マルセル・マルソーはもう帰らない
マルセル・マルソーの絵本「かえってきたビップ」
世界一のパントマイマーといわれたマルセル・マルソーが書いた絵本、「かえってきたビップ」。ビップというのは、マルソーが演じた道化師の名前です。この絵本は、そのビップの「誕生物語」です。なきむしでさみしがりやのビップは、多くの人から愛されました。そう、とりわけ子どもたちから。そのビップは、もう帰らない
パントマイム界の巨匠として半世紀以上活躍を続けたフランスのマルセル・マルソーさんが22日亡くなった。84歳だった。AFP通信が23日、家族の話として伝えた。シルクハットに赤い花、白塗りの顔のピエロ「ビップ」を作りだし、マイムの代名詞的なキャラクターとして定着させた。 1923年、仏ストラスブール生まれ。46年、パリでパントマイム劇に出演、デビューした。47年にはビップを創作して上演。劇団も創設し、49年以降、日本を含む世界各地で公演を重ねた。 「沈黙の詩人」、「パントマイムのチャプリン」とも呼ばれた。世界各地のアーティストに影響を与え、歌手マイケル・ジャクソンの「ムーンウオーク(月面歩行)」という振りのヒントになったとも言われる。パリ市の助成でマイム・スクールを開設したり、日本の歌舞伎俳優研修生にマイムの研修を行ったりするなど、若者の育成にも尽くした。