みつばちエンジニア

SEの閉塞感のすごい日常の打開を夢見て、日々のモヤモヤを綴ります。

奴隷SEを育てる魔法の言葉

2024-08-24 23:32:42 | 日記
とある日経の記事にて、SIerの奴隷根性を何とかせよとアブラギッシュな顔で語られている。あまり好きじゃないつもりであったが、いつもついつい目に止まり、読んでしまう。結局のところファンになってしまっているのかもしれない。
さて、その方の好きな単語である奴隷根性について思うところがある。
それはIT産業の格子にSEの奴隷化を求める仕組みが作り込まれているのではないかと言うこと。ここでは分かりやすく、ユーザー、SIer、メーカー(ベンダー)の3階層で整理する。IT業界の場合メーカーはほとんどアメリカ企業と考えて良い。メーカーは圧倒的な開発力と、コンセプト力でIT市場の動向をコントロールし、自社の製品を導入しないと、時代遅れのITシステムのになると言う不安をあおる。日本のユーザーやSIerにはことコンセプトを覆すだけの青写真を描く力はないため、この流れにただ身を預けるしかない。確かに新しい製品をコンセプト通りに使い、今まで新しい使い方へと変化することによって、効率や価値が産み出せると言うことはあるだろう。しかし、日本の多くのユーザーは業界に遅れないように新しい製品を導入したい。にもかかわらず、今までの使い方はなるべく変えたくない。そんな流れから、自身の現行システムを分析し、期待するメーカーの製品を示唆する形でRFPを作り、複数のSIerからの提案をもらう。提案と言っても、RFPにはざっくり言うと現行踏襲と書かれているだけなので、おなじ使い勝手で最も安いSIerを採用することになる。さて、SIerは過酷の入札を勝ち抜くために限界までダイエットした見積で契約が成立する。契約した時点ですでに赤字と隣り合わせのギリギリの見積となる。そうなるとあとは生き残る術はやる内容をいかに最小限におさえるか。つまり書いていないこと、言われていないことにいかに手をつけないかが生き残る術となる。当然ながら、SE工数の赤字はSIerにとって死を意味する。こうして無事にひとつの奴隷根性のSIerができあが上がった。
他にも
「見積の妥当性を確認するために工数の明細を出せ」→当然ながら、言われた作業だけすれば良いと言う意識付けの効果がある。
「製品不良な相性問に対して当初の計画から変更を許さない」→次からリスクのある目新しいことに消極的になる。かなり具体的に要件をまとめないと着手しないようになる。
「障害発生時に再発防止策を共用する」→言われたルール・対策のみ守れば良いと言う思考になる。
こんな環境で、こんな言葉を浴びなが仕事の経験を積み重ねることで一人前の奴隷SEが成長することになる。
これは死を意味する赤字を回避する為の生存本能とも言える。
結局は相手の見え方と言うのは写し鏡。奴隷のようなSEに不満がもしあるのならば、それは奴隷であることを求めているからなのではないかと感じたと言う話。


プロジェクトマネージメントに真面目に取り組むと組織が疲弊する件

2024-08-14 17:48:56 | 日記
プロジェクト推進の費用の公平性と透明性を確保するためには入札が必要だ。
入札のためにはシステムがほしいか明確にし、RFPをまとめあげる必用がある。RFPに対しての回答は、対応項目に×のある提案は論外。RFP記載のとおりに提案したベンダーの中で最も安いベンダーを、採用べきだ。

さて、RFPを参照して入札するベンダー側はと言うと、お得意様のRFPには、必ず回答しなければならない。記載の内容はすべて○にしなければならない。費用は最大限切り詰めなけらばならない。さもなければ、あそこはやる気がないと思われ、今後の声がかからなくなってしまうかもしれない。そして、見積の不確定要素のリスクを低減するため、できる限りの手弁当である程度の設計を進める。

そんな努力のかいがあって、ユーザ企業は特注のシステムを割安で手に入れることができるベンダーを決定。
そうして、システムの完成に向けてユーザ企業とベンダーでタッグ組んで走り出す準備ができた。しかし、システム開発の契約ができた途端にユーザ企業とベンダーの敵対的関係が始まる。
ユーザ企業は、契約した金額の中で設計が具体化するにつれて明確になってきた課題の取り込みを要求する。コスト増やスケジュール遅延を防止しなければならない。
一方、ベンダーは契約時に確定した限られたリソースで利益を確保しなければならない。そのため、実施内容は極力最小限にしたい。RFPに記載の項目のみにスコープを絞って、プロジェクトの損益悪化を防止しなければ会社がつぶれてしまう。
こんなそれぞれの思いからプロジェクトの完了までユーザ企業とベンダーの言った言わないの敵対関係が続くことになる。
真面目な取り組めば取り組むほど対立は明確になる。
結果として出来上がるのは何でも押し込もうとするユーザとユーザが予め言ったことしかやらない奴隷のようなベンダーの関係性だ。
真面目に仕事に取り組んでいるのに不幸なものだと思う。
そして、奴隷のようなベンダーが作り上げたシステムは必要最小限にしぼった気の効かないシステムとなる。

ユーザ企業は、気の効かないベンダーに動いてもらうのと、気の効かないシステムを扱うのにヘトヘトだ。
ベンダーは、わがままなユーザ企業の要求を実現するために、手弁当の入札対応の設計と、ほとんどの利益の出せない特注品のシステム開発でヘトヘトだ。
結局、ユーザ企業もベンダーも余力はほとんどなく、疲弊する日々を毎日ただ過ごすのみとなる。

では、疲弊しないためにはどうするか。
ユーザ企業は入札結果×の部分を認め、自身で○とする為の体制の確保してまで対応が必用か考える。そして値段のみではく、担当者自身が一緒にシステムを作っていきたいと思えるベンダーを採用するべきだ。こうすることで、担当者自身のシステムに対する思いが強くなり、自発的にシステムの改善を検討できるようになると思う。
一方、ベンダーはRFPのやりたくない項目を×のまま回答する勇気をもつこと。自身のソリューションパッケージやSaaSの長所を全面的に押し出した提案とし、×となる項目への対応は顧客自身で考えてもらう。REP通りの特注品の開発をやめることで、ユーザ企業と体力の削りあいをやめることだ。特注品は一見売り上げは大きいように見えるかもしれないが、案件を通して組織内部に残る価値はあまりなく、ただ主担当のメンバーが疲弊するだけだ。特注品作るリソースで、しっかり得意なものを強化し、実績を増やすことに、注力するべきだ。そうすることで自身のサービスをしっかり成長させられると思う。自身のサービスの強化と思えば、少しは気の効いたシステムを作る気になるのではないかと思う。
では、自身のサービスな強みはなく、特注品を作るしか無い場合はどうするか。それは、RFPの回答(請け負いの案件)ではなく、単に技術者の派遣の提案なのではないかと思う。名ばかり請け負いが行き着く先は結局は双方の疲弊だと思う。

UU2000

2024-08-14 03:06:42 | 日記
昨日までのトータルUUが2000らしい。
キリがよかったのでつい投稿です。
昔、キリ番ゲトーが流行っていたのを思い出します。
さて、このブログの初投稿を見てみると8月16日。ちょうど去年の夏休みに始めたので、ほぼ一年です。
そして、この投稿はちょうど40回目
かなりスローペースでやっているわけですが、こんなインターネットの片隅に一年間でのべ2000人も訪問いただけたことに感謝です。
それと、同時に、何かを伝えようと思って文を書くのはなかなか難しいなと痛感してます。
写真を撮って感嘆な投稿も、たまにはしたくなるものです。


夏休みの宿題はアニメ鑑賞

2024-08-12 00:13:33 | 日記
大学の頃、ロボット工学の授業で一学期の終わりに、教授からの一言。
「これで夏休みに入ると思うけど、あえて宿題を出すなら、攻殻機動隊を見ること。これから情報の世界で生きていく君たちには、知っていて困らない世界観だと思う。
学校の先生からアニメを見なさいと言われることに驚いたし、しかも、大学なってまでアニメかよと。
この時の夏休みに見たかは覚えていないが、この言葉が気になっていて結局いつか時間があったタイミングでいくつかの作品を見た。

いざ見ようと思うと作品もたくさんあるし、ストーリー的にも繋がっているようで繋がっていないようで何から見たら良いか難しい。
個人的にはこの二つが好きですし、さぁ見てみようと言うときにおすすめ。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(S.A.C.)
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG

夏休みの宿題にされる方がいたらご参考までに。

派手な戦闘シーンも見ごたえがあって、特にS.A.C. 2nd GIGは、スリルを感じながら見た気がする。

ただ我々SEがこの作品を見るときに、見るべきはそこではない。
インターネットとその接続デバイスの発展によって、ほとんどの人の脳がインターネットに直接接続された世界となっている。そうなっとき、どのようなサイバー犯罪が発生するのだろうか。
そして、AIも発達して賢くなっており、人間との違いはなんなのだろうか。
今の言葉で言えばデジタルとリアルが密接に関わるようになり、境界が曖昧になった世界で、起こりうる問題について描かれている。
サイエンス・フィクションが、現実と違う世界を前提において、現実の方程式で解き明かすものと考えると、この作品では、生体情報やAIの発展した超高度情報化社会において、現実の様々な方程式に触れながら物語を展開しているように思う。
確かにSEとして、即座に仕事に活きることはない。けれど知ってることで、サイバーセキュリティの重要性を感じたり少しは仕事が楽しくなる気がする。




ペンとノート

2024-08-04 21:37:46 | 日記
「誰か、紙とペンを」
と言うテレビCMを覚えているだろうか。いつ、どんなときに大切なひらめきがくるかわからない。そして、人の記憶とは曖昧なもので、こういう柔らかい記憶が消えてしまうのにはたいした時間を要しない。そこで、忘れてしまったあとでも思い出すきっかけを作るもっとも簡単な方法は、紙に書いたメモだ。
文字を書くにも大きさ、スペース、位置などになんの制約もなく、自由な大きさで好きな場所に表現できるのが紙とペンだと思う。
さて、この記事のタイトルである「ペンとノート」これは、私が社会人に成ってすぐの頃、職場の先輩から貰った言葉だ。
お客様のデータセンターでの作業は、休憩時間を取りながら、Step by
Stepで作業を進めていく仕事だった。そんなステップとステップの間に休憩をとるときに手ぶらで作業場所を離れ、先輩についていこうとした時のことだ。
「ペンとノートは常に持ち歩いた方がよいよ。休憩中でもノートを開いているだけで、何か考える感がでて、お客様に会ったときに印象がいいし、そこで話した内容をメモしたり、うまくいってない部分を考えたり、相談したり、実際に役に立つ事もある。

学生の頃は、休憩時間と言えば手ぶらで教室を飛び出すことになんの疑いもなかった。学生気分とはこういうことなんだろうと思う。
この言葉をきっかけに、仕事をしているとき、どんな状況でも相手からは、その仕事のプロという目で見られている。社会人として、プロとして、休憩中も仕事中である。ということを学んだ気がする。
それと、少し話は変わるが、身だしなみはお守りと言う考え方があると思う。なぜか不思議とよくわかない不運に巻き込まれにくくなる気がする。