりの詳しい顛末は、まこと君のblog「まこまるブログ」に詳しく書かれていますのでご参照を。

その食器は言い伝えによると戦前の国鉄食堂車で使用されていたという。

その食器は言い伝えによると戦前の国鉄食堂車で使用されていたという。 その2

…さて、この「謎の食堂車の食器」ですが、
僕が実物を見た限りでは

「戦前の東海道本線系統の優等列車、燕(つばめ)・鴎(かもめ)・櫻(さくら)・富士が勢揃いしているので、
戦前の国鉄が関わっているのはまず間違いない」

「ただし、これが実際に食堂車で使用されていたかどうかについては(僕の知識不足のせいで)何とも言えない。
確か当時の食堂車は等級別に洋式・和式と区別されていた筈なので、もし食堂車で使用していたなら和式で使用されていたものだろうが、一等専用編成の国際列車『富士』は洋式のみではなかったか?
その場合、富士が描かれているのは辻褄が合わない。」

「でも、かなり頑丈で堅実な作りなので、業務用の可能性は高いかも?
特急列車の愛称を集めたノベリティグッズとして配布されたものかも知れない。」


…といったところでしょうか?


高台の下には「名陶」の印があります。
ちょっと検索してみたところ、軍隊食器などを多く作っていたメーカーだそうです。
戦前の国鉄にも食器を納入していたのかも知れませんね。

謎のベールに包まれた、言い伝えの食堂車の食器。
歴史の浪漫を感じますが、真実を知りたいとも感じます。

このお椀について、何か御存知の方は居られませんか?