コメント
Unknown
(
yukariko
)
2018-09-06 12:21:05
「俊寛」は歌舞伎のお芝居の印象が強くてその最後を「有王」が看取り、高野山に葬った事などをこの記事で教えて貰い『よかった!よかった!』と思ったものです。
京で逼塞した後に再登用されてそれなりの人生を生きた成経と康頼には「万事塞翁が馬」とも「人間到る処青山あり」とも言えますが「俊寛」「有王」の場合は違いますよね。
お話し、説話としては胸を打ちますが当人達にとっては
生きにくく、苦しいばかりの一生ですね。
胸を打ちますね
(
sakura
)
2018-09-07 14:43:12
鬼界が島配流の物語は、変化に富みドラマチックなため
昔から劇化され、芥川龍之介や菊池寛などが作品の
題材にして「俊寛」を書いています。
俊寛は実在の人物ですが、実際の姿とは大きくずれて「平家物語」に描かれています。
物語は康頼・成経の恩赦を熊野信仰の熱心な信者だったためとし、
一方、俊寛は鹿ヶ谷謀議の場を提供し、また僧でありながら
生来不信人であったためという理由で赦免されなかったとしています。
ところがこれは史実ではなかったとされています。
俊寛一人が赦免状の届く前に亡くなっていたということをアレンジし、
職業的な聖たちが布教活動に都合のいいこのような話を作り、
信者獲得の際に語ったと柳田國男は述べておられます。
有王島下りの章段の最後に「かように人の嘆きのつもりぬる平家の末こそ怖ろしけれ。」
(このように人々の悲嘆が積もり積もっていった平家の
末路を思えば空恐ろしいことである。)という一節を添えて、
有王が語る鬼界が島での俊寛最期を平家盛衰の歴史に結びつけています。
物語の中の他の話題についても同じような問題があるのではないかと考えられています。
平家物語の作者は史実と虚構をないまぜにして、このような名作を生みだしたようです。
硫黄島旅行計画中
(
ren
)
2018-09-08 00:24:06
平家物語を知る格好のテキストを提供して下さり、ありがとうございます。数日前、歌舞伎座で俊寛を観てきました。平家物語では、「具していけ」と連呼する俊寛が憐れでなりませんでした。歌舞伎でも俊寛が高台からうつろに遠くを見る場面で、私は本文を思い出し涙が溢れてしまいました。以前から物語の描写で鬼界が島は硫黄島しかないなと考えておりましたが、ご教示で確信できました。昨日から硫黄島への旅行を練っているところです。
ご訪問ありがとうございます
(
sakura
)
2018-09-08 11:21:55
renさま
硫黄島へのご旅行を計画中とのこと、うらやましく思います。
「俊寛」は歌舞伎の人気演目として繰り返し上演されていますね。
ずいぶん前になりますが、私も中村吉右衛門が俊寛を演じる歌舞伎を観たことがあります。
赦免船が遠ざかり放心したように沖を見つめる俊寛の様子、
強く心に残る見事な幕切れですね。
平家物語に題材を取った浄瑠璃・歌舞伎にしろ、
能にしろ、古典芸能の作品には優れたものが多いといわれています。
名作を残した世阿弥や近松門左衛門などの劇作家を
掻きたてるものがこの物語にはあるのでしょうね。
放送大学を見て
(
ren
)
2019-01-05 00:28:15
先日、再放送だと思いますが放送大学で硫黄島の俊寛たち一行が住まいした場所を特定する内容を放送していました。成経・康頼は熱心に熊野信仰を貫きましたので、島を熊野に見立てただろうという仮説の下、本宮・新宮・那智の滝に合った場所を特定しました。ちょうど似た地形があり、熊野川の下流にある熊野速玉大社に相当する硫黄島長浜川の下流に熊野神社がありました。平家物語にある離山「 蛮(えびす)山」に相当する孤峰「稲村岳」がありました。逆算してこの山を起点に北五十丁に住居があったという記述から北部の唯一の海岸に到達します。「常には浦々島々を見回して」という記述と一致しました。略
Re:放送大学を見て
(
sakura
)
2019-01-05 16:04:47
祝言の章段に見える鬼界ヶ島の描写は、事実を述べたのではなくて、
脚色された文章だとばかり思っていました。
ところが硫黄島には、熊野に似た地形があるそうですね。
貴重な情報ありがとうございました。
感心しました。放送大学で学ばれているのですね。
若い頃はいい加減な勉強しかしてこなかったので、
学びなおしたいと思いながらそのままになっています。
放送大学(再放送)あります。
(
ren
)
2019-01-08 20:13:29
放送大学生ではありませんが、古典や歴史ものをみています。というのも、放送大学はBSが視聴できれば、だれでも番組を見ることができるからです。契約などありません。複数チャンネルがあります。画面の番組表をずらしていくと現れます。
BSキャンパス ex231 で
1月11日(金)PM 8時 15分 再放送があります。
『薩摩硫黄島の熊野三山と「平家物語」』
度々ありがとうございます。
(
sakura
)
2019-01-09 14:54:42
私の家ではケーブルテレビのインターネット回線を利用しているので、
念のため業者に確認したところ、放送大学の番組は昨年終了し、
現在放送してないそうです。
テレビで硫黄島が見れると大喜びしたのですが、本当に残念です。
ご親切にありがとうございました。
Unknown
(
ren
)
2019-01-12 18:04:58
度々で恐縮です。番組の件、余計な情報になりました。お詫び申し上げます。
成経・康頼が祈願して願いが叶えられた島ということで、「大願成就の島」というネーミングがあるそうです。そのように検索すると、平家物語関連の硫黄島の情報が出てまいります。今回の番組内容に合わせたイラストマップも載っています。
ブログ掲載の参考文献いつも参考にさせていただいております。すごい情報量で圧倒されています。ありがとうございます。
大願成就の島
(
sakura
)
2019-01-14 14:05:33
ご紹介していただいたサイトを拝見させていただきました。
島内には、俊寛堂や熊野神社、那智の滝などがあるのですね。
延慶本『平家物語』から三人が住んだ場所も推定してあり、
いろいろなことを学ばせていただいています。
イラストマップを見ながら解説文を読むと、島内を歩いているような気分になり、
何度も見たいので、お気に入りにいれておきました。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
参考にしている書籍は、手元にあるものやアマゾン、
町の本屋さんに並んでいるものがほとんどですが、図書館もよく利用します。
古い資料や高価な専門書・辞典・事典類、図書館に1冊しかない郷土資料など、
館外貸出ができない資料は、必要な部分だけコピーさせてもらっています。
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京で逼塞した後に再登用されてそれなりの人生を生きた成経と康頼には「万事塞翁が馬」とも「人間到る処青山あり」とも言えますが「俊寛」「有王」の場合は違いますよね。
お話し、説話としては胸を打ちますが当人達にとっては
生きにくく、苦しいばかりの一生ですね。
昔から劇化され、芥川龍之介や菊池寛などが作品の
題材にして「俊寛」を書いています。
俊寛は実在の人物ですが、実際の姿とは大きくずれて「平家物語」に描かれています。
物語は康頼・成経の恩赦を熊野信仰の熱心な信者だったためとし、
一方、俊寛は鹿ヶ谷謀議の場を提供し、また僧でありながら
生来不信人であったためという理由で赦免されなかったとしています。
ところがこれは史実ではなかったとされています。
俊寛一人が赦免状の届く前に亡くなっていたということをアレンジし、
職業的な聖たちが布教活動に都合のいいこのような話を作り、
信者獲得の際に語ったと柳田國男は述べておられます。
有王島下りの章段の最後に「かように人の嘆きのつもりぬる平家の末こそ怖ろしけれ。」
(このように人々の悲嘆が積もり積もっていった平家の
末路を思えば空恐ろしいことである。)という一節を添えて、
有王が語る鬼界が島での俊寛最期を平家盛衰の歴史に結びつけています。
物語の中の他の話題についても同じような問題があるのではないかと考えられています。
平家物語の作者は史実と虚構をないまぜにして、このような名作を生みだしたようです。
硫黄島へのご旅行を計画中とのこと、うらやましく思います。
「俊寛」は歌舞伎の人気演目として繰り返し上演されていますね。
ずいぶん前になりますが、私も中村吉右衛門が俊寛を演じる歌舞伎を観たことがあります。
赦免船が遠ざかり放心したように沖を見つめる俊寛の様子、
強く心に残る見事な幕切れですね。
平家物語に題材を取った浄瑠璃・歌舞伎にしろ、
能にしろ、古典芸能の作品には優れたものが多いといわれています。
名作を残した世阿弥や近松門左衛門などの劇作家を
掻きたてるものがこの物語にはあるのでしょうね。
脚色された文章だとばかり思っていました。
ところが硫黄島には、熊野に似た地形があるそうですね。
貴重な情報ありがとうございました。
感心しました。放送大学で学ばれているのですね。
若い頃はいい加減な勉強しかしてこなかったので、
学びなおしたいと思いながらそのままになっています。
BSキャンパス ex231 で
1月11日(金)PM 8時 15分 再放送があります。
『薩摩硫黄島の熊野三山と「平家物語」』
念のため業者に確認したところ、放送大学の番組は昨年終了し、
現在放送してないそうです。
テレビで硫黄島が見れると大喜びしたのですが、本当に残念です。
ご親切にありがとうございました。
成経・康頼が祈願して願いが叶えられた島ということで、「大願成就の島」というネーミングがあるそうです。そのように検索すると、平家物語関連の硫黄島の情報が出てまいります。今回の番組内容に合わせたイラストマップも載っています。
ブログ掲載の参考文献いつも参考にさせていただいております。すごい情報量で圧倒されています。ありがとうございます。
島内には、俊寛堂や熊野神社、那智の滝などがあるのですね。
延慶本『平家物語』から三人が住んだ場所も推定してあり、
いろいろなことを学ばせていただいています。
イラストマップを見ながら解説文を読むと、島内を歩いているような気分になり、
何度も見たいので、お気に入りにいれておきました。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
参考にしている書籍は、手元にあるものやアマゾン、
町の本屋さんに並んでいるものがほとんどですが、図書館もよく利用します。
古い資料や高価な専門書・辞典・事典類、図書館に1冊しかない郷土資料など、
館外貸出ができない資料は、必要な部分だけコピーさせてもらっています。