◎ 三十一文字のレシピ ◎

     自作短歌の解説や製作秘話?などを紹介しています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『処女作たち』

2006-12-10 23:25:50 | Weblog

詠んだ短歌についての解説です。
あくまで私がネタにしたものの覚え書きなので、
これが正しい読み方だ!というものではないです。
読者さまの想像におまかせするために広がりのある言葉を
選んでいる場合もありますし、その想像の方がずっと素敵な情景だと
いうことも多いと思いますので、基本的にはみなさまの感じたままを
味わっていただけると幸いです。
ただ、やっぱり初心者ですし、私の書き方の問題でわからなくて
「何コレ?理解不能でもやもやする~!」と思ってしまう方も
いらっしゃるはずなので、よろしければ参考にどうぞ。
「まだここがわからん!」「こっちの方がいいんじゃない?」
「私はこんな風に解釈しました」などの
質問・アドバイス・コメントがあれば遠慮なく書き込んでください。


+++++++++++++++++++++++++++++++


■7mmの薄いラインに刻まれたB5サイズの夢を見させて

中学時代、私たちは交換日記にハマっていたのです。
普通の中学生の交換日記はキティちゃんのノートなんかに
カラーペンで今日の出来事や恋話を可愛く書くものなんですが
私たちはひたすら大学ノート、それも100枚の分厚いものに
ひたすら思春期病みたいな文章をえんぴつで書きなぐっていました。
毎日まわすのは当たり前、しかも10枚くらいひたすら語る。
それでもまだ飽き足りずまわってきた順番でない方はルーズリーフに
また7,8枚くらい書いて、手紙として渡すのです。
(今思えばノートを2冊用意した方が早い!)
字が大きめなうえ書きなぐっていたもので、ノートやルーズリーフは
6mmの細掛より7mmの太掛の方が書きやすく、ラインも濃いと
字とかぶって見づらいので薄いものを愛用していました。
その友達がmixiで中学時代の思い出について書いていたので
ふと思いついてこんな歌になりました。


■わかってる水面に揺れる我が心さかなのきもちはわからなくても

ある日、荘子と恵子が川のほとりを散歩していました。
恵子は議論好きな人で、いつも荘子に議論をふっかけていました。
荘:魚がゆったり泳いでるね。これが魚の楽しみってもんだよ。
恵:君は魚じゃないのに、どうして魚の楽しみがわかるのさ?
荘:君は私じゃないんだから「私に魚の楽しみをわからない」って
  ことをどうやってわかるんだい?
恵:私は君じゃない、だから確かに君の楽しみはわからないさ。
  同じく君は魚じゃないんだから、君も魚の楽しみは
  わからないだろ?
荘:……。話を元に戻してみようではないか。
  君が私に「どうして魚の楽しみがわかるっていうのさ?」と
  聞いたときにはすでに君は私が魚の楽しみをわかるかどうか
  知っていたからそうやって問えたのだろう?
  私は濠水のほとりで魚の楽しみがわかったんだよ。

……という荘子と恵子の『知魚楽』が元ネタです。
禅問答みたいな話ですが「共感」について考えさせられたので
こんな歌を詠んでみました。

荘子と恵子のエピソードは本当にいいです。
荘子はお金持ちで恵子の面倒を見てやっていたし、
いつも恵子は議論をふっかけては荘子に言い負かされていたので
荘子は恵子をバカにしてたと見せかけていたけれど
本当は荘子は恵子のことをすごく好きだった。
という話には感動しました。
恵子は丞相にまで出世して、荘子は隠居を選ぶんですが、
この2人の人生は興味深いですね……。


■君知らぬたとえ話にうつし出す解ってくれる君がだいすき

これは大切な地元友達を思って詠った歌です。
基本的に私の話にはたとえ話が多くてわかりにくいらしいので。

でもインスピレーションは歴史系二次創作小説にあります。
(上の『知魚楽』ともかなり関係あるので飛ばし読みしてる方は
「わかってる~」の解説を見てください)
同人系サイトさまなので、あまり詳しくはいえませんが
三国時代の曹植と何晏の小説です。

曹植は魏の君主である曹操の三男で詩人としても有名です。
何晏は曹家のもらわれっ子で、論語集解という論語の注釈を
した人ですが、五石散というドラッグを流行らせたりと
かなりサブカルな感じでもあります。
曹植は長男の曹丕との跡継ぎ争いに敗れ、
左遷されることになるのですが、それを何晏に告げる前の
シーンで荘子と恵子のたとえ話が出てくるんです。
曹植が「もし恵子が出世する前に、荘子と恵子の立場が逆転したら 
-荘子が落ちぶれて貧乏になるとか- どうだったんだろう……。
恵子は荘子を見限ってしまうんじゃないかなぁ」と言ったとき
何晏は「恵子も荘子のこと好きだったと思う。
どっちが上とか下とか関係なく、ただ一緒にいられるのが
幸せだったんだ」と答えるのです。
この小説では何晏も意図するところがわかっているので
「君知らぬたとえ話」ではないのですが、
そのあたりは私の体験などからきています。

めちゃめちゃ感動しました、コレ。
その後、曹植は流転の人生を送り、詩人として生きていき、
何晏は曹家の女性と結婚し皇族になり政治の世界で出世するのです。
さらに後、司馬懿のクーデーターで殺されちゃうんですけどね。
結局何が幸せなんだろう、とか考えてしまいますよね。

曹植は私が一番好きな詩人です。
とはいっても三国志から入った人間なので、一般的な漢詩や詩歌は
全く知らないのですが、とにかく好きなのです。


■伝えたい想いは紡ぐ愛のうた違ったことば覚えたいまでも

これは特に説明いらないと思います。
一般的な「違ったことば」は英語なのかもしれませんが
私はフランス語を専攻しております。
フランス語とかいうと文学っぽい雰囲気ですが、会話と文化系が
中心なので実は「星の王子様」くらいしか読んだことありません。
新聞記事とかそういうのは読むんですが……。


■恋のうた届ける途中のキンセンカとくべつになった知らぬ家の木

これは中学生ごろ、まだ携帯が一般的じゃなかったので
好きな人には手紙を届けに行っていました。
携帯って便利ですけど、私は携帯メールになってから
すごく筆不精になりました。(携帯メールも苦手!)


■君のこと思い出すたび苦笑い『ああ篭城には水攻めが似合う』

これはイメージですかねえ。うまく表現できないんですけど。
自分が心を閉ざしてる状態で誰かに入ってこられようとして
その人は嫌じゃないんだけど、開くことはできないのに
水みたいだからすき間から入ってきて、苦笑い、みたいな。
泣いたり怒ったり、ではないのでイメージ語として
火計とか奇襲にならなかったのでは?と思います。
自分でもよくわかりません。
笑い方は「苦笑い」という通俗的な表現で、それと一緒に
「篭城」「水攻め」という普通の女子大生が使わないような
単語が日常語と同じように並んでるのは三国志のせいに違いない。


■想像をするしかないよな構造の行動理念、書く紙の上

これも説明のしようがありませんね……。
あえていうなら、漢詩や論語なんかの書写をしているので
そんなイメージかもしれません。
論文や手紙を書くというのもシチュエーションとして良いですが
私はそんなに硬い文章を書かない方なので。


■感情がないのではなく武器捨てた平和主義者と呼んでください

テーマは『涙』です。
私は普段テンションは高めだし、髪型や化粧も軽そうに見える。
だから泣かないとかいうとけっこう驚かれるんです。
(最近は昔に比べて少しは泣けますが)
私、あんまり泣いたり怒ったりしないんです。
話すとき、内容は暴露系でもあまり抑揚のある話し方をしないし。
そういうのを理解されないというのはけっこう辛いものなのです。
そのへんを詠ってみました。


+++++++++++++++++++++++++++++++


これがはじめての短歌で、今まで他の歌人さんの作品に触れる機会も
ほとんどなかったので、右も左もわからないまま
とりあえず『五・七・五・七・七!』とだけ思って詠みました。
言葉自体は思ったよりすらすらと出てくるのですが、
推敲の仕方がまったく分からないし、もともと普段から思いつきで
書いてはそのままにしてしまうタイプなのでどうなんだろう……?
とりあえず詠むこと自体は楽しいのに気づき
これが出来上がったあと、毎日詠んでいくことを決めました。

コメント   この記事についてブログを書く
   | トップ | 『アルファベあそび』 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事