天燈茶房 TENDANCAFE

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レポート2011-03-12 九州新幹線全線開業

2011-03-16 | 鉄道
レポート2011-03-11 九州新幹線全線開業前夜からの続き

日付が変わって平成23年3月12日。
九州新幹線の全線開業当日を迎えました。

未明に、熊本駅に到着。

昨夜に引き続き、今日も東北地方を襲った大地震による津波警報の影響で、
在来線は運行出来ない状態が続くようです。

告知のホワイトボードに書かれた熊本駅以南の鹿児島本線と三角線以外にも、
熊本駅以北の鹿児島本線も止まっているようで、
夜明け前に発車する、唯一の博多行き在来線特急「有明2」号(04:43発)の乗客も新幹線に振り返られている模様。
そう、今日は新幹線は予定通り運行するのです。
開業初日からの運休という最悪の事態は回避することが出来たのですね。


発着案内板には、既に新幹線の案内表示が出ています。
僕が乗るのは、06:00発新大阪行き「さくら544」号
熊本駅を発車する、最初の新幹線です!

昨日まで熊本駅の唯一の改札口であった、今日からは在来線側の出入口となる白川口から、
地下の連絡道を通って新幹線口へと向かいます。

今日の九州新幹線全線開業出発式典は、東北関東大震災に配慮してすべて中止となっていますが、
それでも多くのスタッフが集まり、最初の新幹線の乗客を出迎えてくれました。



報道関係者も多数集まっているようです。


自由席券での乗車は人数制限が行われると告知されていましたが、
やはり震災の影響か、それほどの人数が集まっていません。


コンコースの発着案内板は不具合が発生して調整中。

午前5時半頃、指定券を持っている乗客からプラットホームへの入場が許可されました。

真新しい新幹線プラットホームで、御対面!

九州新幹線「さくら」 N700系

今日のファーストラン列車には、JR九州所有のN700系8000番台の第一編成となるR1編成が使われています。
昨年の夏に、深夜の港から基地までの陸送を見送ったあの車輌たちです!
(→九州新幹線さくら、熊本上陸!天燈茶房TENDANCAFE 2010年07月02日)

発車までのひと時、車内を見て歩きます。
初めて足を踏み入れる、新しい九州新幹線の車内に胸がときめきます。


出入口壁に飾られた寄木細工。
この車輌のデザインにはJR九州の素晴らしい列車デザインを手がけるデザイナー水戸岡鋭治さんが関わっておられるそうですが、
成程いかにも水戸岡さんらしい小粋なセンスが随所に光っています。


普通車指定席。
初代九州新幹線800系「つばめ」と同様の2×2シートですが、
天然木の素材を用いて明るく華やかにまとめた800系とは対照的に、
暖色系で分厚いシートのモケットが印象的で、重厚で高級感が漂います。
グリーン車でも充分通用しそうな雰囲気です。

そして、僕が今から乗るのはこちらの席。

グリーン席。


1つの列車に1車輌の半室分だけ用意された、N700系の至高の空間。
初めての乗車なので、大奮発してプラチナチケットを押さえたのです。

プラットホーム上で記念撮影をしていた乗客たちも車内に入り、ほぼ満席の「さくら544」号は定刻の午前6時ちょうどに、警笛を軽く鳴らして熊本駅を発車。
駅構内をゆっくりと出て行く列車を、沿線のあちこちで光るカメラのフラッシュが見送ります。
出発式は無かったけれど、多くの人々に見守られながら、
九州新幹線が遂に全線開業したのです。

…そして、かつてブルートレインとして東京から九州まで「はやぶさ」と共に走った「さくら」が帰ってきたのです。
「はやぶさ」も、つい一週間前に東北新幹線に帰ってきています。
残念ながら、今日は同じ日に鉄路の上を走ることは叶いませんでしたが…(東北新幹線は、震災の影響で今日は全線で運転を見合わせているのです)
でもきっと、震災の傷を癒し人々を励ます不死鳥として、彼もすぐに戻ってくると僕は信じています。

夜明け前の田園を突っ切り、「さくら」は走ります。
行く先々の駅で、多くの人々の笑顔と歓声に出迎えられ、祝福を受けて。
幸せなファーストランは、一時間足らずでひとまず大団円、06:51に博多駅に到着。
ここから山陽新幹線へと乗り入れていく「さくら」と別れて僕は下車。


博多駅から乗務するJR西日本のさくらクルーがプラットホーム上でお出迎え。
ワゴンサービスでは特製生ビールも用意されているそうで、心惹かれます(笑)
いずれ、山陽新幹線区間まで通しで乗車してみないといけませんね。


隣ののりばに停車していた800系「つばめ」の姿を見たとき、心の底から嬉しさがこみ上げてきました。
「ああ、本当に博多駅まで九州新幹線が到達したんだ…!」

そのまま800系に乗ってしまいたかったけれど、やっぱりこちらに乗車。
500系「こだま」。

博多南駅まで行く列車なので、お安く気軽に500系を楽しめます。
それにしても、800系と500系、新幹線の二大イケメンを同時に見ることの出来る博多駅は新幹線で一番楽しい駅かも?

博多南までのショートトリップの後、
今日から長崎本線の佐賀行き特急「かもめ101」号に転じた787系(旧リレーつばめ)で新鳥栖へと向かい、
改めて800系の「つばめ335」号と「さくら407」号を乗り継いで09:47に新八代駅に戻って来ました。
これで博多―新八代間の九州新幹線新開業区間をすべて乗り通したことになります。


おや?まだ、昨夜のファイナルラン列車「リレーつばめ67」号が新八代駅の新幹線のりばにいますね。

どうやら、まだ鹿児島本線の運転見合わせ指示が解除されていないので、車両基地に戻れないようです。
思わぬ再会となりましたが、リレーつばめも最後に通い慣れた新八代駅に泊まることが出来て、いい想い出になったのではないでしょうか。
よかったね、リレーつばめ!

駅前広場に出てみると、見慣れぬバスが停まっています。



800系「つばめ」とそっくりなデザインのこのバス、
今日から運転を開始した九州新幹線接続高速バス「B&Sみやざき」です。
福岡と宮崎を結ぶ新しいルートとして期待されているとのこと。

本当はこの後、新八代駅にやって来る「SL人吉」を見ていこうと思っていたのですが、
在来線が運行していないので当然SLも走りません。
仕方なく、駅前を散歩して物産館を覗いたりしてから800系「さくら408」号で博多駅に引き返します。

博多駅で宇宙クラスタのメンバーと合流して、そのまま「新幹線開業オフ」となりました。

新しい博多駅「JR博多シティ」の屋上「つばめの杜ひろば」。
本当はここで、九州新幹線全線開業を祝って駆けつけてくれたブルーインパルスの雄姿を見るつもりだったのですが、
残念ながらブルーインパルスの飛行も中止となりました。

「つばめの杜ひろば」の奥には…



「鉄道神社」があります。
皆でお参りしました。
「九州新幹線が、震災で傷ついた人たちに勇気を与え、励まして走り続けますように…
一日も早く、みんなの顔に笑顔が戻りますように!」



東北関東大震災で被災された方々に、心からお見舞い申し上げます
そして、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします

天燈茶房亭主 mitsuto1976