中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
paraparaart.com ArtDirector

知る人ぞ知る「ふぐの粕漬け」

2007-09-04 | 文化を考える

知る人ぞ知る「ふぐの粕漬け」

近くに手取り川があります。その河口に、知る人ぞ知る「ふぐの粕漬け」をつくっているところがあります。フグは食い足し命は・・・。よくアタルことから、鉄砲の異名をもつフグですが、その毒性にもかかわらず、多くの美食家たちに珍重されてきました。フグにまつわる話も多いですが、曲亭馬琴の覊旅漫録にも「千日寺の前の往来にフグを食べて死んだ四人の墓あり、墓石の下にフグの形を彫刻し・・・」と記されています。東西を問わず落語にも、命をかけて食する場面があります。これほど話のネタになる食材はほかにはありますまい。そのふぐの最も危険な部分を粕漬けにしたものがこれです。
江戸時代末期から明治時代中期まで、5月初旬から10月にかけて手取川河口は常に約20mの水深があり、盛んに北前船が出入りし、本吉港(現在の美川漁港)は当時加賀の国第一の河港でした。本吉町内(現在の白山市美川地区)の持船は百石積みから千二百石積みの船が約140隻程が、北海道から瀬戸内海まで航海し、物資を本吉港へ陸揚げしていました。 天保2年(1831年)藩政時代の取引税として、海産物では六歩口銭の品々として皮落ちふぐ・干しふぐ・塩樽ふぐ、八歩口銭の品として塩ふぐとあり、これらを糠漬けにして北前船中の保存食とした事が始まりとされます。以後、いわし、にしん、さば、ふぐの子、たら等を糠漬けとし、ふぐ粕漬けを加え工夫改良してきました。 明治以降、帆船を中心とした海上交通は衰退し、陸上交通へと推移するにつれて、美川港はかつての面影を失っていきましたが、これら「ふぐの粕漬け」などの珍味は、今も多くの人に愛され、
「美川名産」としてつくられています。むろん、ふぐは鍋でも刺身でもいけるのですが、これも手軽で味を知れば止められません。わたしの好物であります・・・。

 


 


金澤町家 取り壊しに『待った』 

2007-09-04 | 金沢を歩く

金澤町家 取り壊しに『待った』 保存へ懇話会

多くの「金澤町家」が残り、隣同士が軒を接して立ち並ぶひがし茶屋街=金沢市東山で

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初会合 年度末に市へ提言

金沢市内で「金澤町家」の取り壊しが進んでいることから、市は保存に向け有識者らによる懇話会を設置し、町家保存と活性化に本格的に乗り出した。市役所で第一回の懇話会が開かれた3日、委員から「町家で暮らす楽しさや誇りを感じられるように施策を考えるべきだ」などの意見が出された。懇話会はさらに二回開き、保存のための施策をとりまとめて年度末に市へ提案する。 市によると、金澤町家はおおよそ昭和20年以前に建てられた歴史的建築物で、町家や格式を重んじた武士系住宅、近代和風住宅など。上質で洗練されたたたずまいで、住民同士のコミュニティーがはぐくまれてきたという。藩政期の金沢では、城郭や藩の施設を中心に武家屋敷が建ち、その間を縫うように帯状に町家が分布していた。しかし、2004年の市の調べでは、中心部の歴史的建築物は約9500棟となり、5年前と比べて、取り壊しで約1400棟が激減していることが分かった。市は、町家改修費の一部を助成するなどの支援をしているが、現代生活に合わないなど所有者や居住者の意向により、町家の取り壊しは進んでいる。消失により、まち並み保全や地域活力の低下も危ぐされている。懇話会のメンバーは大学教授や建築士、町家の利用者ら十人。町家の活用や取り壊さないための施策の検討を行う。この日の懇話会では、座長に金沢大大学院の川上光彦教授(都市計画)を選出し、市側から現況報告を受けた。委員からは「保存だけでは減る一方だ。歴史を受け継いだ町家を新たに造るべきではないか」「高齢の住人がうまく世代交代できる仕組みが必要だ」「耐震や防火、維持の問題で、住民が相談できる組織をつくるべきだ」との意見も出された。懇話会では、金澤町家に対する市民・所有者の意識、町家の実態調査などが報告された。それによると、町家の継承・活用について、8割が「必要である」と答え、30-40代で9割を超えた。4割が「住んでみたい」「活用したい」とし、20代では6割に上った。研究会の不動産業・建築業者への調査も報告され、町家の市場性の低さと維持費の高さから解体されるケースが多いことが紹介された。(中日新聞記事から) 

 


電離圏の「宇宙花火」西日本各地で目撃

2007-09-04 | 科学・環境を考える

電離圏の「宇宙花火」、西日本各地で目撃

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの国際チームは2日夜、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所からロケットを打ち上げ、宇宙と大気の境界領域である電離圏での大気の動きを探る実験をした。高度150~250キロでリチウムの高温蒸気が放出され、太陽光を受けて赤く輝く雲のように広がった。鹿児島、宮崎をはじめ、兵庫、和歌山、福井、鳥取など西日本の各地で、雲の切れ間から、この「宇宙花火」が目撃された。

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夜空で赤い光を放つ「宇宙花火」=2日午後7時26分、和歌山市で、曽和俊英さん撮影

 観測ロケットは同日午後7時20分に打ち上げられ、高度250キロ、200キロ、150キロの3地点でリチウムを放出。和歌山県の潮岬や鹿児島県の奄美大島など地上4カ所から研究チームが観測した。チームの山本真行・高知工科大准教授は「高層でも意外にダイナミックな風があることが分かった」と話している。 (アサヒコム記事から)