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自作短歌の解説『砂時計が見る四角い空』

2006-12-12 15:43:14 | Weblog

■砂時計みたい抱きしめられるから上手くことばが出てはこないの

小さい頃、砂時計が好きでした。
砂が落ちていくのは何となく神秘的で、ずっと眺めていました。
砂時計を見ていたときに「真ん中のところが狭くて苦しそうだなあ」と思っていたので
こんな歌が出来たのだと思います。
抱きしめられるときっていうのはだいたいウエストのあたりをぎゅってされるので
ちょうど砂時計のくびれの部分みたいですよね。
(私にそんなくびれがあるのかは聞かないでください!)
抱きしめられる、が言葉のままではなくても、いろいろと感極まったときって
上手く言葉にならなかったりしますよね、ということが伝えたくて詠んでみました。


■段ボールの中に入って見上げてる四角い空はきょうもやさしい

私は社会に適応できない子供でした。
反社会的なわけではないのですが、世界というものがわからなかったのです。
学校のことだけ見ても、わからないことだらけでした。
成績やちょっとした言動で人に対する評価がコロコロ変わることがわからなかった。
国語の時間に作文に熱中していたのに、チャイムがなると次の授業に
切り替えなきゃいけないことがわからなかった。
美術の時間に作りたくもない作品を作らなきゃいけないことがわからなかった。
毎日気分は違うのに、毎日同じような時間割で物事が進んでいくのもわからなかった。
クラスメイトが大人の都合(親の離婚とか)で振り回されるのもわからなかった。
そしてこの現状を自分ではどうにもできないのが悔しくて、いつも辛かったのです。
自分を取りまく世界は私にはわからなくて、大きすぎて、怖くて、
でも自分と違ったものや自分に都合の悪いものを切り捨ててしまうこともできず、
いつも自分の世界の中でもがいていました。

私も少しは大人になって、たくさんの人と出会い、いろんな場所に行き、
視野も広がったと思いますが、やっぱり私は他の人が簡単にわかるようなことを
わかっていないのだろうと思います。
他の人はちゃんとわかっているのか、わかっていなくても適応できるのか、
私のような感覚はもっていない人が多いようです。

その私の世界観が「段ボールの中から見上げる空」なのです。
たぶん他の人は、空全体が見えていて、遠くを見たら「曇ってきたから雨が降るな」とか
わかっているはずなのです。
そして全体が見えない人たちは「雨が降ると困るから」と箱の上に屋根をつけて
その中で平穏に暮らしているのだと思います。
でも、私は段ボールから見える一部しか見えない。そして屋根なんて持っていない。
雨も風も寒さも、投げ入れられたゴミも、全部中に入ってきてしまいます。
だから私は世界が怖かった。
動こうとすればすぐにいろんなものにぶつかってしまうし、少しの風雨にでも惑わされるし、
嵐が来ようものなら小さな私の世界なんて一瞬でぐちゃぐちゃになってしまうのですから。
だからいつも何かに怯えて段ボールの中でうずくまっていたのです。

でも、ふと空を見上げてみると四角に切り取られた空は思ったよりきれいで、
段ボール箱の中からしか世界を見られない私のために
桜の花びらとか、タンポポの綿毛とか、素敵なものを運んできてくれたり
前が見えなくても動けるように「もうちょっと右に行けば日陰があるよ」と教えてくれたり
なんだかやさしいなあ、と思ったのです。

その『空』は友達であったり、家族であったり、本や音楽などいろいろなものなのですが
私が生きづらさを感じながらも、こんなに幸せで居られるのは
『やさしい空』のおかげだと思っています。


■通らない手ぐしみたいなもんですよ頭の中もいつもぐちゃぐちゃ

私はパーマが好きです。
単にストレートよりもパーマが似合うとか、そんなに派手ではない顔なので
頭でインパクト!だったりとか、そういう理由もありますが
頭をわしゃわしゃして髪が乱れても違和感のないところが好きです。
ストレートだとけっこう目立ってしまうんですよね。
私は考えてる途中に髪の毛をいじる癖があるので
そのあたりを考えながら詠みました。


■福袋みたいにふたり一緒ならもらってくれます?-「二倍たいへん!」

これは雑貨屋さんに行ったときにコスメの福袋というかセット商品を見て
ふと思いつきました。
私には双子の姉がいます。
よく昔から男性には「ハーレム願望」というのがあるといいますよね。
そこで「ひとりでダメならふたりでどうでしょう?!」と冗談っぽく思ったりしたのですが
でもよく考えてみると「どちらも気難しい私たち、ひとりでも大変なのに
ふたりもいたら二倍大変なだけだよね~」と思ってこんな歌ができました。
よく同一視されたりしちゃうので「全然考え方とか違うし、別の人間よっ!」と
思うこともあり、そういう気持ちもこめて詠んでみました。


■地図帳のひらいたページにマルをつけ夢をみている今日も旅人

中学生のとき、嫌いな数学や理科の授業中はよく地図帳を見ていました。
地図を見るのも好きだったし、グラフや統計を見るのも好きでした。
国のデータや写真を見ては「ここに行ってみたいなあ」とか
「世界にはいろんな文化があるんだなあ」と考えて、自分がそこに行くのを
空想したり、その国出身のキャラクター(オリジナル)をつくったりしていました。
「一番○○な国ランキング」をつくるのも好きでした。
もちろん授業中にそんなことをするのは良くないことなのですが
このときの経験がなければ旅行好きにはならなかったはずなので
今思うとそれも楽しかったなあ、と思います。


■おぼろ月だれもそばにはいないからピアスの音としゃらしゃら踊る

最近、大ぶりのピアスを買ったのですが、夜にい静かな道なんかを
歩いていると、しゃらしゃらと音が目立つことに気づいて詠みました。
月と自分しかいない、という孤独感とか、でも踊ってひとりを楽しむ感じとか
そういうものが伝わるといいなあと思います。


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