3月22日の本会議で三重県議会は定数を現行条例の45から51に変更した。
この時代に議員定数を削減するのであればともあれ、増やすという全国でも稀な決定だけに、マスコミでも大きく取り上げられ、ご批判も含めて、さまざまなお声が議会に寄せられている。
その批判的ご意見の多くは“県財政が厳しい折、議会も定数を減らすのが当然ではないか!”などの主に財政論的観点からのもので、「自治体議会のあり方」論的なものはほとんどない。
もちろん県財政への影響などに一定の配慮をするのは必要であるが、議会定数議論の本質ではない。
定数を議論するとき、もっとも大切なことの一つ目は議会が持つ「議決」「監視」「評価」などの権能が十二分に発揮するための議会の大きさをどうするのか?つまり当該自治体の財政規模、人口規模などを念頭に、議会構成を考えること。
具体的には常任委員会の数をどうするのか?所管事項の大きさに応じて、それぞれの委員会で丁寧な議論、討論をするには何人くらいが適切であるか?まずこのことをしっかりと議論する必要がある。
そして二つ目には複数の地域代表を一定数確保することの重要さである。
よく“衆議院では1票の格差を2倍以内にしようとしているのに、地方議会の格差が2倍を超えるのはいかがなものか”式のご意見をいただくことが多い。これは後で述べる「法のもとでの平等」の議論ともかかわってくるが、“いかがなもの”式のご意見は国の選挙制度目的と自治体議会の選挙制度目的をごちゃ混ぜにしたかなり乱暴な議論だと思う。
いまさら説明するまでもなく、国は議院内閣制で、行われる衆議院選挙は文字通り「政権選択」の選挙である。それ故「政権選択」を容易にするために「小選挙区」制を採用しているし、1票の格差もより厳密に検証されることとなっている。
一方、地方議会は“いかに確実に多様な民意を議会議論に反映させることができるか?”が制度目的となっており、「1人区」は出来るだけつくらないことが求められているのはこのためである。
そして憲法で定められている「法の下の平等」を考慮しつつも、同時に公選法において「15条8項」の但し書きにある「地域間の均衡をはかる」考え方や県議会議員選挙に「選挙区」を置くこと。すなわち「県議会議員」に「地域代表」の性格を持たせる旨の規定を設けている。
こうした多角的な観点から「選挙区」「議員定数」は論じられるべきもので、「議員削減ありき」「議会経費削減」を声高に叫ぶ単純財政論で論じられるべきものではない。
とは言え、財政難のおり、議会経費をできるだけ抑制する努力を積み重ねることは当然のことであり、議会全体で取り組むべき最重要課題のひとつではあるが、あるべき議会の姿を追い求めていくうえで、このことが議会定数議論の本質ではないことだけはハッキリと申し上げておきたい。
この時代に議員定数を削減するのであればともあれ、増やすという全国でも稀な決定だけに、マスコミでも大きく取り上げられ、ご批判も含めて、さまざまなお声が議会に寄せられている。
その批判的ご意見の多くは“県財政が厳しい折、議会も定数を減らすのが当然ではないか!”などの主に財政論的観点からのもので、「自治体議会のあり方」論的なものはほとんどない。
もちろん県財政への影響などに一定の配慮をするのは必要であるが、議会定数議論の本質ではない。
定数を議論するとき、もっとも大切なことの一つ目は議会が持つ「議決」「監視」「評価」などの権能が十二分に発揮するための議会の大きさをどうするのか?つまり当該自治体の財政規模、人口規模などを念頭に、議会構成を考えること。
具体的には常任委員会の数をどうするのか?所管事項の大きさに応じて、それぞれの委員会で丁寧な議論、討論をするには何人くらいが適切であるか?まずこのことをしっかりと議論する必要がある。
そして二つ目には複数の地域代表を一定数確保することの重要さである。
よく“衆議院では1票の格差を2倍以内にしようとしているのに、地方議会の格差が2倍を超えるのはいかがなものか”式のご意見をいただくことが多い。これは後で述べる「法のもとでの平等」の議論ともかかわってくるが、“いかがなもの”式のご意見は国の選挙制度目的と自治体議会の選挙制度目的をごちゃ混ぜにしたかなり乱暴な議論だと思う。
いまさら説明するまでもなく、国は議院内閣制で、行われる衆議院選挙は文字通り「政権選択」の選挙である。それ故「政権選択」を容易にするために「小選挙区」制を採用しているし、1票の格差もより厳密に検証されることとなっている。
一方、地方議会は“いかに確実に多様な民意を議会議論に反映させることができるか?”が制度目的となっており、「1人区」は出来るだけつくらないことが求められているのはこのためである。
そして憲法で定められている「法の下の平等」を考慮しつつも、同時に公選法において「15条8項」の但し書きにある「地域間の均衡をはかる」考え方や県議会議員選挙に「選挙区」を置くこと。すなわち「県議会議員」に「地域代表」の性格を持たせる旨の規定を設けている。
こうした多角的な観点から「選挙区」「議員定数」は論じられるべきもので、「議員削減ありき」「議会経費削減」を声高に叫ぶ単純財政論で論じられるべきものではない。
とは言え、財政難のおり、議会経費をできるだけ抑制する努力を積み重ねることは当然のことであり、議会全体で取り組むべき最重要課題のひとつではあるが、あるべき議会の姿を追い求めていくうえで、このことが議会定数議論の本質ではないことだけはハッキリと申し上げておきたい。