風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ロンドン五輪・初めての金

2012-07-31 01:40:27 | スポーツ・芸能好き
 ようやく柔道女子57キロ級・松本薫さんによって、日本に初めての金メダルがもたらされました。実は開会式の印象を伝えるつもりでしたが、前後してしまいます。
 ここ数日、柔道の試合を見ていて、なかなか日本の美しい柔道をやらせてもらえない欲求不満を感じていたところでした。職人技ではなく、とにかく勝ちにこだわる飽くなき執念に、日本の「柔の道」は後塵を拝して来ました。詰まるところ、世界競技になって、格闘技の一つとして、カタチはどうであれ、とにかく勝つことが全ての世界になってしまうのもやむを得ないのでしょう。およそ日本の柔道らしからぬ、階級制やポイント制もいまひとつ馴染めません。硬い柔道着が採用されて、日本人には不利になるとも言われたものでした。
 そんな中、日本人にもこんな闘争心の塊のような柔道家がいたとは思いもよりませんでした。松本薫さん。Wikipediaで人となりをチェックしたところ、彼女らしさを伝えるエピソードがいくつか散見されました。曰く、かつて東福岡柔道教室において谷亮子を指導した、帝京大学女子柔道部監督の稲田明をして、「松本は、野性味のあるオオカミ。獲物を狙うような目にほれた。(谷を含めて)そんな目をした子は初めて見た」と言わしめたというもの。曰く、その野性味あふれる顔つきや柔道スタイルから、一部のマスメディアによって野獣というニックネームを付けられたことに反発して、もののけ姫と呼んでほしいと主張したというもの。ちょっと笑ってしまいます。
 ある意味では、日本の柔道家らしくないのかも知れません。決勝は、延長の末での反則勝ちであっけないものでしたが、反則勝ちを呼び込んだのも、彼女の野獣のような闘争心と鬼気迫る表情と野生児のようにしぶとく手足を繰り出すガムシャラさにあったのではないでしょうか。確かに日本人らしい潔さは美徳ですが、世界を相手にするときは、国際政治の現実と同様、「柔の道」に殉ずることなく、松本薫さんのように勝ちに行く“しぶとさ“も見せて欲しい。格闘技としての「JUDO」を超える「柔道」であって欲しい。松本薫さんに”天晴れ“ですね。
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